ハイファイ堂メールマガジン

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こんにちは、片岡です。気づいたらもう師走。毎年感じますが、一年はあっという間ですね。今日はお客様より先日ブルーノートの国内盤について興味深い記事を頂いたので、ブルーノート国内盤のおさらいとしてご紹介したいと思います。
国内のブルーノートは当時、東芝とキングの2社が盤権を買い発売しました。この2社のブルーノートのレコードは音質が違うことで良く語られます。東芝は全体的にバランスが良くキレイな音質。それに比べキングは音が太く押し出しが強い、本国盤に近い音質だといわれ、キング盤の方がジャズファンから人気の傾向にあります。
	当時のキングレコードのエンジニアである菊田俊雄さんが、音質について語っていらっしゃる記事を頂きました。
記事によれば、菊田さんが当時ブルーノートからもらったマスターテープの音と米国のブルーノート盤の音はかけ離れていたとおっしゃっています。なんとマスターテープは東芝盤に近い音質だったと。菊田さんは担当者より米国盤の音質に近づけて欲しいとの依頼を受け、音を際立たせるミキシングをしたそうです。要するに東芝盤はマスターテープの音を忠実にレコードに仕上げ、キング盤は米国盤の音を忠実にレコードに仕上げたということです。
	キング盤が米国盤に近いというのは聞いて感じていたことですが、東芝盤がマスターテープに近いということは知りませんでした。東芝盤の音から推測するとヴァンゲルダーの録音は常識をくつがえすような斬新なものではなく、むしろ録音技術に沿って丁寧に録ったということでしょう。
そしてミキシングの段階であのヴァンゲルダーサウンドに仕上げたたということです。マスターテープももちろん重要ですが、それをレコード盤に吹き込む作業、ミキシング・カッティング作業が如何に重要かということを再認識しました。またキング盤はメタル原盤をを使ってプレスしていたという噂は、ただの噂だそうです。
国内ブルーノートの音質は、ブルーノートのマスターに近いサウンドは東芝、オリジナル盤に近いサウンドはキング、どちらが良いかということではなく、傾向であるということです。ジャケット3番目のキングの完全復刻と、4番目の東芝の小轍カッティングも2社の傾向を受け継いでいると思います。同じタイトルで、音質の違いを楽しんでみるのもいかがでしょうか。

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