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海の青 山の青 4344MK2から4348へ
第22話「いい音との遭遇 (6)」
2007年6月22日 近藤賢二
最新号のオーディオビジュアル誌にホームシアターマニアが、あのJBLエベレストDD66000を4台使って豪華な4Chシステムを組み上げたという記事が載っていた。「JBLエベレストDD66000の性能を損なうことなく、上手く鳴らす方法は!」とあった。あの凄い能力を持ったエベレストDD66000でも見違えるような音質の向上が見られたということだった。エベレストDD66000のバイアスを加えるバッテリーにPanasonicの「New アルカリ乾電池」と交換したという記述だった。効果は抜群で明らかにDD66000の導入時とは音質が全体的に「グゥーンとUPした」ということだった。また「バッテリー1つでこれだけの進化が見られることに驚いた」とも、記述されていた。
「こんな小さな乾電池一つで、はたしてDD66000の性能に影響するであろうか!」
JBL4348ではネットワーク回路内コンデンサーに常時直流バイアスを加えておくことで素子を活性化させ、ゼロクロス歪を取り除くJBL独自のチャージカップ方式を採用している。優れた音質を維持するために定期的にバッテリーを交換しなければならない。(約2年ごと)このことは前に愛用していたJBL4344MK2においても同様だったのでよく認識していた。4348においてもバッテリー(9V角型006Pタイプ乾電池)は従来からあるPanasonicのアルカリ乾電池が装備されていた。今回たまたまバッテリー残量を測ると、特に電圧の低下は見られなかった。
低下もしていないバッテリーを同じPanasonicの「New アルカリ乾電池」にわざわざ交換する?
「試してやれ〜!」
と思い立ち、急いで電気店に駆け込みPanasonic「New アルカリ乾電池」2個買ってきた。早速プラスドライバーを使ってJBL4348の背面上部のサブハッチの固定ネジを抜き取り、装備されているバイアス用バッテリーを取り外し、「New アルカリ乾電池」と交換した。バッテリーの交換に要した時間は5、6分程度であった。「よぅ〜し 装着完了だ!」後はその音質の再現性がどのように変化するかである。「以前より音がよくなったか!」それとも「あまり変化していないか!」小さいことだが、例のあの記事を読んだからには、ここは断然興味があるところだ。何時もこの瞬間がたまらなくドキドキしてくる。一音が出る瞬間を待った。
試聴したジャズCDは「タイム・コントロール」上原ひろみの最新作である。聴きなれている、ピアノ・トリオの一音が発せられた瞬間、上原のピアノは元気でダイナミックな音に圧倒されんばかりの分厚い演奏が繰り出されてきた。瞬間「これは期待できる!」と感じた。その音はエネルギッシュで躍動感タップリだ。ピアノ・ソロの分厚さと、一音一音の切れがよりよくSN感が高い繊細で鮮明な表情が素晴らしい。聴いていても音が眼前に広がってくるようだった。これは聴き比べると以前の音とは次元が全く違った音源となって飛び出してくる素晴らしい音質だった。「この再現性は断然元気で伸び伸びと鳴っているようだ!」と驚いた。
バイアスバッテリーを「New アルカリ乾電池」に交換しただけで、これだけ良質な好みの音に変化向上してくれたのが本当に頼もしいと思った。そういえばJBL4344MK2を愛用していた昨年夏、アッテネーターを交換した時もそれから音質が俄然よくなった事を思い出す。その時もバイアス用バッテリーを「New アルカリ乾電池」に交換している。偶然だろうか「やはりバッテリー交換が加ってかなり音質アップに貢献していたのかなぁ・・!」と思えてくる。
JBL4348を愛用するようになって、様々なアクセサリー等で能力アップを試みてきたが、試せば試すほど新発見があることに気をよくしている。音の歪感も減少しSN比も向上、高域の繊細感は今まで消え入るように聴こえていた音が、ハッキリと聴こえるようになった。低域感もより雄大な押し出し感を倍増させて、ごつく引き締まった低音の再現性を呼び起こしてくれた。このように「機器の設置位置を替える」また「インシュレーター(ベース)」及び「スピーカーケーブル接続方法」「バッテリー」等々での相乗効果で機器を替える以上にいろんな音に変化する。実際試さなければ分からないことだが、オーディオには奥の深い、試さなければ分からない隠された未知の音があるようだ。その一つ一つのベールを剥いでいくことも楽しみの一つである。これからまだまだ進化するであろうJBL4348、各アクセサリー類、機器との共存で「いい音との遭遇」に何度も出会えることを楽しみにしたいものだ。「オーディオは何でも試してやろう!」という前向きな意思を何時までも持ち続けていきたい。
最後に思う。現在愛用のMclntosh MC602、C46もそうだが、この革新的な「JBL4344MK2から4348へ」これがなければ現在の素晴らしい、いい音と“遭遇”していなかったかも知れない。
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