「ピアノトリオ2」2008年5月2日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD リッチ・バイラーク・トリオ「サマー・ナイト」 京都店 カプのおすすめCD Romano Mussolini Quintet「Happiness Has Your Name」 日本橋店 |
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コンのおすすめCD リッチー・バイラーク・トリオ 「サマー・ナイト リッチー・バイラーク(p)、ジョージ・ムラツ(b)、ビリー・ハート(ds) 2007年ザ・スタジオ・ニューユークで録音 ヴィーナスレコード TKCV-35417 2008/1/16 発売 曲名 1) サマー・ナイト 2) オール・オブ・ユー 3) ソラー 4) メモリー・オブ・ユー 5) オール・ブルース 6) シシリアーノ 7) アイ・リメンバー・ユー 8) インプレッションズ・インテイマス 9) マイルストーンズ 10)ソー・ホワット |
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1970年代に登場したジャズ・ピアニストの中でも、リッチー・バイラークは最も強烈な輝きを放っていた一人で、日本のジャズ・ファンにも人気がある。ヴィーナスレコードでは「ロマンティック・ラプソディ」、「哀歌」、「マンハッタン・の幻想」に続く4作目、1年3ケ月ぶりのニューアルバムだ。リッチー・バイラーク・トリオ結成25周年記念作品でもある今作ではモダン・ジャズの巨匠マイルス・デイビスにトリビュートしたものが多い。フュージョン・ブームが猛威をふるった時代、リッチー・バイラークはアコースティック・ジャズの未来を照らす一つの光だったように思う。その光は現在においても色あせることなく、いや!それはよりいっそう輝きを放ち我々ジャズ・ファンの心の中に深く浸透し、ジャズへの情熱をいっそうかきたてられるものだ。 心が通い合ったリッチー・バイラーク・トリオ不動のメンバーで奏でられていく。1)「サマー・ナイト」はよくスイングしたリズムと繊細な響きで満たしていくところが心憎いばかりだ。2)「オール・オブ・ユー」は、地の底から湧き上がってくるような鋭いリズムと、これまた切れのよいピアノに加え、繊細なシンバルが冴えわたる。3)「ソラー」はバイラーク独特の軽快で弾むようなリズムで格別の味わいがある。続いての4)「メモリー・オブ・ユー」のようにスロー・テンポなリズムもバイラークにはよく似合う。伸び伸びした旋律で打ち出していくピアノが断然魅力的である。5)「オール・ブルース」においては、一転して電光石火のように炸裂するその繊細なリズムで始まり、最後まで一分のすきもなく音の洪水に満たされていく。6)「シシリアーノ」はお馴染みの曲だが、バイラークが奏でると、哀愁があり情緒的で曲に込められた異国的な叙情を余すところなく掘り起こしていく。7)「アイ・リメンバー・ユー」、8)「インプレッションズ・インテイマス」では、ピアノ・ソロから始まりベースのピッチが絶妙な音のバランスを聴かせてくれる。9)「マイルストーンズ」、10)「ソー・ホワット」においては、軽快に弾むピアノと上手くフォローするベースとドラムスのどどちらもが力強く、ジャズらしいリズムと切れ込みで刻んでいく。 強烈であるが、ドロドロとした熱さはみじんも感じさせないピアノで、豪快にスイングする、骨太なジャズ・ピアニストとしての新しいバイラーク像は、興奮と熱狂だけではなく、冷徹さも兼ね備えた斬新なセンスを伴っている。実に巧妙で、美しく響きわたるピアノが各楽曲に全く新しい生命を吹き込んでいく。何といってもクールなリリシズムと、クリスタルのような美しい輝きを持った音色で、思わず「これがジャズの音か!」と感じさせるジャズ史上屈指の美しさに酔うばかりだ。稀に見る素晴らしいアルバムの登場だ。 サウンドは前述したように、不変ともいえるバイラーク・トリオの音質はジャズとしてもオーディオ的にも申し分なく、まさに我がオーディオ心を揺り動かす。持ち前の美しいタッチを駆使した、バイラークの世界を聴かせてくれるリファレンスな一枚だ。 |
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カプのおすすめCD Romano Mussolini Quintet 「Happiness Has Your Name」 Romano Mussolini(p)、Cicci Santucci(tp&flg)、Francesco Santucci(ts)、Dario Rosciglione(b)、Osvaldo Mazzei(ds) Guests: Manuela Florio(vo)、Paolo Bacilieri(vo) 1996.12. Roma Italy録音 1) Be Bop’s Changes 2) Happiness Has Your Name 3) Night Trip 4) Sweet Valse 5) Happiness Has Your Name 6) Lazy Blues 7) Silver’s Tune 8) Drum’s Bounce 9) I’m Blue Tonight 10) Easy Line 11) Red Leaves |
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小粋にスイングする”BeBop’s Changes”は其々がとてもダンディーな演奏でバトン・タッチしていきます。休日のお目覚めに心地よく響きます。続いては、赴きを変えて、アルバムタイトル曲の”Happiness Has Your Name” です。ここではハスキー・ヴォイスの女性ヴォーカルと管楽器がしっとりと語りかけます。Cappuccinoが気に入りました”Night Trip”はウォーキング・リズムを刻みながら格好良く繰り出します。優雅に流れるピアノから始まる“Sweet Valse”はホーン・セクションが入らないトリオでの演奏で新鮮に感じました。”Happiness Has Your Name”ヴォーカルが入らないラテン色あるバージョンです。“Lazy Blues”気だるい感じを各奏者が表現しています。“Silver’s Tune”は抑え気味ながらですがメリハリのあるスインギーでレトロな楽曲です。アップ・テンポの“Drum’s Bounce”はタイトル通り卓越したドラムスを軸にサックス、トランペット、早弾きベース、ピアノとソロが続きます。ドラムスとピアノの絡みも心弾みます。ヴォーカルが入る“I’m Blue Tonight”は作詞をピアニストのRomano Mussoliniがされています。パンチの利いた女性ヴォーカルと男性ヴォーカルとの共演。トランペットさながらのスキャットやミュート・トランペットが良い味付けになっています。”Easy Line”“Red Leaves”など軽快にスイングします。ご試聴ご希望の方はご遠慮なく店頭スタッフにお申し付けください。お待ちしております。(^^) ゴールデン・ウィークお出かけのご予定がない方は5月3日(祝)、4日(祝)大阪府高槻市にて、今年10周年を迎える「高槻ジャズ・ストリート」が屋内・野外・ホールなど沢山の会場にて無料で開催されます。どうぞ、ご家族、お友だちと訪れて愉しい一時をお過ごしください。詳しくは高槻ジャズ・ストリート事務局HPをご覧ください。http://www.0726.info/ |