季節の移り変わりをゆっくりと感じている中でも、時代の変化は早く、様々な所ですぐ色々な情報を確認出来る便利な世の中になった反面、情報量の多さに逆に客観性を感じにくく、なかなか自分の好みにあった物事を素直に手に取る事が難しくなってきた...のかな、と感じている次第であります。 声の大きいほうが正しい、数の多いほうが正しい、賛否両論ある中で常に選択する事が必要等々、よく言われる個々の持つ信頼の尺度は様々あるにもかかわらず、常により良いと思・わ・れ・るような判断が暗に基準になっていっている様な気もします。 そういった情報の多さにより判断がますます難しなっていく中で、「好きなものを好き」という熱意のある情報が、批判等々を含め他に比べてどれほどの信頼性を勝ち得るのか!!という事が今後の焦点になっていく(笑)...なっていけばいいなと思っております。 ...ということで、今回は各メーカーカタログから、各社が各製品に込めた愛情のあるコメントから何か感じ取って頂き、 「好きなものは好きである」という熱意のある情報がどれほどの信頼を勝ち得るのか!! という事も今後のスピーカー選びのひとつの要素に入れてお考え頂ければと思います。 ではでは... |
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YAMAHA 高純度ベリリウム振動板を搭載したマニアックなモニタータイプの完成されたハードシステム NS-1000Monitor 1980年10月作成 YAMAHA |
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『NS-1000MはNS-1000と全く同じユニット構成になっています。外装だけをマニアックなモニタータイプとし黒色半艶仕上げになっています。その音はあまりにも接近しすぎて聞く時には、きらめく音の飛沫を浴びむよう身体を避けねばならむ、と批評されるほどの鮮烈さです。そして、それらを裏付ける諸特性も素晴らしい物で、たとえばツイーターの振動状態をレーザー光によるホログラムで解析しても20kHzをはるかに超えて美しいピストン運動を示し、全帯域にわたってのトーンバーストによる過渡特性のチェックでも抜群の応答特性を示します。プログラムソースの全てを正確に再現します。』 |
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とにかく高域の音の響きと、音の立ち上がり・立ち下がりが抜群に良いというのが特徴のNS-1000M。 色々な所で長くリファレンスとして愛用されたYAMAHAの銘機です。 様々な評価の中でも、揺るぎない地位を築いた理由がここにある気がします。 |
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TANNOY ヨーロッパの歴史と伝統に培われたスピーカーシステム Arden/Berkeley/Cheviot/Devon/Eaton 1978年2月現在 TEAC |
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『洗練された現代的なデザインで飾られたエンクロージャーは、国際的なデザイナーで、イギリス王立工業デザイナー協会のジャック・ハウと、タンノイの音響技術陣とが共同で設計したものです。スピーカー・ユニットの性能を十分に発揮させる事はもちろん、より豊かな生活空間をテーマにデザインされたヨーロッパ調の落ち着いたたたずまいは、タンノイの優美な音色にふさわしいものといえましょう。』 |
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Arden 『アーデンは、イギリスの第二の都市バーミンガムの郊外に広がるアーデンの森の雄大なたたずまいに因んでいます。 HPD385Aユニットのすぐれた性能を十分に発揮するよう設計された最も大型のフロア・タイプで3本のダクトによってなめらかでよく伸びた重低音の再生をスムーズにし、エンクロージャーの内部を補強して、大編成オーケストラの迫力あるフォルテッシモも色づけなく再現するよう考慮されています。録音スタジアムのモニター、家庭の大型装置に対応するシステムです。』 |
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Berkeley 『バークレイの愛称の名は、ブリストル湾に注ぐ豊かな流れセーヴァン川にそって景観を展開するバークレイの谷。許容入力が大きく、能率の良いHPD385Aユニットを使用しており、二本のダクトによる低域特性の素晴らしさは注目すべきものがあります。再生音の品位の高さとスケール感はアーデンに匹敵し、オーケストラの白熱した演奏をなまなましく再現します。フロントグリルは二つにわかれており、クロスオーバー・ネットワークの調整に便利です。』 |
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Cheviot 『イングランドとスコットランドの境界をなす広大なチェビオットの丘には、今でもローマ時代の古城が点在しています。チェビオットは、タンノイのフロア・タイプでは最も小型のシステム。大許容入力のHPD315Aユニットを使用しており、家庭用の大型装置に理想的なシステムです。低域のチューニングは、1本のダクトで行われ、ユニットの高域の優秀性とあわせて、全帯域にわたるバランスの良さが魅力です。』 |
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Devon 『イギリスの最南端はデボン州、温暖な気候と海岸の美しい風景に恵まれたところで、地質学のデボン紀という呼称もこの地に由来しています。デボンは最も大型のブックシェルフ・タイプ。60ワットの許容入力をもつHPD315Aユニットが使われており、大型のフロアタイプにに劣らない充実した再生音を実現しています。ベースの張りのある重低音、ドラムスの鋭い衝撃音、ピアノの美しい中音、それぞれをシャープに再現するシステムです。レコード会社や放送局などの移動モニタースピーカーとしても使われています。』 |
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Eaton 『二千年前にローマ人が築いたという城壁に囲まれた古都チェスターの郊外、イートンの小さな町並みにも永い歴史が刻まれています。 1957年、有名な3LZとして開発されたユニットは改良を重ねHPD295Aとなり、このすぐれた性能を生かしたイートンは、ブックシェルフ型の新しい標準システムとして定着しつつあります。このサイズでは考えられなかった重厚な低音は、イートンの際立った特徴の一つで、限られたスペースで、タンノイの名称とともに連想される、伝統的な自然で充実した再生音を楽しむ事が出来ます。』 |
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「音にイメージを乗せ、響かせ、かつ、感じさせる」といった所に、「音の響き」「音の聞こえ」を大事にするといわれるTANNOYの意図が表れているようです。 このスケール感が「クラシックならタンノイ」とよく言われる以上の印象を、聴いた瞬間に与えてくれるのかもしれません。 |
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JBL 4ウェイの理想を追求、モニター機の指標が誕生した。 4344/4345 1982.2.20作成 SANSUI |
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『4344と4345はJBLのプロフェッショナル・デヴィジョンが最新の音響理論を集大成して完成させた4ウェイ・モニタースピーカーシステムです。1970年に発表した2ウェイの4320以来、JBL4300シリーズは常に先進の技術を採用し改良を続けてきました。その中で4ウェイの4350、4343Bなどは録音技術の進歩に対応したものとして、高い評価を受けてきました。しかし近年の録音技術の進歩は目覚ましく、デジタル化に代表される録音側のイノベーションは、再生側に一段とシビアな音響特性を要求してきました。4345、4344の開発意図もこれらの要求に応えることでした。このため4300シリーズで発展させてきた4ウェイの長所を最大限に発揮させ、広帯域特性、広ダイナミックレンジ、低歪率をはじめ優れた位相特性、小レベル時での分解能の向上などを徹底的に追及しました。46cm口径ウーファーを搭載し再生領域の革新を試みた4345。また銘記4343Bで培った技術と4345で得たノウハウの融合をはかった4344。厳密な原音信号再生に肉迫するとともにその次元を飛躍させました。』 |
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とにかく小さなことから大きなことまでなんでも任せなさい。これがプロフェッショナル市場での様々な要求に応えてきたJBLだ!!と言わんばかりの内容です。「大は小を兼ねる」のお手本の様なミュージックモニター4344です。 |
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なかなか、知っている人は知っている当たり前とも言われる様な事なのですが、 オーディオ全盛期を過ごされてなく、名前はよく目にするがあまり良く知らない、けど調べるまでは...、評価ばかり気になって実際の所よくわからないといった方々、または全然知らないといった方々には、少し基軸となる情報で迷いをはらして頂き、今後の判断の要素の一つとして活躍させて頂ければ幸いです。 だんだん暑くなり外に出るのも決断がいる時期ですが、 お近くに来ましたら、ぜひぜひお店の方まで足をお運び来ださい。 では今後ともよろしくお願い致します。 京都店 稲田裕紀 |