2009年1月9日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD MAYA 「MAYA+JAZZ」 京都店 カプのおすすめCD Andrea Marcelli Trio featuring Thomas Clausen 「Sundance」 京都店 |
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コンのおすすめCD MAYA 「MAYA+JAZZ」 MAYA (vo)、高橋康廣(ts)、嶋津健一(p)、寺村容子(p)、嶌田憲次(b)、松尾明(ds) 2008年6月横浜で録音 ディスクユニオン(寺島レコード)TYR-1005 2008/9/19発売 曲名 1)テイク・ミー・イン・ユア・アームス 2)ブラック・コーヒー 3)黒い瞳 4)ザ・タッチ・オブ・ユア・リップス 5)ビューティフル・ラブ 6)アイム・ア・フール・トゥ・ケア 7)ザ・ムーン・ワズ・イエロー 8)アイ・フォール・イン・ラブ・トゥ・イージリー 9)レッツ・ドゥ・イット 10)ハニーサックル・ローズ 11)哀しみのダンス |
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実力派ボーカリストMAYAは以前から注目していた一人である。アルバム「アローン・トゥゲザー」、「Jazz bar 2007」、「ベサメ・ムーチョ」において、美しく空間に響き渡る情熱がこもったボーカルで、メロディもダイナミックに弾むようなリズムが何ともいえないものだった。しかし前述した3アルバム全てMAYAのボーカルは各アルバムで、たった1曲のみの挿入だった。この「おすすめCD」コーナーでも次のように言っていた。「こんなにも心癒される美しいボーカルが各アルバムで1曲というのは、随分ストレスが溜まる!」2年間アルバムが発売される度に苦言を呈してきた。今回のアルバムでようやく念願が叶ったようで嬉しいかぎりだ。 このアルバムはあのジャズ喫茶“MEG”のオーナー寺島靖国氏がプロデュースする「寺島レコード」からリリースされた。MAYAが寺島レコードに移籍して第一弾となる記念のアルバムでもあるのだ。寺島氏はMAYAのデビューの頃からMAYAを高く評価していたと言われている。寺島氏はオーディオマニアとしてもよく知られているが、自分好みでの音の思いをレコード制作に傾け、自らレコード会社を立ち上げたのだ。確かにMAYAの歌声には惹かれるものがある。スロー・バラードで語りかけるように歌い上げるのが彼女にはよく似合うのだ。 まず1)「テイク・ミー・イン・ユア・アームス」とよく知られたスタンダード・ナンバー2)「ブラック・コーヒー」から聴いたが、キュートでありながら女らしく歌っていく。3)「黒い瞳」、4)「ザ・タッチ・オブ・ユア・リップス」、5)「ビューティフル・ラブ」にしても実にシンプルにそして爽やかに歌っていくところなど、温かみのある歌声に色気がチョッピリ乗り、まさに大人の雰囲気を醸し出す。6)「アイム・ア・フール・トゥ・ケア」、8)「アイ・フォール・イン・ラブ・トゥ・イージリー」、11)「哀しみのダンス」に至っては、歌に対する集中力が凄い。歌詞やメロディを大切に歌っていることが直に伝わるようによく分かるのである。リアリティな表現が素晴らしいと感じられた。いずれにしても満足感に浸れる作品に仕上がっている。 これからもMAYAのアルバムは毎年1アルバムでもいいから発売して欲しいと願うところだ。このような癒されるボーカリストが日本から多く出て欲しい。このMAYAのアルバムを聴いてその思いはいっそう強くなるのだ。さすが寺島氏が手掛けただけに録音は優秀である。しかし、音の個性が強く出ているところなどは、特にオーディオマニアの評価は分かれるであろう。いずれにしてもJAZZとオーディオに対する究極の愛情が熱く伝わり、ましてMAYAの声の質感、テナーサックスを含むトリオの演奏には音に勢いがある。生々しいばかりのシンバルとスネア及びベースもこれまた深く沈み込むゴリッとした低音を前面に押し出してくるのである。大口径38cmウーファーが元気を取り戻し、ゴツイ音で唸り続けていくような音が好きなオーディオマニアなら虜になること間違いなしだ。 |
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カプのおすすめCD Andrea Marcelli Trio featuring Thomas Clausen 「Sundance」 アンドレア・マルチェリ(ds, per.)、トーマス・クランセン(p)、ダヴィデ・ペトロッカ(b) 2008.2.3 ベルリン録音 曲名 1)ハウス・イズ・ノット・ホーム 2)ワルツ・フォー・デビー 3)ストロベリー・モーメンツ 4)コン・アルマ 5)サンダンス 6)ジャスト・イン・タイム 7)ザ・ブリッジ 8)センブレイ・アモーレ 9)オール・オブ・ユー 10)アフター・ザ・レイン 11)愛しい人 |
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年頭にあたり新年のお祝辞を申し上げます。皆様にとって2009年が良い年になりますようにお祈り申し上げますと共に今年も「コン&カプのおすすめCD」コーナーを宜しくお願い申し上げます。 さて、今年最初のカプのおすすめCDはベルリン在住の1962年イタリアはローマ出身のドラマー、アンドレア・マルチェリ率いるトリオ作品です。メンバーにイタリアのカラブリア出身のベーシスト、ダヴィデ・ペトロッカ。ビル・エバンスの影響を受けたというデンマーク出身のピアニスト、トーマス・クラウセンが参加しています。 スターティングの1)「ハウス・イズ・ノット・ホーム」はまさしく一日の始まりにお薦めしたい、ヨーロッピアン・ジャズらしい優美な楽曲です。お馴染みビル・エバンス作2)「ワルツ・フォー・デビー」は楽曲の可憐さをアンドレアのブラッシュ・ワークが優しいリズム・ワークで味付けをしています。3)「ストロベリー・モーメンツ」はトーマスのエモーショナルなピアノ・タッチをご堪能ください。4)「コン・アルマ」やタイトル曲の5)「サンダンス」はアンドレアのパーカッシブ・サウンドが際立ちます。アップ・テンポの6)「ジャスト・イン・タイム」、9)「オール・オブ・ユー」ではダヴィデの力強く重厚なベース・サウンド、アンドレアが刻む繊細なリズムと大技を交えたスティック捌き、トーマスの優雅なピアノ・タッチが三位一体となり奏でられます。ライヴで聴いてみたいですねぇ。10)「アフター・レイン」はトーマスの粒立ちのあるピアノを惹きたてるアンドレアのドラムスについ耳を傾けてしまうcappuccino。イタリアの古典歌曲の11)「愛しい人」で締めくくる辺りは心憎いですネ。ロマンティックなヨーロピアン・ジャズ・サウンドに脱帽です。仕事初めでお疲れ気味のあなたもこれから休暇をとられるというあなたにもおすすめのエレガントで上質なジャズ・サウンドの一枚!ご試聴ご希望の方はご遠慮なく店頭スタッフにお申し付けください。お待ちしております。(^^) |