「美女とバカラック」 女性ボーカル 今週のおすすめはCD2枚です。ご応募いただいた皆様から抽選で各1枚ずつプレゼントします。お名前、送り先、ご希望のCD(「ザ・ルック・オブ・ラブ」か「クロース・トゥ・バカラック」)を明記の上、下記メールアドレスまでご応募ください。 mailto:merumaga@hifido.co.jp 締め切り日時は7/19(木)21:00です。当選者の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。 |
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コンのおすすめCD その1 ダイアン・ハブカ 「ザ・ルック・オブ・ラブ」 ダイアン・ハブカ(vo)、カール・サーンダース(tp,flh)、クリスチャン・ジェコブ(arr,p)、ラリー・クーンズ(g)、クリス・コランジェロ(b)、ジョー・ラバーベラ(ds) 2005年6月録音 ポリスタ−/バウンディ XQAM-1504 2007/4/25 発売 曲名 1) 神の御子はみな踊る 2) ダブル・レインボウ 3) ザ・ルック・オブ・ラブ 4) ラバーズ・イン・ニューヨーク 5) ヒズ・ア・トランプ 6) ザ・バッド・アンド・ザ・ビューテフル 7) アイム・オールド・ファッションド 8) ロング・グッドバイ 9) クロース・イナフ・フォー・ラブ 10)007は二度死ぬ 11)ワイルド・イズ・ザ・ウインド 12)カーニバルの朝 13)インビテーション |
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ボーカルの当たり年だった2006年に負けず、今年2007年も個性派、新人も次々に登場している。その中でも注目株の女性ボーカリストがダイアン・ハブカである。素晴らしい声量を持った何と美しい声だろう。美しいのは声だけではない。ジャケ写真を見てご覧の通りの美貌だ。最近のビジュアル的にも最適なボーカリストといっていい。ジャズ・ボーカル・ファンに受けるだろう。またギターも弾ける知的な雰囲気のある歌唱力は、気品に満ちた魅力がいっぱい詰まっているようだ。心地よい歌声を聴いていると爽やかで、夏の匂いがしてくるようだ。 日本でのデビューアルバムは曲名から分かるように映画音楽ばかり集めたものだ。7)「アイム・オールド・ファッションド」はボサノバ風にアレンジしてロマンティックに歌っている。彼女にはボサノバが似合うし、自身も「ボサノバをやっていきたい!」と言っている。現在そのためにポルトガル語を習っているということだ。ボーカルファンとしても、ダイアン・ハブカにはこれからもボサノバを沢山歌って欲しい。そういえばボサノバの女王イリアーヌの雰囲気にも似たところがある。第二のイリアーヌを目指して欲しいものだ。1)「神の獅子はみな踊る」を聴いた途端、これにも魅せられた。歌声はハスキーで好感が持てる。続く3)「ザ・ルック・オブ・ラブ」はバート・バカラックの名曲で、あのダイアナ・クラールも歌っていて、その魅了的な歌唱が素晴らしかったことを思い出す。ダイアン・ハブカは優雅で気品すら漂わすように歌い上げていく。クールな中にも温かな情感を漂わせ、ダイアン・ハブカの拘りが反映された作品となっている。 暖かく膨らみのあるハブカのボーカルに心休まる。このアルバムの伴奏楽器はギター、トランペットありで通常のピアノ・トリオと違った趣で楽しく聴くことができ、またハブカ自身も12)「カーニバルの朝」では得意のギターを披露してくれている。最後まで彼女の彩り鮮やかなエキゾチック・サウンドの数々が楽しめた。 |
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コンのおすすめCD その2 平賀マリカ 「クロース・トゥ・バカラック」 平賀マリカ(vo)、デビッド・マシューズ(p,arr)、アンディ・スニッツァー(ts)、ビクター・ルイス(ds)、ルー・ソロフ(tp)、チャーネット・モフェット(b) 2006年12月〜2007年1月NYで録音 ポリスター/バウンデ MTCJ-3044 2007/6/20 発売 曲名 1) 雨にぬれても 2) サンホセへの道 3) アルフィー 4) ルック・オブ・ラブ 5) ホワイト・ザ・ワールド・ニード・ナウ・イズ・ラブ 6) クロース・トゥー・ユー(遥かなる影) 7) ワイブス・アンド・ラバーズ 8) ア・ハウズ・イズ・ノット・ア・ホーム 9) アーサーズ・テーマ(ニューヨーク・シティ・セレナーデ) 10)ゴッド・ギブ・ミー・ストレングス 11)恋よさようなら 12)ジズ・ガイズ 13)愛のハーモニー |
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平賀マリカ2001年のアルバム「My shining hourマイ・シャイング・アワー」が5/23に再販されたが、2006年のアルバム「フェイス」に続き、またしても素晴らしくよりスタイリッシュにボイスを聴かせるニューアルバムが発売された。俄然元気が出る人気奏者デビッド・マシューズ率いる人気コンボ、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)との初共演が何と言っても頼もしい。パワフルなサウンドと平賀マリカの歌唱力とがよくマッチしているので気分よく聴けた。 今回はタイトルが示すとおり、バート・バカラックの曲でアルバムを満たしている。なぜか最近バカラックの曲を歌うボーカリストが多い。平賀自身も全曲バカラックの曲で統一したかったと語っている。聞くところによると平賀は90年頃MJQの「ザ・サイドワインダー」(ジャケ写真)を聴いてマシューズの歌心に惚れ込んでいったということで、彼女は「一度はマシューズと共演することが念願だった」という。その夢はマネージャーを通じて実現したということである。 今作では曲のテンポや構成のアレンジをマシューズと話し合い準備が進められたという。最初の曲1)「雨にぬれても」から2)「サンホセへの道」でも聴き応え十分といえる。5)「ホワイト・ザ・ワールド・ニード・ナウ・イズ・ラブ」6)「クロース・トゥー・ユー」でも軽やかな歌いっぷりと伸びやかに少し色っぽく歌っているところがいい。10)「ゴッド・ギブ・ミー・ストレングス」に、おいてもマシューズのアレンジが抜群に光っている。平賀のボーカルもよくスイングし躍動感を伴ってロマンティックである。彼女は英語の発音も賢明に練習努力したということで、一曲ごとに歌唱力を磨いていったという。そう思って聴くと彼女のボーカルも昨年の「フェイス」からして一段と上手さを増し、ボーカルファンの我らが聴いてもかなりレベルアップしてきたように聴き取れる。 デビッド・マシューズの総合的なリズムのアレンジがよく生かされている。特にルー・ソロフのトランペットが哀愁を込めてジャズ・ムードのテンションを上げていくところが印象的だった。また平賀のスケールの大きなボーカルに伸びがあり、ちょっぴり艶っぽい歌い方にも魅了される。MJQの素晴らしい演奏がよくマッチしていて、一曲一曲どれを聴いても素晴らしい歌声と切れのいいリズムである。録音のよさも貢献し満足できるサウンドだ。 |