「オーディオ風味 名曲アラカルト」 2006-3-31 音迷人 13.フランシスコ・ターレガ(タルレガ)(タルガ)/ギター曲/アルハンブラ(宮殿)の思い出/など (クラシック)ギターは小さなオーケストラとも言われています。色々な音色、表現力を持っているのですね。 |
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ギターは身近な楽器ですので、皆様はきっと一度は手にしたり、一端のギタリストだったりでしょうね。(失礼) どの楽器もそうですが基礎から確り極めていく為に、すぐ曲を弾いてはいけないと禁じられます。でも特にギターは弾けば音が出るものですから、私なんぞはダメと言われても直ぐに弾きに行ったものです。何を弾いたかって?ですから当然弾く曲は「禁じられた」遊びの「ロマンス」です。(-_-;) 冗談はさて置き身近なギターなのに知らないことが多いので、またまた音迷人が思いつくまま簡単にお伝えしましょう。 まず歴史ですが1400年頃に生まれ、マンドリンのように複弦で8本線だったそうです。1600年頃には複弦10本となったりした後1800年代に今の単弦6本になったそうです。ポータブル楽器として恐らく流行りもし、恋のセレナーデ?に、演奏し易い様に、また表現力を上げるように「構造改革」がされてきたのでしょう。この決定的改良がスペインの大工さんによってなされた様で、スペインがギターの本場となりました。そのせいかギターの演奏家、作曲家を多く輩出しているのは、皆さんもご存知の通りです。フラメンコギターも派生してきます。(フラメンコギターは可哀想なんです。フラメンコに合わせて手荒く掻き鳴らされる上に、ダンサーがくるっと回って見得を切るたびに遠心力で飛んできた汗を浴びせられるのです。あー!) 構造、名称などは下の飾り物ギター写真で見てください。 |
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ギターの概要がわかったところで、オーディオ話に入りましょう。 ギターに張られている弦は高々6本ですから、この際調べちゃいましょう。 表にまとめました。(コントラバスギター等を除く普通のギターです) 弦番 基音周波数 弦材料 第1弦:高E線 330〜988Hz ナイロン弦 (下側) 第2弦:B線 267〜735Hz ナイロン弦 第3弦:G線 196〜540Hz ナイロン弦 第4弦:D線 147〜420Hz ナイロン芯銅巻線弦 第5弦:A線 110〜330Hz ナイロン弦銅巻線弦 第6弦:E線 83〜247Hz ナイロン弦銅巻線弦 (上側) 基音で約[80〜1000Hz]と覚えてください。10倍音で80〜10,000Hzです。 従って周波数的には全く問題は有りません。質の良いフルレンジスピーカーがギターを良く再生するのが解るような周波数帯ですね。以前お話しました自作の平面ハニカムスピーカーはぴったりでした。このスピーカーをギター好きのFさんに上げ、褒められたことを思い出しました。 ギター曲でのオーディオチェックは従ってリアリティー(らしさ)即ちバランスと、過渡特性に尽きます。録音がかなり鮮度良く完璧なソースは多そうなので、再生次第ということになりますから、ギターの特性を含めチェックしてみましょう。 |
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録音されたギターの音は原音が特定できないので、中々ハイファイと言いにくいのですが、色々聴くと、或いは自分で奏でると、ギターの音色のいくつかのパターンや個性を理解することが出来るでしょう。その中には奏法や、撥音位置、構造から来るギターならではの響きがありますが、例外(わざと濁らす?小太鼓奏法?など)を除いてそれらは総て美しく魅力的な良い音です。演奏家やギター製作者は良い音に情熱をかけているはずです。貴方のスピーカーから「それと認められる美しい音」が出てくれば合格です。そうこうしていると、ギターの音色の多さに驚かれるでしょう!ターレガの「大ホタ」は良い例で、スペイン舞踏のホタをテーマに30もの変奏曲を展開し、ギターの奏法、音色のカタログにして有ります。これは絶対聴いてください。 音迷人流を振り回して申し訳ありませんが、ギター音楽での媚薬はこれらの美音のいくつかと、自由闊達な「転調」と申し上げちゃいます。間を良く転調している曲は何とも堪りません。「入江のざわめき」などその効果が強いです。大方の曲は2,3回はたいてい転調しています。 3,4wayスピーカー再生をしている場合、位相を合わせてバランスよく繋ぐと、演奏雑音などがはっきりしてきます。ギターでは右手の移動に伴う指紋と巻き線が擦る音や、フレットと弦が触れる音、呼吸そして衣擦れの音がかなり聞こえます。演奏技術の責任による雑音もあり演奏の出来に邪魔になりますが、オーディオチェックではリアリティーを増します。是非再生を追い込んで見て下さい。 つづく |
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おまけ:◆「アルハンブラの思い出」は名曲中の名曲です。ターレガがアルハンブラ宮殿を訪ねた時の印象だそうです。 何と言っても最後の3小節を除いてトレモロ奏法が続くことです。このトレモロも彼の考え出した奏法とか。きっと宮殿のこれでもかと言う程の細かい装飾をイメージしているのでしょう。(楽譜参)隣の写真のLP、イェペス盤で計ってみましたら、1小節約2秒をメロディー音も含めて24回で刻むのです。即ち0.083sec/1回と言う速さでトレモロを弾いて、我々を感動の淵に誘ってくれます。これを安定して遅滞無く三分強続けるのです。どうです!凄いですね。ギタリストは必ずマスターするんでしょうね。ギターに限らず演奏家はこんな努力をしてくれていますので、「私たち聴衆はもっといろいろ知って、感動を深めなければ勿体無いし、申し訳ないですよ」と音迷人はお伝えしたいです。 イェペスさんはまた映画「禁じられた遊び」を「ロマンス」をまじえギター音楽で支えたと言っても良いでしょうね。 |
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◆またまた不思議な縁が! この記事を3/22から準備し始めたのですが、私が通いだしたフィットネスクラブで、既に家内が懇意にして頂いてる奥様が実はご夫婦でクラシックのギタリストで、演奏活動や、後進の指導をされていることがこの時解りました。(失礼な言い方をすれば「音迷人が記事を書こうと思っていたら、ネタが来てくれた」(-_-;)と言うことですね) 今回は急で取材が間に合いませんがそのうちお世話になろうと思います。短い立ち話で手に入れたお話を挙げておきます。 *「東京ギターフォーラム」(検索キー)と言うギター教室を運営されてます。撥音楽器のエレキ、ウクレレや大正琴も教えています。HPをご覧下さい。(読者の方でギターなどやろうかとご検討の方、キーワードハイファイ堂とか名曲アラカルト、音迷人と仰ると何か良いことが起こるかも知れませんし・・・) *指の腹で弾くことも多いが速いパッセージや、粒立ちの良い音を狙って爪を併用して弾きます。 *従ってギタリストは爪が命。朝起きたら即手入れと補強。仕上げは大変目の細かいヤスリとか。 *ギター1丁で伴奏和音を付けメロディーラインを弾く様になって来ましたが、数人での合奏も多彩で素晴らしいのだそうです。 *ギターには意外とバッハ辺りの曲が似合う?のでギタリストはかなり取り組んでいるとの事です。(私の持っているCDにも例のチェロ組曲やVnソナタ、リュート組曲などがありました) 下写真はその他お奨めCDです。 尚、オーケストラとの曲ではロドリーゴ(1901〜1999)のアランフェス協奏曲が有名です。幼い時病気で失明し、大変な思いをされたのでしょう。2楽章のアダージョが憂いがあって忘れられません。この曲の初演はR・シュトラウス(3/17メルマガ172号参)が日本の委嘱曲を書いた頃です。 村治佳織/新日本フィルのオールジャパン製アランフェスもあるようです。 |
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おまけのおまけ: ◆発行日の31日急いで千鳥が淵のさくらを取材してきました。この歳で始めて行きました。面白いことが起こりました。水面からの写真をサービス取材しようとボート乗り場に並んでいますと「波浪注意報が出ましたので、ボートの営業を見合わせます。様子を見て再開・・・」と言って私の前で列を切ろうとしましたので、よろめいて前の家族に入りました。ということで最後に乗れる私が振り向いてお客さんを撮りました。一生懸命やってると間に合わせてくれるのですね。(記者魂の売り込みです)この後寒い水面で30分間30年ぶりぐらいのボート漕ぎをしました。操船振りは1,2を争っていました。評価は「重いお荷物」が下しました。 しかし皇居の小さい堀で波浪注意報は無いだろうと訊ねましたら、漕ぐのが下手で風で戻れなくなる人が居るからだそうです。そういえばさっき女学生Grがキャアキャア言って、監視ボート?に曳かれて行きましたっけ。思いもしない面白い理由でしたのでご披露まで。 |
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◆知りませんでした。東京に零戦があるなんて。靖国神社内の遊就館に有りました。詳細は解りません。何方か教えてください。 |