私のお宝 溝の数よりしわの数 ルームチューンなどその他の遊び 2005-12-23 音迷人 皆様には大変我慢強く、当コラムを見ていただき有難うございます。お気づきでしょうが、ただ音楽が好きで、それを出来るだけ本物(生音らしく)と同じように感動できるようにと長い時間掛けて、体系も無く思いつきのままやって(遊んで)来ましたので、高価だったり、珍しかったり、徹底している物(商品)など出て来ませんでした。焼け跡で子供の時代を過ごしたり、贅沢は敵のような感覚を持ってしまいその呪縛から抜け出られず、工夫でしのぐ(しのげたかどうかは別。自己満足が殆どかも知れません)様に成ったのでしょう。ハイファイ堂さんの良いお客ではないですね。(-_-;)しかしリスニングルームだけは必死で確保しました。 それも漸く11年前です。それは普通に建てる部屋に加えて音響的な配慮を施すことで進めました。自分の営々と働いた金を元に家を物にするというのは、平均的男子の最大の目標?いや宿題でしょう。私もご多聞に漏れず素直に従いました。ご褒美にサロンぐらい良いだろーで、12畳ほどの部屋を、地下の理想に反し2階にゲット。これでも中々出来ないこととすべてに感謝しています。 |
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本格的な音楽室は噂ではとても高額ですので、自分で設計しました。と言うといかにも素晴らしい部屋と思われそうですが、響きとか残響とかは出来てからの話としています。設計目標は安価に仕上げることであっても◆遮音性を普通の部屋より良くし隣家に迷惑を掛けない。◆良い低音の為床は頑丈にする。◆平行面は可能な限り減らしたいが困難なので、天井だけは船底?天井にする。でした。遮音はきりが無いので内壁は防音シートを挟んで石膏ボードを2重貼りとしました。当然気密を保つ為合わせ目はずらします。床は厚さ5cmのコンクリートを床材の下に打ちました。そのぶん段差が付きました。天井は反射波を散らす為に船底です。2階同士では低音が壁を揺らして僅かに伝わりますが、コンクリートが効いて階下では聴こえません。ヘリの爆音や近くのカラスの声は室内に入ってきますが稀ですので問題ありません。室外には音は漏れていますが、よほど注意しないと聴こえません。その音が隣家の中に入ってゆくと更に小さくなるので問題ないと判断しています。 |
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録音スタジオのようなサロンを望めなかったのと、自分で勉強して(情報を集めて)設計した自己責任型で進めたので、結果として建設費のアップ分は確か数十万で済んだと思います。リスニングルームチューン等の安いノウハウ(と言えるかどうか)を公開します。建築方式で異なりますが、木造系(軸組みやツーバイフォー)で考えてください。 ◆空洞無く打った床コンは必要条件。床コンはSP側と聴取側をセパレート(板かゴム)して振動を遮断すること。 ◆壁は出来れば厚手の漆喰かブロック芯が良い。収納などで壁を取り巻き、見かけの壁を形成するのも効果大。 ◆予算が無ければ私のように後出しでチューンするしかない。造った部屋は概してライブであるので適正に吸音しながらデッド方向にすればやり易い。ただし部屋は少々見っともなくなる。(-_-;) ◆換気扇は天井から屋根裏に抜くと遮音性が落ちない。同様に空気取り入れは家の中、下部からとし壁空間をフィルターに見立てて通して部屋の上部に出すと遮音性が保たれる。クーラーも吸排気口にダクトフィルターをつけると良いが低騒音型を離れた壁に付けて我慢した。結果として許容範囲でした。 ◆状況に応じ吸音物を取り付ける。同様に乱反射を工夫する。 ◆共振物を処理する。照明器具、家具など曲によって良く共振してなります。こまめにチェックしましょう。私もつい面倒になり、置きっぱなしにして音を汚したりしてしまいます。この前のハニカムダンボールが良い例でした。 チューニングは論理的に計算に乗りにくいし、計算方法も理解しにくいので、経験的にカットアンドトライを行うしかないですが、高価なオカルト手法には十分注意のこと。自分のセンスと耳が頼りですので面白い。 それぞれ例を写真などで示します。DIY店は色々あってぐるっと見て回りながらアイデアを練る事があります。便利な店ですね。 |
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その他の遊びは皆さんワンさとネタを持っておられると思いますので、今更ですが効果的だったのを上げてみます。 ◆不要な敷きマットやカーペットタペストリーなどを中、高音コントロールに使う。閉空間の低音コントロールは正直理想的には出来ないでしょう。振動が大きいので一寸した物では吸収できません。ベニアなど板壁が振動して熱にして呉れるそうです。(コンクリ壁では弱点です) ◆自己責任改造で、アンプの金属製ケースで外せる天蓋や底板を取りさる。ホコリ避けにはラップでも良いが、重ねたりすることを考えてカバーをセラミック(易しく言うとタイルです)の天蓋にする。工作用の精度のよい木材の枠をタイル寸法(例98×98淡色タイル100円以下)にあわせて差し渡しブチルでタイルを貼ります。アンプやCDプレーヤの中にはデジタル信号やノイズが飛び交っているがカバーは導電体である上、本アース点と必ずしも同電位にならず、誘導作用などがあって、音の開放感を阻害しているらしいのです。良く外部からのシールドになるといいますが、内部の方がすざましいようです。一寸オカルトっぽいのですが、聴いた感じはフォルテの時の色々な音の佇まいがスッキリするようです。外せる方は試してみてください。自己責任をお忘れなく(結果、要お知らせ?) ◆自己責任改造でCDのメカを可能な限りリジットにしたり防振する。証明できませんが、読み取りサーボとエラーを減らす目的です。具体的には小型文鎮や超硬木材、ブチルで補強や防振。可動部が多いので触れないようにチェックしながら進めてください。 ◆自己責任改造でアンプの基盤や部品を振動しにくくダンプする。放熱やショートに注意のこと。 ◆何事も可能な限り防振に努める。振動が止められない場合は振動モードを変える工夫をし、良い状態を探すことです。 |
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今回でオーディオの入口から出口まで色々な私の遊びのご紹介を終わります。ガサネタも有るかも知れませんが、効果が有って再生音が少しづつ自然に成るのは嬉しいことです。お金を掛けるのも一つのやり方ですが、自らの手で構築するのもまた一つの道です。 長い間恥ずかしくもなくいろいろ晒してしまいましたが、最後まで見ていただき有難うございました。オーディオ愛好家諸氏のご寛容を改めて確認できました。 つづく |