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koncappu
「ヴィーナスが愛する男達」
ヴィーナスレコードの男ジャケ
今週のおすすめはCD2枚です。ご応募いただいた皆様から抽選で各1枚ずつプレゼントします。お名前、送り先、ご希望のCD(「ジャズ・モーツァルト」か「トゥモロー・ネバー・ノーズ」)を明記の上、下記メールアドレスまでご応募ください。
mailto:
merumaga@hifido.co.jp
締め切り日時は9/6(木)21:00です。当選者の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。
コンのおすすめCD その1
ロマンティック・ジャズ・トリオ
「ジャズ・モーツァルト」
ジョン・ディ・マルティーノ(p)、ボリス・コズロフ(b)、エルネスト・シンプソン(ds)、
2006年3月ザ・スタジオ、ニューヨークで録音 ヴィーナスレコード TKCV-35382 2006/11/22 発売
曲名
(1) ザ・ファイヤー・オブ・パッション〜ピアノ協奏曲第24番「アレグロ」より
(2) バラの花びらのように〜ピアノ協奏曲第21番「アンダンテ」より
(3) デザート・ジャーニー
(4) アイブ・ロスト・ハー〜オペラ「フィガロの結婚」より
(5) 幻想曲ニ短調より
(6) マイ・ハート・ニーズ・トゥ・ノウ〜ピアノ協奏曲第27番「ラルゲット」より
(7) ラクリモサ〜レクイエムより
(8) ザ・ウィローズ・ソング〜クラリネット協奏曲「アダージョ」より
(9) ダンス・オブ・ザ・ウィンド〜交響曲第40番「モルト・アレグロ」より
(10)アーク・オブ・ラブ〜ピアノ協奏曲第23番「アダージョ」より
現在ニューヨークを拠点に活躍するピアニスト、ジョン・ディ・マルティーノ。美しい旋律とハーモニーによって醸し出されたロマンティック・ジャズ・トリオのニューアルバムはモーツァルト集である。モーツァルト集といっても、かなり原曲のイメージとは違って聴き取れる曲もあるだろう。
昨年はモーツァルト生誕250周年ということで、記念のCDアルバムが相次ぎ発売されて好評だったということだ。クラシック界のみならずジャズ界においてもそれに便乗したかのように、各社いろいろ企画した。モーツァルト生誕記念の最後を飾るかのように登場したのがこのアルバムだ。正にジャズに打ってつけのロマンティックなモーツァルトの名曲を、ロマンティックなジャズフィーリングで、美しくスリリングに演奏する。モーツァルトの名曲にお洒落でスイートなフィーリングをいっぱい詰め込み、美しい名曲をさらに美しく構築している。とてもモダンな感覚を呼び起こしてくれているようである。グループ名どおりロマンティックなジャズもさることながら、正統派ジャズ・トリオの魅力に溢れている。
今回の「ジャズ・モーツァルト」を聴いていくとジョン・ディ・マルティーノのピアノは、いろんな意味でバランスがいい。哀しい曲(7)「ラクリモサ〜レクイエムより」ではマルティーノのピアノのイントロの後に続くエルネスト・シンプソンの品格のある繊細なシンバルはまるでプラチナの粒子を散りばめたイルミネーションのように明快な素晴らしいリズムで盛り上げていく。ジャズ・ベースにおいてもボリス・コズロフの繰り出す骨太でごつい音はロマンティック・ジャズ・トリオに欠かせない存在だ。
サウンドにおいても、それは文句のつけようのないダイナミックで繊細な素晴らしい録音である。リアリティある音像と鮮度は圧倒的で、リズムの切れ味が全体に凄いテンションを与えている。自然と身体が熱くなる好録音である。
コンのおすすめCD その2
ジョバンニ・グイディ・トリオ
「トゥモロー・ネバー・ノーズ」
ジョバンニ・グイディ(p)、フランチェスコ・ポンティチェッリ(b)、エマヌエレ・マニスカルコ(ds)
2006年1月 ローマで録音 ヴィーナスレコード TKSV-35377 2006/8/23発売
曲名
(1) スリーブ・セイフ・アンド・ワーム
(2) ターン・アラウンド
(3) ヨーガ
(4) バイジス・リバー
(5) バック・イン・ザ・USSR
(6) ベガット・キッチン
(7) トゥモロー・ネバー・ノーズ
(8) ベラ
(9) モーション・ピクチャー・サウンドトラック
(10)ノルウェイの森
(11)ダフ
(12)アリス・イン・ネバーランド
(13)ジロトンド・ベル・フランシス
新人発掘の宝庫とも目されるヴィーナスレコードから、今回もイタリアのジャズ界にあって、まだ21歳という若きエースが登場した。その名はジョバンニ・グイディである。期待を膨らませ、早速(1)「スリーブ・セイフ・アンド・ワーム」から聴いてみた。なかなかどうして落ち着き払ったものだ。繊細で透明感あるピアノはジャズを新感覚できちっと捉えている。高いセンスと将来性が伺えるようだ。(2)「ターン・アラウンド」はピアノの巧みで厚い音の響きが心地よい。それ以上に骨太で分厚く奏でていくベースに思わず聴き惚れてしまった。またドラムスのシンバルが弾け飛ぶ様はこれまた繊細で透明感があり、格別の味わいにワクワクした。ポップなビートルズナンバーも(5)「バック・イン・ザ・USSR」(7)「トゥモロー・ネバー・ノーズ」(10)「ノルウェイの森」の3曲が含まれている。グイディのピアノはベースとの連弾では、厚みのある太い音で奏でていく。ベースの音圧にも負けていないようで、今まであまり味わったことのない素晴らしいピアノの音質である。
この逞しい音は何処から湧き出てくるのであろうか。弱冠21歳とは思えないくらい、全体にわたりゆったりとしたピアノの流れで紡いでゆく。各曲をグイディ独自の編曲とジャズ感覚でプレイしているのが頼もしく思えた。原曲の姿をあまり残さず、かなり崩して演奏しているようだが、全体的にゆったりした演奏なので、あまりそのような印象はない。同じヴィーナスレコードのピアニスト、ダン・ニマーとは対照的である。ダン・ニマーはどちらかと言えば正統派でオーソドックスなピアノ演奏に徹しているが、ジョバンニ・グイディはすごく新鮮なジャズ感触を醸し出しているようだ。これは手ごわい最強ピアノ・トリオのメンバーがまた一つ増えた。大いに大歓迎したい。ただただうれしい限りだ。
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