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解体新書 vol.15 DENON ターンテーブル DP-6000篇 解説近藤賢二・佐竹裕行、写真撮影佐竹裕行 ただひたすら正確に回るのみだが、そこに投入される技術と情熱が音となる。 プロの世界に君臨するDENONの名機DP-6000は1976年11月最も完成度の高い「DENONクォーツロックダイレクトターンテーブル」として誕生した。ユニークなデザインと格調高い仕上げ、特に人間工学的な操作性を重視した機構を持つ本機はモータ直結のセンタドライブにより、ベルトやアイドラーを除き、プレー、ストップおよびスピード切り替えをすべて電気的に制御した。また、ターンテーブルの回転速度を検出し、モータの回転数を制御するというサーボ回路を付加して安定な動作が得られるようにした画期的な方式である。(近藤) |
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ダイレクトドライブターンテーブルとして種々の利点を有しているので、DP-6000は従来のアイドラ形やベルト形に見られたゴムの変形や磨耗による回転ムラやモータの高速回転による機械的振動、モータのアンバランスな回転磁界による電気的振動及び電源の周波数と電圧の変動によるスピードの変動が一掃されている。軽量化されたターンテーブルは軸受の摩耗を防ぐと同時にターンテーブルの立上り時間の短縮にもなり長期間にわたって安定した性能を維持する事が出来る。DP-6000は最も理想的なターンテーブルともいえるであろう。(近藤) |
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シートを外すと穴が2空いています。 ここに指を引っかけてプラッターを外します。 DENONのターンテーブルの特有の磁気ヘッドの位置調整もここで行います。プラッターを外す時は磁気ヘッドをプラッターの壁から離してから外さなければなりません。(佐竹) |
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プラッターの裏側です。 一番外側がストロボになります。(佐竹) |
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プラッターの裏側の壁のところに磁気が入ってます。これをヘッドが読んで回転を調整しています。(佐竹) |
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ヘッドです。ネジをゆるめることで前後の位置を調整する事ができるようになっています。(佐竹) |
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プラッターの下には50/60KHzの切換スイッチが付いています。(佐竹) |
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全体像はこんな感じです。(佐竹) |
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底のカバーです。 今回使ったDP-6000はケースが歪んでます。(佐竹) |
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カバーを開けるとこうなります。 真ん中にあるのがモーターでその周りを囲うように基板3つととトランスが配置してあります。(佐竹) |
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上の写真左下のカバーを外した所です。(佐竹) |
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電源のスイッチの裏です。2つのスイッチが複合して使われています。右の金色のスイッチからはケーブルは一本もでていません。左のスイッチの銀のアームを押すためだけに付いているようです。(佐竹) |
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ダイアルのアップです。(佐竹) |
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ボタン裏のスイッチ類を外したところです。 白く四角いのが表から見えるボタンです。 左からSTOP,START,45,33のボタンになっていますが、STOP以外のボタンにはライトが付いてます。 (佐竹) |
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写真の大きいボタンはSTOPとSTARTのボタンです。違いがわかりますか?ライトの付いているボタンには裏側にクッション材の様なスポンジが付いています。これでライトがぼんやり光って見えるような仕掛けです。(佐竹) |
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ダイアルをケースから外すと傘のような形だったのが分かります。(佐竹) |
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ストロボのケースを開けるとストロボのライトと鏡がついていました。(佐竹) |
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ストロボのライトは簡単に外せます。(佐竹) |
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DENONのターンテーブルはプラッターの裏側にストロボが付いているので、それを鏡で反射させて見えるようにしているようです。(佐竹) |
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トランスです。かなり大きい物が付いています。(佐竹) |
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トランスは上からぶら下がるかたちで付けられています。 ネジにもダンパーの様なものが付いています。(佐竹) |
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トランスの上のねじを外すとワッシャーと筒が出てきます。これとゴムでサスペンションの機構をつくっています。(佐竹) |
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トランスのケースは一面だけ開けることができます。(佐竹) |
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モーターを外すには写真中央の4つのネジを外すだけで外れるようになっています。(佐竹) |
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モーターを外したところです。表面にも油がかなり付いてしまっています。(佐竹) |
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モーターの横に型番が書いています。 「IE-963」と書いてありました。(佐竹) 本機は放送局用のDN-302F形と全く同じ構成のまま、モータとその駆動電源の容量を小形化したものである。放送用サーポターンテーブルでは、起動時の所要時間が極めて短く、DN-302F形は33 1/3rpmで約0.2秒だが一般家庭用では、特に起動時間が要求されることが少ないので本機では約1秒となっている。立上り時間を除けば局用としても十分使用できる高性能パーフェクト・サーボターンテーブルである。(近藤) |
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ストロボのライトは基板に直で付いています。(佐竹) |
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DP-6000は3つの基板が付いていて回路もかなり複雑です。(佐竹) |
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トランスから出ているケーブルが写真中央の青い色のケーブルです。先に端子が付いていて着脱が簡単です。(佐竹) |
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基板とモーターです。このようにモーターを囲んでいます。(佐竹) 磁気記録を応用した非常に精度が高く応答の早いスピード検出器と、回転数の変化や負荷の変動に対しても回転磁界が滑らかで振動 の少ないソリッドロータ形交流2相サーボモータを低電圧で使用している点で、今までのターンテーブルの概念とは異なった軽量のターンテーブルにもかかわらず、ワウ、フラッタ、ランプル等の性能が一般の測定器では測定出来ない位の値になっている。(近藤) |
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電源のところの回路です。ここのフューズがついてます。(佐竹) |
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すべて外すとこんなにスッキリします。このシャーシは一体成形でできています。右上の細長い鉄板の所にトランスが付きます。(佐竹) |
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DP-6000は電気的にかなり複雑そうな印象でした。ターンテープルを正確に回すというだけでこんなに複雑な仕組みが必要なのは驚きです。このDP-6000を解体していて気づいたのは、内部の構造がどことなくオープンリールデッキににていることです。以前TEAC X-10Rを解体したときも同じように沢山の回路と巨大なモーターがありました。さらにDENONのターンテーブルにはテープヘッドも付いています。そしてスイッチの形や操作感もなんとなく似ています。 メーカーが同じなら似ていても仕方ないですが、メーカーが違うのに不思議ですね。(佐竹) 解体新書TEAC X-10R前編 http://www.hifido.co.jp/merumaga/040702/kaitai.html 解体新書TEAC X-10R後編 http://www.hifido.co.jp/merumaga/040709/kaitai.html デノンの前身である日本コロムビア株式会社は、1970年に放送局用カートリッジDL-103の一般市販を開始するとともに、民生機器においてもDENONブランドの使用を始めた。同年、世界初のデジタルPCMレコーダーを開発・製造、さらに1972年は、最初のデジタル録音されたLPを発売するなど、その高い技術力と製品開発力により、高級オーディオメーカーとして世界中で高い評価を獲得してきた。1970年代国内各社から相次いでダイレクトドライブターンテーブルが発売されターンテーブルの高性能化はベルト・アイドラ方式からダイレクト方式に移り変わろうとしていた。DENONにおいてもダイレクトドライブターンテープルは放送局用として昭和45年3月に発売して以来、デジタル全盛期の現在においても、なお、各放送局で使用され好評を得ている。DP-6000は、世界を代表するターンテープルとして極点に達した方式で、これは既に放送用として活躍しているDN-302F形サーボターンテーブルを市販用にアレンジしたものである。その構成及び性能は302F形と同様になっている。(近藤) |
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