いつもお世話になっております。 ハイファイ堂 京都商品部の滝本です。 ハイファイ堂メールマガジンをいつもご覧いただいて、ありがとうございます。 そんな中、皆様に商品のご紹介をさせて頂くにあたって心がけている事のひとつに なるべく鮮度の高い情報を、という事があります。 この場合の鮮度というのは、私たち商品部でのメンテナンスが終わって 商品化したばかりの、という事になるのですが、 ご紹介させて頂いてせっかく興味を持っていただいたとしても その製品が欠品していたら申し訳がありませんから。 そういうわけでこれまでも商品化から時間が経ってしまったものを メルマガで紹介した時などは心苦しい気持ちでいたわけですが、 今回はそういう意味ではある程度鮮度のあるものをご紹介させて頂けると思います。 |
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数日前にメンテナンスを完了した ALTEC 620A です。 |
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38cm同軸2ウェイスピーカー バスレフタイプ インピーダンス 8Ω 出力音圧レベル 103dB クロスオーバー周波数 1,5kHz 寸法 W660×H1016×D457mm 重量 62,6kg |
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さて部分ごとに見ていきますと、 |
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同軸ユニット、バスレフ、という事もあってエンクロージャーの構造は意外にシンプルです。 しかし「604-8G」という重量のあるユニットをしっかりと支える為に各部の造りは堅牢で、箱自体の重さもそれなりのものです。 |
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補強材や吸音材もしっかりとしていて、 基本的に丁寧な作りがされているな という印象です。 (左下写真) エンクロージャー内、 上部の様子 |
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その吸音材の中、背面に向かって外部接続用に線が伸びています。 めくって見てみると右下写真の様に。 |
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外側はどうなっているかというと、 この個体は元の端子の破損具合や使い勝手を考慮してバナナプラグ対応のターミナルへと交換されていますが、 背面下部にこのように端子が位置しています。 |
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ネットワークは使用ユニット「604-8G」用のものです。 |
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ネットワーク上でかなり突っ込んだ音調整がされているようで、 ここを別のものに変えるだけで604-8Gも途端に違った音色になるそうなので (当たり前といえば当たり前かもしれませんが) このネットワークとセットで初めて「604-8G」と言えるかもしれません。 そして側面には配線図が表記されています。(下部写真) かたまった場所に低・高域それぞれの配線をしなければなりませんので、 ミスを防ぐ為にもこういった配慮は良いと思います。 |
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そしてユニット、604-8G。 裏側から見て確認できる大小の大きさの違う円筒が 低域・高域それぞれの存在を主張しています。 |
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日本語で「同軸」を意味するところの DUPLEX(二重)の文字も見られます。 |
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端子の部分を見てみると低域がプッシュ式、高域の方はスクリュー式でよく見る604-8G(←)とは高域側の形状が違うようです。 |
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ユニット604シリーズは頻繁に変更、改良等が繰り返されていたようなのですが、 8Gを境にエンドが上写真に見られる形状になっているようなので、 それゆえにそのはざかいで生まれた個体でしょうか。 |
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低域部は38cmのコーンが受け持ちますが、 高域は見た目も特徴的なマルチセルラホーンが使用されています。 この形状も専用設計だそうです。 ALTECの他の製品でもよく見るものなのですが、 微妙な角度計算などがされているのでしょうか。 少しホーンを覗き込んでみると奥の高域部から伸びるホーンスロートが 確認できます。 |
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620A、それぞれのパーツ自体は複雑な作りであったりするのですが、 そのパーツを組付けしやすい形まで落とし込んでくれてあるので 組み付ける作業としては至極簡単です。 |
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ネットワークは、エンクロージャー前面下部の開口部に皿ネジ4本で固定です。 配線を済ませてから、固定します。 |
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ユニットも、低・高域の間違いに注意して配線を済ませた上で4か所をネジで固定。 ガスケット部分に干渉するところが狭いので締める時は注意が必要です。 |
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本体はこれで完了しましたので、サランの方も見ておきたいと思います。 エンクロージャー正面に数か所、毛先球状歯ブラシの毛先拡大みたいな見た目の円形脱着用パーツ(プラ製)を取り付けます。 スペーサーなのか補強用なのか、円盤状の鉄のパーツも一緒に取り付けます。 |
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時々、一か所にこの鉄パーツが2,3個まとめて付いているような事もあり、 これは元々補強パーツであったものが、個人様が使用を続けるうちに サランのずれ等に対応するために、調整用のスペーサー的な使い方を されるようになっているのか?などと思っております。 |
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サラン裏側 → |
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サラン側のパーツも同じ形状なのですがこの脱着パーツ、 思っている以上にしっかりと固定されてしまうので、 雑にサランを外そうとすると、木の部分に傷みなどが来ていたら、 そこから割れや剥がれが起きてしまうほどです。 (本体に施された溝とサラン側の淵に施された突起部分がしっかり組み合う構造なのも強く固定される要因かと。) 本来しっかり付くことは良いことなのですが、そこまで固いと外す時にもコツがいります。 面倒かもしれませんが、まず普通に外そうとした時に出来る本体との少しの隙間に、本体を傷付けない程度の硬さのヘラのようなものを差し込んで、 そこにピンポイントでテコのように力を入れていただいて外すのが賢明ではないかと思います。 強度も強めな角部分で行うのが良いのではないかと。 |
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サランにあるロゴパーツは生地部分に直接装着されているのですが、 |
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部品は金属製円形ロゴプレートとプラ製の枠とスピードナット。 |
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下角定位置に生地に穴をあけてロゴパーツを配置し、 |
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裏側から枠をあてて、スピードナットで固定。 |
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しっかりとはまり込みます。 |
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これでサランも仕上がりましたので エンクロージャーに取り付けて完了です。 |
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620Aの音の印象ですが、 同軸ユニットならではといったところでしょうか、 まずは定位感がとてもしっかりしているように思えます。 併せてこれもこのユニットの特性だと思うのですが、 音全体の指向性は強めなように感じました。 音色としては中域の艶やかさが際立っていて 素直に抜けていく音の感じが心地よいです。 612C や CRESCENDO などの箱にも載る事のある604-8Gですが それらに比べると620Aだと低域がキレのある感じで鳴っているでしょうか? 特徴ある中域を鑑みるとボーカルのある曲などが良い感じで聞こえるようです。 |
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鮮度のある情報をお届けしたい、と言ってみても 記事を準備した時点と実際に皆様のお目にふれる時とのタイムラグを考えると すでに鮮度落ち…などということも間々ある事なのですが、 よろしければいつものようにハイファイ堂ホームページ「トップ」から 「620A」をキーワード検索していただき、まだ鮮度を保っているのかどうか、 商品へのご興味ともどもチェックしていただければなと思います。 早く商品の新しいオーナー様が決まって欲しいという気持ちと、 出来るだけ多くの方に商品を見ていただきたいというジレンマに 挟まれながらではありますが、今後も商品のご紹介を続けてさせていただきたいと思っております。 それではまた。 |