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「XRCDについて」
京都市 近藤賢二
XRCDは普通のCDプレーヤーで聴けます。
XRCDとは、一言でいうと、どのCDプレーヤーで再生しても断然良い音質で聴くことができるCDソフトです。XRCDは特定のFormatではありません。普通のCDです。なぜ良い音質なのか?マスタリングからCD製造に至る制作工程を徹底管理した事により生まれたものだからです。選び抜かれた音の職人たちの耳による厳しい音質管理がなされています。当初のマスターによるダイレクトカッティングは20bitでしたが、現在は24bitに性能アップしました。
最高純度の音質を維持するために次のような事が行われます。
1.音源はアナログテープで、必ずオリジナル・マスターテープであること。
2.位相ズレがある場合は正相にする。
3.電源ライン間の干渉を無くすため、使用機材の電源には全て独立した電源を使用する。
4.ケーブル類は極性、方向性を合せる。
5.不要電源は全て切断する。
6.ケーブル類は一本一本を徹底比較テストし、最高特性の導体を使用する。
7.使用ケーブル(内部配線を含む)は長さが与える音質劣化のテストをし、適正な長さにする。
8.生ディスクは素材、塗料材(24純金、純銅など)に至る広範囲に渡りテストを行い、その結果、アルミ盤が信号伝送を最も忠実にする事を確認。XRCDは全てアルミ盤を使用。(制作現場で使われているケーブルはほとんどHarmonix 製だということです。)
これらの作業を行った都度、その工程で実際にCDを制作します。その上でオリジナル・マスターテープと比較試聴し、音質劣化を確認します。マスタリングから製造に至るまで、この様な徹底した管理が行われます。出来上がったCDは極普通のCDであるにも拘わらず、極めて優れた音質で鳴るのです。通常のCDがオリジナルテープの65〜85%ぐらい再生するのに対してXRCDは98%も再生することができます。
価格については通常のCDよりは600〜800円程高いですが、この音質を聴かされると私はSACDよりXRCDを取ります。(哀しきかな、これもソフトの数が少ないのが弱点です。)実際聴いてジャズにはXRCDが最適ではないかと心してます。XRCDをぜひ聴いてください。一聴したらその良さは明白です。
一般的にシステムをチューニングするとよく言われます。しかしCDの純度については多くのオーディオファイルの方もあまり気にしていないようです。もし、位相ズレ、エンハンス、歪みなど、純度の低いCDでチューニングをしたとします。出てくる音は癖の付け合せの音となり、理想の音にはなりません。純度の高いXRCDの音を基準にした音を聴くと、自然とシステムの欠点も見えてきます。このようなことからもXRCDをぜひ奨めたいと思います。
今週のコン&カプには一家に一枚といわれているほどの名盤中の名盤「サキソフォン・コロッサス」が登場します。音質は24bit盤も良いのですが、極めつけはXRCD盤のアナログ的音質です。若い人もまずこの「サキコロ」から入門してジャズに親しんで欲しい。1曲目の「セント・トーマス」はロリンズのテーマ曲ともいえるご機嫌な曲である。4曲目「モリタート」、5曲目「ブルー・セブン」、これまた延々と続く楽しいセッションは、リズムカルでスイングし最高潮に達します。豪放にして繊細、スリリングにしてユーモアたっぷりの歌心あふれる演奏が楽しめます。またマックス・ローチのドラムが凄い。ここではモダン・ジャズの最高峰のドラミングを聴かせてくれます。新しい奏法や驚きの音をまだまだ発掘し続けているサックスのロリンズは尊敬するばかりです。50年代にこの名盤が録音された段階でロリンズ25歳、ピアノ、トミー・フラナガン26歳、ベースのダグ・ワトキンスは22歳の若者。マックス・ローチでさえこの時点で32歳。その時期の大物とうたわれたマイルス・ディビスだって、まだ30歳。ジャズというのは間違いなく若者の「青春の音楽」だったのです。
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