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こんにちは。レコード店の矢田です。秋も深まり、近頃は朝晩の冷え込みが激しいです。風邪が流行っているようです。そんな私も、のど風邪をひいてしまいました。体調管理には十分気をつけたいです。今日は真空管についてのお話です。

以前に一度テレフンケンの真空管、ECC83,ECC82についてお話しいたしました。今回はテレフンケンに次ぐ人気の英国Mullard(ムラード)についてお話しいたします。ムラードは60年代までの英国製オリジナルのタイプとそれ以降の西欧(主にオランダ製)のものに大きく分かれ、更に最近では復刻としてロシア製のものがあります。テレフンケンと同じく英国製オリジナルともなると代表的なECC83,ECC82、EF86等はぺアでも1万数千円もします。ロシア製と書かれてある復刻タイプは除いて、オリジナルとそれ以後の西欧製の区別はどのように付けるのでしょうか？今回はその辺りを簡単にではありますがお話してみようと思います。

最初の写真はオリジナルのECC83です。そして次の写真は製造番号のアップです。 B4A1と表記されています。ＢがMullardのBlackburn工場、4が1964年、Aが1月、1が第1週に製造されたことを表しています。消えてしまっている場合もありますが、まずこのプリントがない場合はオリジナルでないと断定できます。またBからはじまるものが、他のアルファベットから始まっている場合、少なくともブラックバーン工場での製造ではないため、Phillips傘下の別の工場での製造品ということで、確定的ではなくなります。

次に内部構造についてです。ムラードの英国製オリジナルであるとされるECC82,ECC83には内部構造にもある特徴があります。上の写真はプレートを横から見たものです。真ん中に半円の横穴があります。この特徴こそオリジナルであり。四角穴のものはむろんですが、一見似たような円形でも内側まで穴があいており完全な円形の穴となっているものもオリジナルとはいえません。またプレートとプレートの間に金属の棒が1本あるものもよく見かけますが、それもオリジナルにはありません。この点から、ロットが薄れ等により鮮明でなく読めないときなども、この構造の特徴からオリジナルであるということが断定できます。
今回はECC82,83だけになりましたが、他にもムラードのオリジナルとして人気のある、EF86や軍用のCV4004なども、機会があればお話してみようと思います。

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