「20ゴールドフィンガーズ」 100ゴールドフィンガーズ出演予定ピアニスト 今週のおすすめはCD2枚です。ご応募いただいた皆様から抽選で各1枚ずつプレゼントします。お名前、送り先、ご希望のCD(「秋吉敏子渡米50周年日本公演」か「センチになって」)を明記の上、下記メールアドレスまでご応募ください。 mailto:merumaga@hifido.co.jp 締め切り日時は1/18(木)21:00です。当選者の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。 |
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コンのおすすめCD 秋吉敏子&ルー・タバキン・スーパーカルテット 「秋吉敏子渡米50周年日本公演」 秋吉敏子(p)、ルー・タバキン(ts,fl)、ジョージ・ムラーツ(b)、ルイス・ナッシュ(ds) 2006年3月東京朝日ホールにて録音 ティートックレコーズ TTOC-0006 2006/11/1 発売 曲名 (1) ロング・イエロー・ロード (2) 孤軍 (3) フェアウエル・トゥ・ミンガス (4) ザ・ビレッジ〜レディ・リバティ (5) トゥ・リンクル・ティンクル (6) すみ絵 (7) チェイシング・アフター・ラブ |
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世界のジャズ音楽史上で、その名を知られた日本人ピアニスト秋吉敏子が、日本人で初めて米ジャズ界の最高賞「国立芸術基金ジャズマスターズ賞」を受賞した。昨年で渡米50周年を迎えたということだが、彼女自身の音楽生活は60年にも及ぶそうだ。早くからアメリカで活躍していた秋吉敏子が渡米50周年を記念して、日本各地で精力的な音楽活動を展開し、ツアーコンサートを実施していったと聞いている。 2006年3月東京有楽町、朝日ホールで行われた日本公演は秋吉敏子が夫であるルー・タバキンとのコンビでカルテットを編成、あの有名な名ベース奏者ジョージ・ムラーツ、ドラムスの名手ルイス・ナッシュと、最強のメンバーで挑んだ。このニューアルバムはその際録音されたものである。秋吉敏子とルー・タバキンの二人は結婚して37年になるそうだが、秋吉敏子のオーケストラでルー・タバキンは大活躍をした。また70年代にはタバキンは自己のトリオやユニット編成に加わり、独自の素晴らしいテナー・サックスを披露してくれていた。このように37年間おしどり夫婦で活躍していながら、二人のオーケストラでのステージを通じての録音アルバムは、なぜか3枚程しかなく意外に少ないのが残念に思えるのだ。当時のレコード製作担当者はどのように判断していたのか、今から思えばこれほどの優秀なプレーヤーであるのに!と疑問も生じてくるのも当然だ。もっと名曲も多くあったであろう名演奏録音を、絶対残して置いて欲しかったと悔やむばかりだ。 「 シ ン ジ ラ レ ナ 〜 イ! 」 そこは気を取り直し、今回のアルバムを聴いた。秋吉敏子が長年のキャリアを生かし日本の心を誰よりも親身に捉えた作品ばかりだ。まず(1)「ロング・イエロー・ロード」だが、ライナーズノートによるとこの曲は秋吉敏子の曲ということだ。録音の何と見事なこと、秋吉敏子の鮮明なピアノが美しく響きわたる。「このピアノの音には感動するものがある」と思わず呟いていた。一方タバキンの分厚いテナー・サックスも切れがあり、抜群の躍動感を伴って押し出されてくる。この後も(2)「孤軍」(3)「フェアウエル・トゥ・ミンガス」(6)「すみ絵」などが収められている。やはり秋吉敏子が長年しまっておいた日本の心が、一挙にここで花開くようでもあるのだ。そうだろう!秋吉敏子が作った日本的な哀愁を帯びた旋律をタバキンが見事に表現して見せているところなどは凄いと思う。二人が長い音楽活動生活で培った、親身なジャズの世界がそこに歴然と繰り広げられていくのである。ベースのジョージ・ムラーツはこのカルテットを見事なまでに好フォローしている。量感を伴ったタイトなリズムの低音が、全体的にスケール感ある立体感を醸し出しているのもいいではないか。また名手ルイス・ナッシュのドラムスは豊かな響きと繊細な粒たちで、上品にして鮮明な表現で、聴くものに生々しく迫ってくるあたりは圧巻でもあった。いずれにしても秋吉敏子が渡米50周年日本公演で、この素晴らしいアルバムを我が日本のジャズファンに届けてくれたことに感謝したい。 |
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カプのおすすめCD ホッド・オブライエン・トリオ 「センチになって」 ホッド・オブライエン(p)、レイ・ドラモンド(b)、ケニー・ワシントン(ds) 2006年 NY録音 曲目 1)アイ・リメンバー・ユー 2)イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー 3)センチになって 4)トゥー・レイト・ナウ 5)シー・ジャム・ブルース 6)時さえ忘れて 7)恋人よ我に帰れ 8)オン・ア・ミスティー・ナイト 9)イン・ウォークト・バド 10)パリの四月 |
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ダンディーなジャズピアニストというイメージのホッド・オブライエンは1936年シカゴ生まれ。フリー・ジャズが流行している期間はビバップ・ピアニストの活躍する場がなかったので、1963年から約10年間ジャズ界から離れてコロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学で統計関係の仕事に就き、そして1970年半ば頃、ジャズ界に復帰したというという変り種。「コン&カプのおすすめCD」で過去2回ご紹介しておりますが、また登場させていただきます。今回のアルバムはスタジオ録音です。ジャケットでは普段着感覚の少しくたびれかけのトレンチ・コートを身にまとうオブライエンですがお顔の皺も渋く感じます。 さて、円熟した“I Remember You"でスタート。"If I Should Loose You"ケニーのカッティングでラテンの味付け、レイの弾力のあるベース・ソロ、歌心あるピアノとのインタープレーに魅了。"I'm Getting Sentimental Over You"スムースリー&マイルド。"Too Late Now"バラード・ナンバーの優雅さを披露。デューク・エリントン作"C Jam Blues"ケニーのドラムスとピアノの絡みが楽しい。"I Didn't Know What Time It Was"甘くムーディーな演奏。"Lover Come Back To Me"力みのないリズミカルでありながら流麗なピアノ。バックには心強いレイとケニーのリズム隊が脇を固め安堵感を与える。たまにはお家でワイン片手に奥様とお話しながらどうぞ〜。おすすめCDにご応募お待ちしております。(^^) お・ま・け ホッド・オブライエンが来日します。「100ゴールドフィンガーズ」に出演予定。 詳細はオール・アート・プロモーション http://www.allartpromotion.com/ |