2009年12月18日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD デレク・スミス 「ビューティフル・ラブ」 秋葉原店 カプのおすすめCD マルガリータ・ベンクトソン 「ホエア・ザ・ミッドナイト・サン・ネヴァー・セッツ」 福岡店 |
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コンのおすすめCD デレク・スミス 「ビューティフル・ラブ」 デレク・スミス(p)、ピーター・ワシントン(b)、ジョー・アシオーネ(ds) 2008年4月NYで録音 ヴィーナスレコード VHCD-1028 2009/5/20発売 曲名 1)ビューティフル・ラブ 2)クローズ・ユア・アイズ 3)ジス・キャント・ビー・ラブ 4)ローラ 5)誰も奪えぬこの思い 6)ラバー 7)いつの頃から 8)ドリーム・ダンシング 9)ヤング・アンド・フーリッシュ 10) 灯りが見えた 11)いつも二人で 12)ギブ・ミ―・ザ・スンプル・ライフ |
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ピアノのデレク・スミスは英国ではかなりのベテラン奏者ということだ。今年78歳というデレク・スミスの演奏を聴くと全くそのようなイメージは吹っ飛ぶ。ジャズにかける情熱が直に伝わってくる。まさに抜群の才能を発揮している。 まず1)「ビューティフル・ラブ」、2)「クローズ・ユア・アイズ」、3)「ジス・キャント・ビー・ラブ」を聴くと、スピード感があり、よくスイングする鮮やかなプレイを展開する。デレク・スミスのベテランらしく卓抜したピアノは予想以上に美しく響き、アタック感が心に力強く伝わってくるようだ。4)「ローラ」、5)「誰も奪えぬこの思い」においては、ぐっと渋みを増し全体に腰を落としたミディアムからスローテンポまで、滑らかな旋律で奏でられるピアノに、躍動感と熱気が伝わってくるようだ。6)「ラバー」では超高速なリズムに乗り、ピアノ、ベース、ドラムスが一体化された厚みのあるトリオにたまらなく癒される。7)「いつの頃から」は軽やかに奏でられるピアノとよく弾むベースが思わずリスナーを虜にする。ピアノは新鮮でありながら大きなスケールとフィーリングが聴き取れる。表現力のイマジネーションの世界に思わず誘いこまれそうだ。また8)「ドリーム・ダンシング」、9)「ヤング・アンド・フーリッシュ」においては、トリオ全体の呼吸もピタリと合っている。ベテランのピーター・ワシントン(b)、ジョー・アシオーネ(ds)のメロディの美しさも突出したもので、見事なフォローに魅了されるのだった。そして10)「灯りが見えた」、11)「いつも二人で」においても、分厚いピアノはデレク・スミス独特の音色で、好みの音にピタリとはまるようだ。12)「ギブ・ミ―・ザ・スンプル・ライフ」においても、勢いのよさは保たれベースも骨太感をよく表現し、ドラムスも絶妙なバランスが保たれていく。この豪華な響きはジャズになくてはならない。このように見事なピアノ・トリオを聴かされると、次回作が非常に楽しみになってくる。 サウンドはピアノの美しい響きで聴きやすく、トリオの基音が整っている。クオリティが高いことが分かるものだ。空間の残響等も素晴らしく、また巧みなブラッシュワークといい、ベースのゴリッとした厚みといい、聴き込むほどこのピアノ・トリオのリアリティな音の世界に魅せられるのだった。 |
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カプのおすすめCD マルガリータ・ベンクトソン 「ホエア・ザ・ミッドナイト・サン・ネヴァー・セッツ」 マルガリータ・ベンクトソン(vo.harp)、ハンス・ディヴィク、ペーター・アスブルンド(tp,flg)、ペーター・フレッドマン(a/sax,cl)、ヨアキム・ミルデム(t/s/sax)、アルベルト・ピントン(b/sax,b/cl,a/fl)、ヤン・ベングストン(fl,piccola/fl)、ヨハン・アリン、ロルフ・ニクヴィスト(French horns)、ディッケン・ヘドレニウス(tb)、スヴン・ラーソン(b/tb)、オーヴ・ランディン(p)、マーティン・ショーステッド(b)、コール・ラスマソン(ds)、アンドレアス・ウーヴェリ(g)、ポール・スヴェンレ(perc.) 2009.4.6-9 アトランティック・スタジオ ストックホルム 録音 曲名 1)スターダスト 2)スピーク・ロウ 3)ザ・ミッドナイト・サン・ウィル・ネヴァー・セット 4)ダット・デア 5)スプリング・イズ・ヒア 6)ハニーサックル・ローズ 7)アイ・ゲット・アロング・ウィズアウト・ユー・ヴェリー・ウェル 8)マイ・ファニー・ヴァレンタイン 9)リーヴィング・ロンドン・シーイング・ストックホルム 10)マイ・ヒドゥン・ワールド 11)インガ・リケドマー |
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今回のおすすめCDはマルガリータ・ベンクトソンのアルバム第2弾です。彼女はスウェーデンの世界に知られた名コーラス、ザ・リアル・グループで1984年からソプラノを担当。退団後の2007年にアメリカのコーラル・アカペラ協会の女性ソロイスト部門第1位を受賞しました。 では、アルバムのご紹介とまいりましょう。ナット・キング・コールのヴェルベット・ヴォイスの印象が強い1)「スターダスト」をスターティングにもってきました。「かなり前から古き美しいメロディーをギター、ベース、トロンボーンだけで歌ってみたかったという夢が実現」彼女の美しい歌声がストレートに入ってきます。アルバム・タイトルになっていますクインシー・ジョーンズ作、3)「ザ・ミッドナイト・サン・ウィル・ネヴァー・セット」は60’初頭にクインシー・ジョーンズがスェーデンに滞在していた頃に書いたそうです。4)「ダッド・デア」ゴージャスなアレンジをバックにマルガリータが子どもが歌っているかのごとくみごとな表現で仕上げています。5)「スプリング・イズ・ヒア」マルガリータとオーヴェ・ルンディンが丁寧に叙情豊かに創り上げています。6)「ハニー・サックル・ローズ」ではエラ・フィッツジェラルドのパンチに負けず劣らず、メリハリを利かせます。7)「アイ・ゲット・アロング・ウィズアウト・ユー・ヴェリー・ウェル」感傷的な楽曲をヨアキム・ミンデルのテナー・サックスのスパイスと供にお届けします。8)「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」ではヴォーカルとトランペットのデュオでしっとりと歌い上げます。コーラル・アカペラ協会、女性ソロイスト部門第1位を受賞した彼女の力量発揮です。Cappuccinoが気に入ったのは9)「リーヴィング・ロンドン・シーイング・ストックホルム」です。これはマルガリータ・ベンクトソンの作品。ロンドン滞在最終日に、素晴らしいビッグ・バンドの演奏を聴いてインスパイアされ、日帰りの飛行機の中でメロディーが浮かんだそうです。なかなか、格好良い素敵な仕上がりです。10)「マイ・ヒドゥン・ワールド」も彼女の作品です。歌声が美しいだけでなく表現豊かです。アルバムに納められている楽曲一つ一つが万華鏡のように色彩豊かな世界へ誘います。バンド編成がどこか懐かしさを醸し出します。ご試聴ご希望の方は店頭スタッフにご遠慮なくお申し付けください。お待ちしております。(^^) |