ハイファイ堂メールマガジン

あけましておめでとうございます。本年もハイファイ堂レコード店をよろしくお願いいたします。元旦からフル出勤で少々ばて気味の堀尾です。
最近テレビでちらっと見たのが元ビートルズのリンゴ・スターの生家が町の区画整理で取り壊しになる危機にあるそうです。町民の賛成は得られてはいるものの、世論が反対したらしく、国が取り壊し中止要請を出すとか出さないとかでもめているらしいです。ジョンやポールの生家は国の指定文化財並みに保護されているのにリンゴの家はぶっ壊すのかい！と突っ込みを入れたくなるニュースがありました。
そんな彼について。よくリンゴ・スターの印象について問われると「人柄がい」「あたたかい」「人望がある」等々、全くビートルズのドラマーであったことが黙殺されている程、演奏面について触れられていないことが多々有ります。そんな一般常識化しつつ有る彼のイメージを払拭できればと思い、彼の演奏面での名作を少々ご紹介して行きます。
ビートルズ時代の名演はなんと言っても初期は「ハリウッドボウル・ライブ」、中後期は「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」でしょう。ライヴではリズムが早まったり、もたったりが必ず起こりうるものですが、なんと彼の場合かなり正確なリズムキープをしております。64年当時のロック系ドラマーではあり得ない正確さで驚きです。「ア・デイ〜」はオカズが少ないと思われがちな彼の演奏スタイルですが、この曲に関してはオカズだらけのおいしい1曲です。ちなみに「ハリウッドボウル〜」は未CD化ですので、レコードを聴ける環境の方は是非！

ソロになってからの名演はズバリ「ジョンの魂」でしょう。ジョンとクラウス・フォアマン、リンゴのトリオによる超名作です。録音もかなり変化球で、ドラムペダルのスプリング音まで拾った当時としてはソリッドかつリアルな録音となっています。そんな録音ですので当然演奏の「荒」が目立つものですが、本作はそれを微塵も感じない、リスナーが演奏の中心にいるような超バンドサウンドを収録しています。ちなみに当店に赤盤の丸帯あります！是非！！
最後に彼自身の作品で「リンゴ・ラマ」です。晩年は歌ものばかりでロックドラムは叩かないのかと思われた矢先に発表された会心の一撃です。全ソロ作でダントツのドラムテクニックを見せつけてくれます。安定したリズムキープはもちろん、しっかりオカズもいれ、「やっぱこの人上手いわ」と感心してしまう名作です。なかなか入手は困難ですが見つけたら即買い間違い無しの作品です。

息子のザック・スターキーもドラマーです。この人もやたら上手い、キース・ムーン直伝らしいドタバタ感のあるドラムです。親子二代の名ドラマーです。（写真左がリンゴ、右がザック）

ちなみにうちの息子はギターを弾きたいと言っていますが親が名ギタリストではないので上手くなるはずは無いでしょう。