ハイファイ堂メールマガジン

こんにちは、レコード店の志治です。最近雨の日が多いですね。7月に入りましたしどうせ暑いなら湿度の低いカラッとした暑さになってほしいものです。
さて、前回・前々回とプリ管・パワー管の紹介をさせていただきました。なので今回は整流管を紹介したいと思います。
整流管はプリ管・パワー管とは異なり音楽信号の増幅はできません。そのかわり整流管は、一般家庭用の交流電流からアンプのために直流電流を作ることができます。昔は真空管を使用したラジオなどから音を出すための直流電流が電池しかありませんでした。電池は高いうえに真空管を使うと消費も激しいためお金持ちにしか普及しませんでした。しかし一般家庭用の交流電源から整流管を使用して直流に変換することで、低コストでラジオを聴けるようになり一気に整流管付きのラジオが普及しました。
今ではほとんどシリコンダイオード製の半導体整流器が使われているそうです。実物を見たことがないので調べてみたらGT管のベース部分だけのような形をしていました。確かにこれは整流“管”ではないですね。整流管から整流器に変えると音がクリアになるそうです。
整流管にも幾つか種類があり、検波や小電力の整流には二極管、高電圧にはケノトロン、大電流には熱陰極水銀整流管や冷陰極水銀整流管が使用されます。二極管は陽極・陰極の二つをもつ真空管です。ケノトロンは陽極・陰極の間隔を十分とった二極管だそうです。
整流管は5から始まる型番が多く、店でも良く見るのは5U4G・5AR4・5Z3などです。写真はRCAの5U4G(右)、MULLARDのGZ34(5AR4互換球)(左下)、NECのKX-5Z3(右下)です。

さらに5続き CHATHAMの5R4WGB(左)と東芝の5Y3GT(右)

1文字目はフィラメント電圧と常連のお客様に聞いたことがあるので、整流管はほとんど同じ電圧なんでしょうか。真空管の名前に関してもいろいろ調べたいので次回に向けて勉強します。
	もちろん5から始まるもの以外にも様々な整流管があります。写真はGOLDEN DRAGONの274B(右)、RCAのUX-280(左下)、WESTERN ELECTRICの412A(右下)です。

整流管は音の増幅には関わっていませんが、当然交換すると音が変わります。以前店にいらしたお客様が「真空管はスーツで例えるならベルトかネクタイようなもの」とおっしゃっていました。その時はまだ入って間もないので意味が分かっていませんでしたが、今ならなんとなくわかる気がします。一箇所でも球を変えればガラッと印象が変わるということを言いたかったのでしょう。
ハイファイ堂では真空管の他、ケーブルやトランスなどの買取も行ってます。使わなくなった真空管などあればぜひご相談ください。