2008年5月30日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD ローマ・トリオ 「慕情」 秋葉原店 カプのおすすめCD ジョージ川口&ビッグ4 「キャラヴァン」 京都店 |
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コンのおすすめCD ローマ・トリオ 「慕情」 ルカ・マヌッツァ(p)、 ジャンルカ・レンツィ(b)、ニコラ・アンジェルッチ(ds) 2006年7月イタリアで録音 ヴィーナスレコード TKCV-35401 2007/6/20発売 曲名 1) 慕情 2) イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー 3) ウィスパー・ノート 4) エアジン 5) オン・グリーン・ドルフィン・ストリート 6) アイ・ラブ・ユー・ポーギー 7) 二人でお茶を 8) クラウディアズ・ナイトメア 9) 孤独のメッセージ 10)エブリシング・アイ・ラブ |
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現在イタリアン・ジャズが大変人気を博しており、様々な逸材が誕生している。アルト・サックス奏者のフランチェスコ・カフィーソ、女性ボーカリストのロバータ・ガンバリーニ、ピアニストのステファーノ・ボラーニ及びジョバンニ・グィディなど、個性ある才能と目も覚めるような新鮮なプレイに俄然興味を引かれる。そんなイタリアン・ジャズ界からフレッシュなピアノ・トリオがデビューを飾った。その名は「ローマ・トリオ」分かり易い名前だ。メンバーはルカ・マヌッツァ(p)、ジャンルカ・レンツィ(b)、ニコラ・アンジェルッチ(ds)。主役となるピアノのルカ・マヌッツァは現在39歳ということである。ちょうど油が乗り切った、まさに今が旬といった感じがする。聞くところによるとルカ・マヌッツァはクラシックのピアノを学んで、フュージョンやロック系のバンドを歴任してきたという異例のミュージシャンということだ。ジャズに取り組んだのは92年頃だという。たしかにクラシックからジャズに変更したというアーティストは少なくないが、イタリアの一流プレーヤーとも共演し、ミュージシャンとして栄誉ある賞もいくつか獲得してきたという凄腕だ。ベースのジャンルカ・レンツィとドラムスのニコラ・アンジェルッチもイタリアのトップクラスのアーティストと録音を重ねて、かなりの評価もう受けてきているといことだ。イタリアン・ジャズの伝統を革新的に進化させたセンスとストーリーに満ち溢れたピアノ・トリオの誕生だ。 今回のアルバムは有名なスタンダード・ナンバーを多く取り入れ、ローマ・トリオの新鮮な演奏がよりいっそう高まっていくようだ。アドリブとテクニック、イタリア人らしい大きく豊かな歌心が溢れる表現はメロディを大切に扱っていく姿勢がよく聴き取れるようである。1)「慕情」はマックス・ローチ、クリフォード・ブラウン五重奏団で演奏された55年の名映画の主題曲である。現代のローマ・トリオが演奏するとゆったりした躍動感溢れるリズムで刻んでいくそのアレンジも見事なもので、曲が進むに従って、速いスインギーなテンポだと思ったら、今度はその倍ぐらいの超スピード感で押していく、といった斬新なところも聴き取れ、一曲聴いただけでドキドキし、またリズム感に惚れ惚れするようであった。続いて2)「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」、7)「二人でお茶を」、10)「エブリシング・アイ・ラブ」まで聴き終え、これは安心感さえ抱かすような好演奏だった。我がリスニングルームには二度と日の目を見ないジャズ・アルバムが山積する中、これからは何度も繰り返し聴くことになるであろう。ローマ・トリオの魅力に一挙に陥ってしまった。特にジャンルカ・レンツィの妙技あるベースの音が引き締まり、躍動感を伴って「トントン」と軽快に弾んでいく音域はオーディオマニアにとってたまらないものだ。ニコラ・アンジェルッチの繊細なドラムス捌きも鮮やかで、切れ味も抜群で見事である。 ご機嫌なピアノ・トリオが弾き出すサウンドは低域から高域までバランスがとれ、力強い安定感もあり気持ちよく抜ける。ピアノの音質が綺麗でその上熱く鍵盤上を駆け巡るルカ・マヌッツァのテクニックはイタリア人特有のものか。ピアノタッチの美しさも特筆に価するものだ。ベースはエッジの切れもよく軽快に弾んでいく、オーディオ的に魅力を感じる素晴らしい音作りだ。シンバルも同時に張り出しが鮮明で繊細さも増していくような、上品にして美しい演奏である。 |
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カプのおすすめCD ジョージ川口&ビッグ4 「キャラヴァン」 大矢隆敏(ts)、藤田正明(g)、世良譲(p)、木村哲治(b)、ジョージ川口(ds) ‘6611.30 1〜’11.30 録音 曲名 1) キャラヴァン 2) ゴールドフィンガー 3) 愛の星占い 4) フォー・ン・シックス 5) マングース 6) イパネマの娘 7) アンド・アイ・ラヴ・ハー 8) 恋とはなんでしょう 9) コルコヴァード 10) アイ・ラヴ・ユー 11) アイ・ウィッシュ・ユー・ラヴ 12) ワンス・アイ・ラヴ |
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昭和ジャズ復刻版シリーズ。なかなか原稿が書けずに何ヶ月もそのままにしていたおすすめCDの一枚です。ドラム好きなcappuccinoですが、あまりにもすごいので書けませんでした。 日本ジャズドラマーの重鎮、ジョージ川口氏はお父様が日本ジャズ・ドラムの草分け的存在でジョージ川口氏は英才教育を施されたということです。昭和28年にビッグ・フォーを結成され戦後ジャズ・ブームに活躍されました。「芸術選奨・文部大臣賞」「紫綬褒章」「勲四等旭日小綬賞」など受賞されましたが、2003年11月1日に脳出血のため急逝されました。 さて、アルバム紹介といきましょう。お馴染みの「キャラバン」「ゴールド・フィンガー」ギターやサックスがなんとなく昭和というレトロな味に加えて、パーカッションと川口氏のドラムスキルには圧巻されます。ドラム・パフォーマンスに「優美」という表現を使用したことがかつてなかったと思いますが敢て表現したいと思いました。確かに、仕掛け花火のようなドカーンという迫力もありますが、滑らかなスネアドラム・ロール、シンバルなどの音のつなぎ目がスムーズでベルベットのような上質な仕上がりです。ラテンサウンドの「イパネマの娘」や「コルコヴァード」などは初夏の日差しを浴びながらまどろみを帯びたサックスやピアノの音色がお喋りしているのをゆったりと聴きたいですね。ビートルズ世代の私にはとても思い出深い曲の「アンド・アイ・ラヴ・ハー」サックス、ギター、ピアノと各ソロ演奏をお楽しみください。アップ・テンポの「恋とはなんでしょう」は激しく、躍動感あるスティック裁きが爆裂です!スカッーッとします。「アイ・ラヴ・ユー」はとても力強くリードしているドラムスに各メンバーの生き生きとした演奏もあれば「アイ・ウィッシュ・ユー・ラヴ」「ワンス・アイ・ラヴ」のようにしっとりと切なく歌うサックス&ギターサウンドの心地よい演奏もご堪能ください。最後のさいごまで大技、小技を織り交ぜた誠実なパフォーマンスに心打たれます。ご試聴ご希望の方はご遠慮なく店頭スタッフにお申し付けください。お待ちしております。(^^) |