2008年12月19日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD リニー・ロスネス 「黒水仙」 大須本店 カプのおすすめCD Bridges 「Still」 オーディオビギナーズ |
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コンのおすすめCD リニー・ロスネス 黒水仙 リニー・ロスネス(p)、ピーター・ワシントン(b)、ルイス・ナッシュ(ds) 2008年1月ニュージャージで録音 M&Iミュージック MYCJ-30473 2008/9/17発売 曲名 1) 黒水仙 2) ウイズアウト・ア・ソング 3) ユー・ノウ・アイ・ケア 4) ピアトリース 5) レコーダー・ミー 6) チェルシー・ブリッジ 7) アイソトープ 8) ホッワツ・ニュー 9) セレニティ 10)ナイト・アンド・ディ |
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この時代だから心温まるジャズを聴いて欲しいと感じさせるようなリリカルなプレイが一層輝きを放っている。ロスネス自身の瞳も美しいが、ピアノはより美しい。ロスネスはスイング感、リズムの繊細さなどを素晴らしい技法で奏でていく。生き生きとしたタッチで演奏する喜びを表現する充実したプレーヤーはそう多くない。そのことからもロスネスが持っている音楽的な美点を、幅広いジャズファン層に聴いてもらいたい。 1)「黒水仙」、2)「ウイズアウト・ア・ソング」から聴いてみた。原曲をあまりアレンジせず、雰囲気を大切にブルーバラードが持つ情感を余すところなく表現し、美しいしっかりした芯のある音で紡いでいく。3)「ユー・ノウ・アイ・ケア」、4)「ピアトリース」では、ロスネスのピアノと共にスインギーにドラムスが盛り上がっていく流れが気持ちいい。ルイス・ナッシュのスティック・ワークが透明感を増し心に心地よく染みわたってくるのだ。5)「レコーダー・ミー」、6)「チェルシー・ブリッジ」、7) 「アイソトープ」にしても美しいピアノのセンスは、やはりロスネス天性のものだと思わせる。そして9)「セレニティ」、10)「ナイト・アンド・ディ」は、ロスネスのピアノタッチを受けて、ベースとドラムスがスリリングに演奏する。全曲ともメンバーが一体になっており、ピアノトリオの魅力が味わえる。 今回ドラムスはロスネスの夫でドラマーのビリー・ドラモンドに代わりルイス・ナッシュだった。3年前ピーター・ワシントン(b)、 ルイス・ナッシュ(ds)で再出発を図っており、「このグループで共演する機会が多かったからだ!」とロスネス自ら語っている。その通りで、ルイス・ナッシュのドラムとピーター・ワシントンのベースは、ロスネスのフォローとして実に安定した音を聴かせてくれている。ベースは骨太で厚く気持ちがいいくらい深い低音を奏でていく。ナッシュの繊細で弾け飛ぶドラム・ワークは依然として健在で、オーディオマニアとしても魅せられっぱなしだった。 |
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カプのおすすめCD Bridges 「Still」 Roland Batik(p)、Woody Schabata(vib. Marimba)、Heinrich Werkl(b) 2004. 7.26.27 ヤマハ・スタジオ ウィーン録音 曲名 1)Israel 2)Lover Man 3)Time Remembered 4)Pina Colada 5)Blue Road 6)1. April 7)Player 8)Waldviertel 9)Twilight 10)In Line 11)All The Things You Are 12)Prolog * Vier Intermezzi 13)Allegro Ma Non Troppo 14)Tempo Rubato-Adagio Misterioso-Tempo Gusto 15)Blues-Intermezzo 16)Finale |
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今回のおすすめCDは、ローランド・バティック(p)、ウッディ・シャバタ(vib.marimba)、ハインリッヒ・ヴェルクル(b)のドラムレス・トリオのご紹介です。9年前にファースト・アルバムをリリースされた時と同メンバーで制作された本アルバムは2004年に第2作目として発売されヨーロッパで好評を博したようです。「ブリッジズ」このグループ名が表すように結成以来、「あらゆる帯域に広がることのできる音楽を経験し、またそうした経験を許していく」という目標を一貫して追求してきたグループ名だということです。16曲中12曲はオリジナルです。さて、彼らはどんな世界を繰り広げてくれるのでしょうね。 アルバムに掲載されたキャッチフレーズが「クラッシックとジャズをこよなく愛するピアノの名手バティック」。なるほど〜。彼の作品である12曲目の”Prolog” ~ “Vier Intrmezzi” に集約されているように思います。Cappuccinoが気に入ったのは、4)”Pina Colada” です。マレットで奏でる木の温もりがパイプを介して響き渡るマリンバの音色と優美なピアノ・サウンドの融合。リリカルで美しいメロディーと共に編み出す世界に希望漲る感動を覚えました。10) ”In Line” ではマリンバ奏者のウッディ・シャバダの作品で彼の独奏です。余談ですみませんが、マリンバといえば、某テレビ局料理番組のテーマ曲やドラマ、映画の効果音にも活用されていますよね。Cappuccinoが映画で忘れられない作品の一つにクエンティン・タランティーノ脚本の「True Romance」があります。バイオレンス・ラブ・アクションという苦手なジャンルではありますが、当時、主演のクリスチャン・スレーターにはまっていたので頑張って観ましてね、回顧シーンでマリンバ演奏が効果的に使われていましたのでマリンバ好きの私には印象に残っています。興味のある方は年末にレンタルしてどうぞご確認くださいませね。8) “ Waldviertel” はベース奏者のハインリッヒ・ヴェルクルの作品です。ヴァイヴ、マリンバ奏者のウッディ・シャバダの作品である5) “Blue Road” 同様夜の闇に包まれたダークな楽曲です。8) ではローランド・バデックの珠玉のピアノ・ローリングと弾力のあるベースがエモーショナルに繰り広げられています。ビリー・ホリディーが気だるく語り掛ける、哀愁を帯びた歌唱が印象的な2) “ Lover Man “ は涼やかなヴァイブが新鮮に感じます。ジェローム・カーン作、11) “All The Things You Are (あなたがすべて) “ は本当に素敵な楽曲です。12) “ Prolog” はコミカルに道化師が踊っている姿が浮かぶ可愛い作品です。15) “ Blues-Intermezzo” はブルージーなピアノに魅了されます。ご試聴ご希望の方店頭スタッフにお申し付けください。お待ちしております(^^) |