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osu
新年明けましておめでとうございます。2010年という、2000年代最初の10年記(Decade)の元日にメルマガを載せて貰うことになるとは嬉しい限りです。今年1年も皆さんにオーディオの素晴しさを分かりやすくお伝えしていけるように頑張りますのでよろしくお願いします。今回は巷で人気沸騰のクロックについて簡単にお話したいと思います。
大須本店 小島陽介
(右)マスタークロックジェネレーターの定番にして最高峰のエソテリック・G-0。シンプルなデザインで視認性良好。送り側のトランスポートやコンバーターに引けを取らないクォリティーでお勧めです。
そもそもクロックって何ぞや?という話ですがそのまま和訳すれば当然、「時計」という意味になりますがではオーディオの世界におけるクロックというのは何なのか、以下に2人の待ち合わせの例を交えてお話ししたいと思います。私もクロックに関しては全くの初心者なので分かる範囲でお話します。
(右)G-0の背面端子。この端子から同じ時間軸の同期信号を送り出します。例えば[A]はトランスポートへ、[B]はD/Dコンバーターへ、[C]はD/Aコンバーターへといったようにしておくと便利です。使いやすいレイアウトで端子もしっかりしています。
例えば、ある2人が休憩時間を経て13時00分に待ち合わせしようという約束をしたとします。このとき休憩場所から待ち合わせ場所までの距離は無視し2人が時計を持ちそれぞれが持っている時計の時刻に従って行動するという条件で2人が13時00分に出会えるか? という問題を提起されたとしましょう。
ここで重要になるのはそれぞれの時計の設定や精度だと思います。
難しく言いましたが、要するに同じ時刻に2人の持つ時計の示す時刻にどれだけのバラつきがあるかということです。
ひとりは正確に時間を設定していてももうひとりは時計の設定を怠って10分遅い時間を指しているかもしれない。これでは13:00に2人が出会うことは不可能です。当然この場合、2人の間でトラブルが発生しますね。
(右)左端の10MHz IN端子は実装されている水晶発振器より更に高精度なルビジウム、更にはセシウムと言った超高精度な発振器とを外部接続し音の違いを愉しむことができる素晴しい入力端子です。
さて、今までのお話をオーディオの話に置き換えてお話してみます。
CDプレーヤー(CDトランスポート)やMDデッキ、AVアンプやDAコンバーターなど、デジタル信号を扱う機器にはそれぞれ固有の時計(クロック)を内蔵しており、その時計が作り出している時間軸上でデジタル処理を行っています。ここで2台のデジタル機器をデジタル接続したとしましょう。今の話からそれぞれの機器にはそれぞれ固有の時計(クロック)を内蔵しているということなのでデジタル接続した場合、この2つの時計(クロック)が作り出す固有の時間軸が共存する状態になります。この共存状態で時間軸の差異によって引き起こされる現象を「揺らぎ」(ジッター)と言い、音質面でのトラブルということでジッターノイズと呼んでいます。
(右)ESOTERIC G-0
定価:525,000円 / 中古売価:278,000円
それではこのトラブル(ジッターノイズ)はどうやったら解消できるのか?
また先ほどの例に戻って考えてみます。それでは今度は条件を少し変えてみましょう。今度は時計を使わず、代わりにラジオを持たせ時間はラジオの時報で確認するとした場合はどうでしょうか?
ラジオの時報なら2人が同じ時刻に13:00という時間を知ることができるので13:00に出会うことができます。当然ながらこの場合は2人の間にトラブルは発生しませんよね。
(右)G-0と外部接続する発振器としてこのようなルビジウム発振器がありました。繋いだ途端、それまで埋もれていた音が表面に現れてきたようで驚きました。メーカー品ではありませんでしたがこのような発振器がまた出てきてくれたらなぁと密かに待ち焦がれているのでした…。
再びオーディオのお話に戻りますが、この「ラジオの時報」に相当するものがオーディオ機器には存在します。それがマスタークロックジェネレーターと言われるものです。つまりはデジタル接続するデジタル機器は個々の時計を使わずに全てこの時計(マスタークロックジェネレーター)の時間軸に合わせてしまいましょう、ということです。これならばジッターノイズをかなり減少させることができるわけです。
では今度はジッターノイズが音質面に及ぼす影響についてですが、マスタークロックジェネレーターを用いた試聴とそうでないものとの比較試聴をしてないと分からないことなのですが一聴したところでは、用いた方が明らかに音の透明感が増し聞いていて清清しい音になります。クロックにおける音質の変化はD/Aコンバーターによる音質の変化とは違い、スピーカーやアンプとの相性に左右されにくいレベルのものなので購入して失敗することは余り無いところがメリット。ただクロック端子の付いた機種が極めて少なく、かなりの高級グレードにならないと付いていないというのがデメリットでしょうか…、今後の更なる普及に期待したいところです。
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