2009年6月12日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD 早間美紀 「ワイド・アングル」 日本橋店 カプのおすすめCD レスリー・ルイス ネイチャー・ボーイ+2 オーディオビギナーズ |
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コンのおすすめCD 早間美紀 「ワイド・アングル」 早間美紀(p,vo)、北川潔(b)、ビクター・ルイス(ds) 2008年9月NYで録音 アートユニオン ARTCD-114 2009/3/18発売 曲名 1)ワッツ・ネクスト? 2)フライング・ホーシス 3)アナザ・エンジェル 4)ホライゾン 5)フー・ケアーズ? 6)サウンド・オブ・マイグレーション 7)フレイト・トレイン 8)ディスミスト 9)アップ・アンド・ダウン 10)ア・タイム・フォー・ピース |
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京都に生まれ6歳からピアノを習ったという早間美紀は、現在ニューヨークで大活躍中の日本人ジャズ・ピアニストである。ニューヨークのライブ仲間と共に2004年に出したデビューアルバム「バイブラント」と2006年に発表した「プレリュード・トゥ・ア・キス」から今回2年半ぶりとなるアルバムは、摩天楼のきらめき、ハドソンの夕映えとニューヨークの情感が薫りたつようなサウンドだ。 1)「ワッツ・ネクスト?」を聴いただけで、正統派な演奏に引かれる。パワフルでよくスイングするメロディは躍動感があり流れるようなリズムで紡いでいく。2)「フライング・ホーシス」、3)「アナザ・エンジェル」においても、ジャズの美しさ、歯切れの良いメロディ、モダンにしてダイナミックによく弾んでいくピアノのスイング感に思わずしびれるようだ。また早間のピアノとよく絡みあう北川潔の骨太なベース・ソロの力強い演奏にも魅せられる。4)「ホライゾン」、5)「フー・ケアーズ?」、6)「サウンド・オブ・マイグレーション」にしても、パワフルなピアノとよく沈むベース、弾けるようなドラムスの一体感に新鮮な感触さえうかがえる。ファンタジックな世界へと誘ってくれるようだ。7)「フレイト・トレイン」は磨き上げた高い技術のリズムが心地よく、8)「ディスミスト」は彼女自らのボーカルでスキャットが爽やかに流れ、一段とムードを盛り上げていくのがこれまた心憎い。9)「アップ・アンド・ダウン」、10)「ア・タイム・フォー・ピース」においては、底力のあるベースがゆったりしていながら豊かで深みもあり、またモダンにしてダイナミックかつ気持ちよく弾んでいくピアノは深い感動を呼び起こしてくれる。 サウンドは切れがあり、ピアノの鮮度の高い温かみが伝わってくる。底力のあるベースは豊かでよく沈み込み、ビクター・ルイスのドラムスも繊細にして透明感豊かなシンバルには魅せられっぱなしだった。趣味がよく上品、まさに大人のジャズを聴いたようだ。 |
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カプのおすすめCD レスリー・ルイス 「ネイチャー・ボーイ+2」 レスリー・ルイス(vo.)、ジェラード・ヘイゲン(p. arr.)、ドメニク・ジェノヴァ(b.1-10)、ジェリー・ケイラフ(ds.Perc.on3)、ゲイリー・フォスター(as.on 1.4.5.6.8.& a-fl on3)、ロブ・ロッカート(ts. on1.4.5.6.)、ロン・スタウト(tp.on1.2.5.6.7.9.)、ラリー・クーンズ(g on3)、クリス・クラーク(b on11) No.1-9 ’08.2.16&17、 No.10 ’06.10.30、No.11 ’05.6.2CA・スタジオ・シティ録音 曲名 1)In Walked Bud 2)I Got It Bad And That Ain’t Good 3)Nature Boy 4)Honeysukle Rose 5)‘Round Midnight 6)Well You Needn’t 7)How Deep Is the Ocean? 8)Hello, Young Lovers 9)But Beautiful 10)Song For My Father 11)Just in Time |
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今回のおすすめCDは「黒人女性ヴォ−カルの正統を受け継ぐレスリー・ルイスの登場」とのキャッチコピー。ジャケットの彼女の印象は声質とはかけ離れてとても優美な方です。彼女の父親が大のジャズ・ファンで家ではいつもジャズが流れていたそうです。レスリー・ルイスは子どもの頃にピアノとフルートを習ったものの声楽は正式な訓練を受けた経験がないそうです。本アルバムのピアノとアレンジメントを担当しているジェラード・ヘイゲンは大学のジャズ・ピアノ課の先生でその後二人、彼のトリオと共にクラブなどで出演するようになったそうです。選曲で重視するのは曲を好きになることは勿論の事、その曲が自分の声に合っていて、自分の音楽的感性に訴えてくるものがあるかどうかだとルイスはインタビューで回答されています。(ライナーノーツより引用) では、アルバムのご紹介とまいります。まず、私がヴォーカルものを聴く基準の一つに声質があります。レスリーのハスキーヴォイスはGreat! お次は技量。彼女の場合豪快な迫力と繊細さ、情緒豊かな表現力などすべて兼ね備わっていて歌唱力は素晴らしいと思いました。久しぶりに上質なジャズ・ヴォーカルのアルバムに出会いました。Cappuccinoがとっぱなから気に入った1)「イン・ウォークト・バッド」軽快にスタートするこの楽曲ではレスリーはスキャットを織り交ぜ豪快に歌います。バックの演奏がこれまた最高にご機嫌なんです。ガラッと趣きを変えて、デューク・エリントン作曲2)「アイ・ガット・イット・バット・アンド・ザッツ・グッド」は‘41ミュージカル作品、ジャンプ・フォー・ジョイの一曲。ブルース・フィーリングたっぷりに大人の女性の揺れ動く恋心を実に上手く表現しています。ロン・スタウトのトランペット・ソロが切なく唄い、ブルーな気分を醸し出します。3)これもよく耳にする「ネイチャー・ボーイ」は、ボサノヴァ調で弾力のある歌声で歌い上げます。4)「ハニーー・サックル・ローズ」ハスキー・ヴォイスながらパンチを利かせてアップ・テンポで仕上げます。ホーン・セクションのリレーも楽しいです。5)「ラウンド・ミッドナイト」哀愁漂うメロディーでお馴染みのセロニアス・モンクの作品です。悲しみをこらえ気丈に唄うレスリーが最後に振り絞る心の叫びが心を打ちます。6)「ウェル・ユー・ニードゥント」不思議な楽曲で惹き付けられるセロニアス・モンクの作品ですが、互角に歌いきるレスリーの底力を感じました。7)「ハウ・ディープ・ジ・オーシャン」9)「バット・ビューティフル」11)「ジャズト・イン・タイム」どれも恋の歌だが、歌詞の解釈、表現の仕方がレスリーのヴォーカリストとしての度量の大きさが伝わります。バッキングでレスリーを支えているメンバーたちの演奏も十二分にお楽しみいただけます。レトロな時間に浸りたい方にはとっておきのアルバムです。ご試聴ご希望の方は店頭スタッフにご遠慮なくお申し付けください。お待ちしております。 (^^) |