クリスマスシーズンを迎えまして、京都の街もイルミネーションで華やいでおります。京都商品部の朴高史です。 今年は、クリスマスプレゼントにも最適と思われる、小型タブレット端末(kindle fireやipad miniなど)出そろいまして、 日本でも電子書籍がやっと本格化しそうな今日この頃、私が最初に買った電子書籍が漫画でした。 ということで、今回は漫画と音楽のお話です。 まずは、この辺りから |
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はっぴいえんど 1970 はっぴいえんど |
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先ず、ジャッケットが当時月刊ガロの看板作家であった林 静一に依るデザインです。煙突からしぶきの様なものが出てる感じが、らしい感じです。 |
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この頃のドラム(作詞)の松本 隆氏は、つげ義春や、永島慎二の漫画に影響されていたと公言されてますが、具体的にはこちらなどかと思われます。 |
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永島慎二 漫画家残酷物語 その17 「春」 春よ来い 作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 お正月と云えば 炬燵を囲んで お雑煮を食べながら 歌留多をしていたものです 今年は一人ばっちで 年を迎えたんです 徐夜の鐘が寂しすぎ 耳を押えてました 家さえ飛び出なければ 今頃皆揃って お芽出度うが云えたのに 何処で聞違えたのか だけど全てを賭けた 今は唯やってみよう 春が訪れるまで 今は遠くないはず 春よ来い 春よ来い 春よ来い |
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永島慎二 漫画家残酷物語 その10 「嘔吐」 はっぴいえんど 作詞:松本隆 作曲:細野晴臣 今は昔のこと 末永く暮した桃太郎のように しあわせになれるという 伽話のように はっぴいえんど はっぴいえんどならいいさ でも しあわせなんて どう終わるかじゃない どう始めるかだぜ 昔は今のこと ベンツでも乗り廻わし 二号さんでも囲えば しあわせになれるという 社長さんのように えらくなれたら えらくなれたらいいさ でも しあわせなんて何を持ってるかじゃない 何を欲しがるかだぜ |
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ちなみに、次作の風街ろまんのジャケットは、カリスマ劇画家の宮谷一彦に依るものです。 風街ろまん 中ジャケ |
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1970年代初頭、漫画とニューロックがサブカルチャーの主役でしたこの頃、この曲もヒットしました。 赤色エレジー 1972 あがた森魚+はちみつぱい |
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曲を聴いて、ずいぶんと経った後に 林 静一作の漫画「赤色エレジー」を読みました。曲のイメージとは随分と違った印象でした。 (貧乏アニメーターと同棲する彼女とのお話です。簡略化された絵と断片的な台詞でセンチメンタルな話をドライに描いた名作かと思います。) |
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曲の大正モダンぽいイメージは、他の短編作品(桜色の心)等が近いようです。 |
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続きましては、音楽がテーマとなりました漫画について。 音楽漫画にもいろいろありますが、珍しいのがこちら |
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俺と悪魔のブルース 平本アキラ アゴなしゲンとオレ物語でコミック漫画のイメージが強い平本氏が監修にウエストロードブルーズバンドの永井”ホトケ”隆を迎え、 大まじめに伝説のブルースマン「ロバート・ジョンソン(Robert Leroy Johnson)の生涯を描く意欲作です。 |
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クロスロード伝説の話から始まるこちらの作品ですが、2008年より連載が休止されたままです(単行本4巻まで発行)。再開はあるのでしょうか? |
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次はロック漫画。 ロックがテーマの漫画と言いますと、「BECK」や「NANA」は、未読です、「デトロイト・メタルシティ」は少し読みましたが、印象に残っていますのがこちら、 |
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ソラニン 浅野いにお 『素晴らしい世界』から追いかけてます。 自身もバンド経験もあり、リアルな表現が自然で、ごく普通の日常的物語が、切なく綴られてます。 中盤に大きく物語が展開する所が印象的でおもしろく思いました。 |
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最後は、クラッシックがテーマの漫画です、のだめカンタービレもまあまあなのですが、私は、この作家の作品に魅かれます。 |
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神童 さそうあきら 天才ピアニスト(小学5年生)成瀬うた と、音大を目指す浪人生 菊名和音の二人を中心に展開する音楽(音)を巡るお話です。 天才の音の感覚の異能性(脳の違いに依ると思われます。)と演奏家(声楽家も登場します。)の身体性を強く意識させられました。 |
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マエストロ さそうあきら 解散寸前にまで追い込まれた名門オーケストラの団員が、謎の無名天才指揮者 天道徹三郎に集められ、コンサートを開くお話です。 各団員達のエピソード、天道と出会いに依る変化、天道の過去、などコンサートの本当の目的も解らぬままオーケストラは熟成されてゆきます。 そして、開かれたコンサート、ベートーヴェン交響曲第五番「運命」とシューベルト交響曲第八番「未完成」が演奏され、団員達はコンサートの本当の目的を知ります。 音楽って切ないね 今確かに美しいものがあったって思っても 次の瞬間には消えてしまうんだ 川の流れのように―― だからこそ 愛おしい―― 大切に思うんだ 私たちから出ていく一つ一つの音たちが…… (さそうあきら「マエストロ」) 私が最初に買った電子書籍というのが、このマエストロの3巻でした。1、2巻は書店に並んでるのですが、3巻は何故か絶版状態です。 |
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ミュジコフィリア さそうあきら 今年の10月に完結しました最新作がこちらです。京都が舞台で、京都芸大の現代音楽研究会の学生達が現代音楽の作曲に挑む物語です。 馴染み薄い現代音楽を基本から丁寧に紹介されております。個性あふれる登場人物や、京都の様々場所な描写が楽しめます。また、単行本にある注釈が絶妙です。 複雑な人間関係と、クラブミュージックやポピュラーミュージックに話が広がるあたりは正直、無理を感じますが、未聴感の表現など実に野心的な作品です |
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京都精華大学でのマンガ学部マンガ学科の専任教員の経験から、京都での大学が舞台となった作品に成ったと、想像されます。 |
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漫画も今日では日本を代表する文化の一つと成っております。 京都には日本初の総合的な漫画ミュージアムである「京都国際マンガミュージアム」があります。館長は脳科学者の養老孟司さんです。 「京都国際マンガミュージアム」から東へ約10分ほど歩いていただくと、ハイファイ堂京都店がありますので、年末年始、京都にお越しの際は、ぜひお越し下さい。 年内は無休で営業しております。 |