「オーディオ雑談カフェ」 3.〜トラフィック・サウンド(乗り物音)〜 2006-6-9 音迷人 昔、雨戸を開けて朝を迎えると明け行く空から必ず電車の音が聴こえて来ました。今はどうでしょう!私の辺りでは生活音で乗り物の音が一番良く聞かれます。鳥の声だと仰る方は羨ましい! ある時、仕事で遅くなり安いが古い駅前旅館の角部屋に泊まりましたが、信号待ちから発進する車やオートバイの加速音で、とうとう一晩中まんじりとも出来ませんでした。好きな乗り物音とは言えやはり時と場合ですね。 「再生ボタン」を押してください!きっとあなたの心に聴こえるはずです。 |
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先々週(NHK技研レポを割り込ませたので跳びました)の交通博物館のレポでベンツのパテント・モーターワーゲンとその音について書きました。 そうです!ハイファイ、ステレオの始まる頃盛んに蒸気機関車を代表とするトラフィック・サウンドが聴かれました。モノラールの頃はあまり聞かなかったようですが、ステレオになって移動する音源でダイナミックで、親しみやすい乗り物の音が登場しておかしくは無いですね。システムを売る方は「ホレホレ動いている!凄いでしょう!どうぞお買い求め下さい!」で良いのですが買う方はそれらしい立体効果を確認できるものの、主に音楽を聴くわけですから、どうしてもトラフィック・サウンド録音物は脇に回ってしまいます。私もそんなことでたまたま手に入った音源だけで、追っかけて集めてはいません。ゴソゴソ探したら、下記の音源が出てきました。 |
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★ソノシートで蒸気機関車 …雑音が汽車並? ★レコードで蒸気機関車 …そこそこですが、Dレンジがもうひと頑張りほしい。フィルム会社が企画したおまけです。いかにSLブームがフイルムの売り上げに影響したかでしょうか? ★カセットでマイカー(おまけ機材写真)…ブルP510(良くも悪くも名車)カローラなど我が下駄であり上履きであった車ですが乗り換えスパンが長く、ポータブルデッキが先に壊れて挫折。ワザとらしいクラクションまで中々良い感じで入っています。 ★カセットで夜行特急寝台車(同上) ★CD付き雑誌でブエノスアイレスの地下鉄(写真) ★CDで「スタッカート2」馬車、車、蒸気機関車など(写真) ★限定販売ビデオで零戦(写真) ★マイMDで電車、祭り等でした。(下記おまけ) |
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写真上:スタッカット2はオーディオチェックが目的ですから、真面目に録音しています。虫や動物は小さい時から耳にしていますから、おとの自然感など判断しやすいです。犬、ニワトリなど実にリアルです。何度聴いても「ワン」であり「コケコッコー」であり決して「クックドゥドゥルドゥー」ではありません。アメリカのスピーカーは大丈夫?とは余計な心配ですがね。ドイツ人は何て言うのでしょう。その他では金属的な音など役に立ちます。先週家の前で道路工事があって、土石をつき固める機械が「スッパン、スッパン」と運転してくれましたが、CDの録音のと良い勝負でした。勿論下記「おまけのMDで録音」をしましたが、セットし終わったら別の均し機に変わってしまい残念。でも作業の音、ブルやトラック、スコップ、箒の音など録れました。 写真下:飛行機マニアのMさんから手配してもらったビデオです。ご存知零戦とムスタングです。それぞれ日米の名機ですね。こんな形で日本の空を飛ぶとは想像だにしなかったです。2機のエンジンの違い即ち空冷、液冷や星型、直列などや、ペラの枚数で音が当然違うわけですが、ゼロ戦のほうが遅く低くそして太い感じです。ムスタングの方が軽快で反応が良さそうに聞こえます。ただ残念なのが飛行機の姿を追ったビデオですので、音は迫力あるのですが、絶えずBGMが流されていて邪魔をします。最近テレビでも映像、内容を跳びぬけてBGMが鳴っていますので、一寸行き過ぎと思っています。そろそろ見直す時期と思いますよ、放送関係者さん。 このビデオはそんなことでオーディオチェックには使いづらいのと、ショーフライトと見ている内は良いのですが、その内、かの大戦でこの爆音を聴きながら、孤独なフライトをしていたパイロット達、終いに帰路を絶たれた飛行を余儀なくされたパイロット達のことを思うと、チェックどころでは無くなるのです。 |
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ところでトラフィック・サウンドの横綱は何でしょうか。私はロケット発射音ではないかと思います。(我田引水の臭い)他では雷鳴が有りますが瞬時では負けても持続性で勝りましょう。しかしあんな轟音を迫力持って収録するにはどうやるんでしょうね。 しょっちゅう発射されていればこの程度の音圧だから云々と録れるのでしょうが、一発で録音出来ねばなりませんから大変です。安全を考えて離れた所にマイクを置けば迫力の無いオフマイク録音になるでしょう。ある程度近付いて録るのに、壊れないマイクを考えねばなりません。(お!やっと水がやって来た)たまたま取って有った資料に出ていたのですが、造ったのはアイワなんです。概要を拾うと、まず40cm角のベースの中央にマイクカプセルをスペア分とで2つ設置。それを覆うシリンドリカルな耐爆風パンチングメタルケース、その上にドーム状に金網(伏せたザル)を2重に掛けてあります。マイクはエレクトレットコンデンサータイプで、14mmチタンダイアフラム、最大入力音圧を160dBとしたそうです。 しかしこの録音をオーディオシステムで聴いた事がありません。何故でしょうか。第一目的は放送衛星打ち上げTV中継用だったのです。それまでは1.7Km離れた発射観測地点にマイクを置いていたそうですが、画像に対し約5秒の音遅れとなってしまうのです。それでロケット近くにマイクを置きたかったのです。結果110mまで接近したそうで(写真下)タイムラグが小さくなり、発射音のバリバリ言う細かい音までリアルに捉えられたそうです。録る録ると書きましたが、まさに音を「捉る」だったのですね。22年前のことです。CDにならないかな?仕方なく代わりに録音が遠慮していて箱庭的ですが、ジェット旅客機の轟音でも聴くとしましょう。つづく |
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おまけ:◆生録マニアと言われる方が居られます。私も踏み込みたかった分野ですが、ある程度満足するシステムでは、ざっと調べただけでも結構機材費が高いようで躊躇してしまいました。それでもと普及型ポータブルカセットレコーダーとワンポイント・ステレオマイクを購入しました。子供の習い事、マイカーの音、団欒の状況など録りましたが、やはり音楽が欲しかったです。しかしよほどのチャンスをつかまない限り、音楽を録音する機会などありませんでした。従って自然と遠のいてしまいました。 |
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今でも時々聴くのが夜行列車内の走行音です。八幡平に遊びに行った帰りの特急寝台列車なのですが、盛岡から乗り込んで暫くの間と、上野駅到着前の車内アナウンスを録りました。30年ほど前ですが、この車掌さんどうしているかな。 夜行ですから皆さんベッドに入って人気が無いので、写真上のレコーダーを担いで走行音が良く入り、渡り板がきしんで音の面白い連結部(蛇腹のあるところ)に立ったり、トイレや洗面所扉を開閉したり、水を流したりして、臨場感を出しました。このテープでは、システムをブラシアップするごとにこの走行音がそれらしくなり、耳にうるさくなく(当然うるさい音ですが、耳に疲れるような刺激的な再生が減ってきたと言う意味)軽くなってきました。きっとシステムの過渡特性が向上したのでしょう。 |
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◆簡易生録のススメ:数年前友達から、名演を聴けとCD→MDコピーを貰いましたら、かなり良い音なので、これは使えるぞと録音できるMDとエレクトレット・コンデンサーマイクのタイピンタイプを買って街の音をチョイ録音してみました。踏み切り、駅、雑踏、パチンコ屋、祭りなどです。祭りは阿波踊りでしたがお囃子隊と前後して移動録音したら最高に迫力のある太鼓・チャンチキなどが録れました。実にリアルです。たった3〜4万円で楽しめる音が取れますよ。マイクの特性が良く解るようでその後買い足したマイクの差も描き分けました。残念ながらスタジオやホールで使われる優秀なマイクほど伸びやかで、S/N比が良くないようですが、もしマイクがよければ、下手なCDなどの録音より、リアリティーが出ます。何しろリミッターなどや調整回路などいろいろ通過していませんから良い音です。MDテクを良く「圧縮とか間引き」とか言って敬遠していたのですが、カセットテープよりはノイズ、Dレンジで勝り馬鹿に出来ません。それに胸のポケットに入るほど小さくて軽いのです。ディスクも安いし皆さんもスナップカメラの感じで使ってみては如何ですか?音の記録は写真とはまた別の面白さがあります。ならばビデオカメラがあるじゃないかと仰るでしょう?でもTVで美空ひばりさんが歌う姿のリアルさに何だか弱いのです。ねえ? |
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◆ソニーが床屋さん向け?TVを造ったのも、ロケット用マイクが造られた頃です。解りますか何のことか?床屋のお客さんは鏡を通してTVを見るのです。と言うことでリモコンで左右逆写しができるTVなのです。その名も「どんでんがえし」14型カラーで定価7万円ほどでした。モノラールテレビでしょうが、ステレオテレビだったら、音もLR「どんでんがえし」したでしょうか?何だか良い時代でしたね |