「オーディオ雑談カフェ」 7.〜耳よりなお話〜 2006-7-7 音迷人 第7回目が7/7で「777」 七夕印コーヒーが段々美味しくなってきました。 「777」をさてと見ていたらもう一つの雄「333」が頭をよぎりミミとなった訳です。(-_-;) |
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創られた音楽が演奏され、その空気の振動を捉えて我々の心を揺さぶる重要な役割を果たす器官、それが耳ですね。あって当たり前のように生活していますが、大変繊細でかつ摩訶不思議な作用をしているのです。意外とオーディオを楽しむ場面であまり話題にされない耳について、一度は注目しておく必要がありましょう。 ◆耳の構造と機能:家庭の医学書などに細かく出ていますので、大まかに理解できる絵を載せておきます。病理を取り扱う訳ではないのでこんな感じでよいでしょう。一応外耳・中耳・内耳と3つに分けてオーディオ的に機能を確認しましょう。 ★外耳:集音器:まず外から音信号が届き、耳介で集められ外耳道で恐らく圧力が上がって、鼓膜に達し振動させます。筒になっていますからひょっとしたら共振現象があるのかもしれません。強い音で「耳を劈く」などと表現する時でしょうか? ★中耳:振動伝達装置:鼓膜はリボンマイクの振動子やダイヤフラムの様に硬い幕ではなく、蝙蝠の羽(皮膚)のようでごく薄い膜だと思います。これが振動すると鼓膜に同化したカンチレバー:伝達子:ツチ・キヌタ・アブミという人間の骨の中で一番小さい三つの小骨を通して再度内耳へ伝えられます。ここは蛋白、カルシウムで出来た正に生体的メカです。 中耳は耳管を通して鼻から外部へと繋がっており、外耳圧と中耳圧を平衡化します。 ★内耳:アブミ骨で蝸牛の振動窓がもう一度振動してリンパ液に伝わると、渦の入口側に高音、奥に低音に感じる有毛細胞があり電気信号に変えて脳に送ります。ここが本当のマイクロフォンなのですね。あとここには三半器官があり、平衡感覚など他の機能を司っていますが、ここでは省略します。 オーディオ機能表現でまとめると振動板(鼓膜)で音波の粗密振動を受けてカンチレバー(耳小骨)を通して発電機構(蝸牛)に伝えて電気信号として捉えるマイクです。鼓膜部即蝸牛であれば、より信号レベルも高く鮮度が高いと思うのですが、発電機構保護とバックチャンバーによる気圧調整のため、ワンクッション(中耳)置いて神は創られたのでしょう。 |
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◆耳の不思議:オーディオをやっていると、関連する機器は何事も精密で繊細な道具として出会ったわけです。きっちり削った部品、薄くて或いは小さく軽い振動体等々。耳はというと器官として小さいが、ある意味ファジーな感じがしませんか?集音器の形は人様々。外耳道の長さ、太さも色々です。そしてチタンやフィルムほどの振動板でもない。カンチレバーはボロンやダイヤでもない。身体の軟骨や皮膚のような何となく柔らかい支持体や支点で動作があいまいになりそうですし、ロスも大きそうです。 しかしどれほど精密で、高価な機器よりも素晴らしい動作をしています。有り難い事です。(耳に障害がある方には申し訳ない稿ですがお許しを!母が耳が悪くなり不自由でしたので、耳について勉強したものです) ◆「耳:生身マイク」のトラブルを調べてみましょう。 外耳:外耳炎による障害や異常に残した耳垢、血液で鼓膜を汚し振動が悪くなる。外部からの異物で鼓膜を傷つける。 中耳:中耳炎で鼓膜に穴が開く。慢性化した中耳炎の膿などで耳骨や鼓室を傷める。耳管が上手く働かず気圧の平衡が適正に取れない。エレベーターや飛行機で耳が張ったり痛むのはこの平衡化の遅れの為です。直ぐ対応してしまうと、耳がフカフカして絶えず刺激されておかしくなるでしょう。丁度風防を付けない時の屋外録音の低音のようです。遅すぎても何時までも張りがあって落ち着きませんし、気圧の変化が早いと、痛い上鼓膜が破れるときがあります。 ★ここまでの要因での難聴を「伝音性難聴」といいます。つまり音を伝えるメカのパーツが不調と言うことです。音量が落ちる、低音、高音に鈍くなり聴こえ方がフラットでなくなります。 内耳:常駐的だったり過大な音で蝸牛の機能を劣化させる。内耳の重大な疾患、後天的疾患にて基本機能を失う場合などがあります。 ★内耳以降での難聴を「感音性難聴」といいます。発電が不十分だったりムラがあったり、神経が切れたり脳が受けなかったりする不調です。こちらは重大な疾患ですからオーディオどころではありません。 母の場合耳鼻科医は「感音性難聴」と判定しました。しかし人の話し声など聞き取りにくいが、自分の声はちゃんと聞こえていて、例えばおどけて内緒話のように声を潜めたりするし、歌や会話でも少々声は大きめですが、音程のバランスを崩したりしないのです。即ち自分の声は聞こえていてフードバックが掛かっている事になるので、外からの音が伝わらない「伝音性難聴」と私は主張しました。でも違いますと一蹴されました。未だに解りません。 耳の家でやれる検査:視力検査のように、片耳づつ聴き比べて左右に差があるかどうか、低音高音に劣化が無いかなど自分で傾向把握して己の耳の癖を把握してください。差が異常なときは耳鼻科に相談してください。 いろいろな事情で耳が不自由になると大変です。ベートーヴェンがかなり早くから聞こえが悪くなってしまったその運命は音楽家にとってあまりにも過酷な事ですね。 音楽愛好家に限らず耳はスペアがありませんから大切にしましょう。 |
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もう一つの考察。耳はお話したように微妙なものですし、音圧レベルによって感度も変わる(ラウドネス特性とかフレッチャーマンソンカーブ)ようですからハイファイの評価など大変難しいのです。それは置いといて、次のケースを考えてください。 「徐々に」ではありますがAさんは低音の感度が下がっていて、Bさんは高音がダメとします。この二人が一つのシステムを調整してこれが私のハイファイであると正常者に聴かす(ないしは測定器ではかる)と如何でしょうか。 ★まず代表的な回答は Aさんの設定:低音が聞こえにくい人だから低音を上げた設定となる。 Bさんの設定:逆に高音が強い設定になっている。 この回答に皆さん納得されるでしょうね。 ★ではこういう回答は如何でしょうか。 「徐々に」であるので自分の欠陥に気付きにくく自然音などもそのように聞こえ(Aさんは低音が弱め・・)自分の基準が正常時から変わってきているため、普段聞こえている様にシステムをあわせたら、二人とも正常者が認めるフラットである。 昔の記憶がどれほど残るか解りませんがそのレベルにしようとする方は前★者でしょう。ここで重要なのは聞こえてる様が現実、つまりコンサートに行ってオケにトーンコントロールつまみは付いていないので、その空間で与えられた音バランスが現実なのです。となると後★者ですね。さあさあ!私はどちらかと言うと後者で調整するでしょう。そのために常々コンサートに出かけて生音に接して、最大公約的音質を身につけます。ですからオーディオを楽しむ以上はコンサートが大切なのです。 つづく |
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おまけ:◆耳垢:あまリ良い響きでは有りませんね。私は何かで2つのタイプがあると聞いています。耳垢が乾いたものと湿って粘ったものつまり乾式、湿式(式はおかしいですね)が先天的にあるのだそうです。つまり民族的?地理的分布が認められるそうです。乾式がモンゴル〜朝鮮〜日本、湿式が東南アジア〜台湾〜日本とか。どちらかがどうというのは無いと思いますが、音迷人は乾式で連れ合いは湿式です。従って良く民族紛争?が起こります。(-_-;) 以前耳鼻科の先生に次のように言われた。「あなたは耳かきを使いすぎていますね。綺麗にはなっている様だがヒリヒリ状態。過ぎたるは・・ですよ。耳は良く出来ていて、普通は外耳道の奥から順に耳垢を送り出すようになっています。最近世の中汚れているので、排出が追いつかないかもしれないので時々耳鼻科で見てもらって掃除するのが一番ですよ」垢を送り出すなんて知らなかったので驚いたものです。 ◆「耳」を使った言葉はかなり多いですね。皆さんは沢山ご存知でしょう。指折り数えてみてください。私が真っ先に思いついたのが「耳年増」でした。(-_-;) 私がオーディオについていろいろ申し上げても「馬耳東風」と聞き流す方、私は一度も「馬の耳に念仏」とは思って書いていませんよ。ただし無用心で「芳一」さんにだけはならないで下さい。 ◆芳一さんが出たついでに一球変化球を! 北九州市に数年間お世話になりました。芳一さんを祀ったお堂がお隣の下関市にあると聞いていましたが、とうとう行きそびれてしまいました。 北九州は多くの方は無法松の一生に描かれる活気有る石炭積み出しの港町、製鉄を中心とした工業地帯で酷い所なんて思っておられませんか?確かに石炭や鉄鋼の街で七色の煙がのぼるなんて言われた時代がありました。ところが随分前から、公害対策の徹底、製鉄所の移転、緑化の促進などで、2〜30年前から透き通った空を獲得しています。街並みには緑が多く、本当?と言う感じ。 高速道路も完備していますし、近代的なICやロボットなどのハイテク産業や学園の街もあります。歴史の有る九州の良さもキチンと保存されているように感じます。月並みですが「グリーン、グリーン北九州」と紹介させてもらってもウソになりません。先入観を捨て是非足を運んでください。 北九州市観光協会HP:http://www.kcta.or.jp/index.html ◆前回レコードの掃除で純正ティッシュのことを書きました。翌日製紙会社の方に法事で会えましたので訪ねましたら、やはりティッシュは中々のものだそうです。そして大半の街配ティッシュはグレードが相当低く、パルプは直ぐほぐれるようです。暫くポケットに入れておいてから使おうと引き出すときに、パルプのチリが舞うほどとか。もう一つロール(トレペ)のお話をサービス。良く売れるタイプは東ではダブルロールで西ではシングルロールだそうです。東ではあまり値切らないが西では値切るのが挨拶。エスカレーター急ぐ人は東が右側、西が左側みたいなことでしょうか?我が家は大分前からダブルだ。理由は簡単。なぜかバーゲン品がダブルで出てくるから。(-_-;) ★今回は散漫で文字が多く済みませんでした。 |
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追記:今朝のテレビで見たのですが、瀬戸内海でいくつかの大橋で繋がる「しまなみ海道」が造られ、島々や四国に人を呼び込み繁栄すると喧伝されたが、実は人が出て行く橋となり、辺りは過疎化が進んでさびれる一方だそうです。離島とは言え確か豊島に至っては老夫婦二人だけとなり、日に焼けた皺の深いじっちゃんが身体の不自由なばっちゃんの面倒を見ていました。恐らく徴兵も受け必死で生きてこられたのに、毎晩のように晩餐がカップラーメンだそうです。我々は全く「素晴らしい日本」を創ってしまいました。じっちゃんが夜、家の中なのに遠くを見る目をして、上手にハーモニカを吹いてばっちゃんと自らに聴かせるではありませんか!ここでも音楽は力になっていました。じっちゃんのハーモニカはきっと古いのにピカピカでした。 |