「ニューヨーク・トリオとビッグバンド」 ジャズピアニスト山下洋輔 ミスティック・レイヤー・ツアー http://www.jamrice.co.jp/schedule/schedule.htm 山下洋輔プレイズ・ニューヨーク http://www.bunkamura.co.jp/orchard/event/yosuke_ny/index.html 今週のおすすめCDは2枚です。ご応募いただいた皆様から抽選で各1枚ずつプレゼントします。お名前、送り先、ご希望のCD(「ミスティック・レイヤー」か「フィールド・オブ・グルーヴス」)を明記の上、下記メールアドレスまでご応募ください。 mailto:merumaga@hifido.co.jp 締め切り日時は6/29(木)21:00です。当選者の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。 |
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コンのおすすめCD 山下洋輔 「ミスティック・レイヤー」 山下洋輔ニューヨーク・トリオ 山下洋輔(p)、セシル・マクビー(b)、フェローン・アクラフ(ds) ゲスト川嶋哲郎(ts,ss,fl) 2005年東京で録音 ユニバーサルジャズ UCCJ-2044 |
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早いものだ。山下洋輔ニューヨーク・トリオが結成18年目を迎えるという。今回のアルバムはトリオが歩んできたジャズの歴史を辿らんとする山下洋輔ニューヨーク・トリオの最新作かつ傑作である。 50年代から80年代にかけて親しまれ続けてきたオーソドックスで4ビートが心地よいモダンジャズは本来ジャズの王道であった。山下は日本のジャズマン坂田明らとともに新しい風穴を吹き込むべくフリージャズに挑戦してきたと思う。今回はアメリカン・リズム及びデキシーランドからフリージャズまでの長きにわたる山下洋輔のキャリアを通して蓄積された多様な音楽をジャズの歴史と交差させてバラエティ豊かにオリジナル曲を綴っていく。いつもながらの多彩でパワフルな山下のリズム感、特に今回気に入った川嶋哲郎のテナーサックスの切れ味のよい見事なプレイには、ただただ素晴しいと感心するばかりだ。独創性のある曲、(4)「やわらぎ」の日本的な情感あふれる表現は、何という美しい響きであろうか。やはりこれは日本人でないとこの叙情は表現できないであろう。 サウンドはもちろんベース、ドラムスの表情も克明に浮かび上がらせる。ベースはリズムセクションの柱として、そのディテールの豊かさとの相乗効果で全体に色彩感鮮やかな音質を再生してくれており、印象的だった。 山下洋輔公式ウェブサイトYYOWS http://www.jamrice.co.jp/ |
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cappuccinoのちょっと前置き 山下洋輔氏といえば、歴史に残るジャズピアニストであろうと皆、口を揃えておっしゃる。かれこれ30年前の私が抱く山下氏のイメージは、ピアノをガンガン弾きまくる、打ちまくる、叩きまくるジャズピアニストであったのだが、そのイメージを塗り替える機会に出会った。NHKテレビ番組の「課外授業 ようこそ先輩」だ。こんな先生がいたらなぁ〜と毎回愉しみに観ていた。2〜3年前になろうか、山下洋輔氏が九州の母校を訪ねて生徒たちと交流を図った。エネルギー漲る氏がどのような授業を披露してくれるのか興味津津。今の子と昔の子の違いといえば脆弱になったことか。しかし、子どもは正直だという点では変わりがないのでは。山下氏の力量がどのように発揮されるかお手並み拝見。山下氏は、子どもたちをグループ分けし、自由に楽器を選ばせて、好き勝手に演奏させる。まとまりのない、いわゆる雑音・騒音でしかない。そこで、ある「テーマ」を提議して演奏をさせる。キラキラ輝く目の奥で何を企んでいるのか。山下氏もピアノで参加。驚いたことに徐々にあちこちに散らばっていた音符が収拾される。それなりに音楽として耳に入ってきた。実に面白い音の楽しみ。(一人一人の音楽技術はおいといて)この「輪」は大切だ。私事で申し訳ないですが、このような試みは大歓迎。どなたか我地域の学校にもお越しくださいませ。お待ちしております。 |
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カプのおすすめ 「フィールド・オブ・グルーヴス」 山下洋輔 (山下洋輔ビッグバンド) ゲスト:ジョー・ロバーノ(ts) 山下洋輔(p)、セシル・マクビー(b)、フェローン・アクラフ(ds)、ジャラフ・グレイ(pec.)、 ルー・ソロフ(tp)、ジェイムス・ゾラー(tp)、レイ・アンダーソン(tb)、クレイグ・ハリス(tb)、スティーブ・ウィルソン(as)、ティム・リース(ts/ss)、トニー・マラビー(ts)、アレックス・ハーディング(bs)、松本治(cond/tb)、ジョー・ロバーノ(ts/4&7) 2001.5.31/6.1 NY |
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今回ご紹介する山下洋輔ビッグバンドを初めて耳にした時、それはもう驚いた。パワー全開なもんだから、聴く側も気を抜けないのである。フリー・ジャズの要素・和洋折衷の要素・スイング時代を彷彿させるサウンドを上手くミックス。 スターティング"Flagments"はタイトル通り。其々自由奔放に演奏してるようで難解といえば難解。でも、会話をしていると捉えると違う楽しみがある。芸術が爆発!といった感じ。ヒート・アップした後はヒート・ダウン"Interrude"ピアノ奏法とスインギーさが懐かしい時代を醸し出す。"Dr.Kanzo"は亡今村昌平氏監督の映画。山下洋輔氏は音楽で「芸術選奨文部大臣賞」受賞。飄々とした柄本明がはまり役の映画も面白い。なんでもかんでも診断名が「肝臓病」と言うから「カンゾー先生」。この「カンゾー先生」のテーマソングではバンドの鋭利なピアノタッチとリズム・セクションのノリがGood。ホーン・セクションもお見事。"10th Theme"これは不思議な世界に魅了される。ジョー・ロバーノのサックスで趣に変化をつける。ベースをフューチャーした"If You Could See Me Now"。民族テイストを表現した"Kurdish Dance"イラン系アジア人のクルド人のダンスをイメージしたのだろうか。"It Don't Mean A Thing"は申し分なく楽しいし山下氏のピアノ・タッチが絶妙。 ご応募お待ちしています。(^^) |
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マイスケ 漫画家—切り絵作家—イラストレーター 03年より「Swing Journal」デスクレビューコーナーにて<SJおじさん&ワニ>切り絵連載。06年5月より徳間書店「問題小説」にて「マイスケの爆発宣言」連載。「月刊Piano」同年7月号より山下洋輔氏との連載「ジャズ漫画バトル!」スタート! 趣味であるピアノでは2000年浅草アマチュアジャズコンテスト ソロプレイヤー部門審査員奨励賞という一面も。 http://maisuke-jazz.de-blog.jp/ |