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真空管の型番
ハイファイ堂メールマガジン第657号 ハイファイ堂レコード
こんにちは、レコード店の志治です。
九月に入りました。まだまだ暑い日が続きそうですが、夜に鈴虫の声が聞こえてきたり少しずつ秋めいてきました。季節の変わり目なので気温や天気にばらつきがあるので、体調管理に気をつけないといけませんね。
さて今回は前々から気になっていた真空管の型番について書きたいと思います。
真空管の型番には数字だけのものと、アルファベットと数字を組み合わせたものがあります。数字だけの型番には特に意味はないそうですが、 アルファベットと数字を組み合わせたものには米国式、日本式、欧州式の三種類あります。数字だけの型番も意味があるのかもしれませんが、自分が調べた範囲では分かりませんでした。
まずは米国式。 米国式は数字・アルファベット1文字か2文字・数字の組み合わせが基本です。 最初の数字が小数点以下切り捨てのヒーター電圧。最後の数字が外部有効電極数。ヒーターは1と数えます。真ん中のアルファベットは製造された順番を表しています。Aから始まってZまで。
AAなど同じ文字が続くものは含まないので、続きはABから。1965年ごろに1文字目がNに達したあたりで真空管の時代が終わりました。
順番とは言いましたが例外がいくつもあります。
まずIとOは1と0と見分けがつかないため使用されていないそうです。 次に整流管は他の真空管とは別でアルファベットがZからスタートしてZ→Y→Xと反対向きに進んでいきます。左の写真はGEの5Y3GT。
さらに1文字目がSから始まるものはアルファベット1文字の時代の真空管の改良型らしいです。例えば6SN7は6N7の改良型というように改良以前のもののアルファベットの前にSの文字が追加されます。しかしこれもすべてがSを除いた球に対応しているとは限らないようです。
写真は左下:RCAの6N7、右下RCAの6SN7GTです。
前述の型番の表し方が基本になりますが、その前に真空管の用途を表す文字・管の足の数を表す文字・ハイフンをつけたものもあります。例えばUZ-6C6ならU(受信管)Z(6本 脚)-6C6となります。
次に日本式です。 日本式は数字・アルファベット2文字(もしくは3文字)・数字の4文字が基本形です。
1文字目の数字は米国式と同じくヒーター電圧。 2文字目のアルファベットはピンの数やベース型など形状を表した文字。 GならG管あるいはGT管、Rなら9ピンmt管など様々です。3文字目のアルファベットは二極・三極などの種類を表した文字。
Kなら整流管、Bならビーム出力管など、こちらも結構数があります。複合管の時は複数文字並べるそうですが、そんなに長い型番の真空管は見たことないですね。 4文字目の数字は区別用。大体は製造順で、米国式とは違い電極数とは関係ありません。 例えば6GB8なら?6.3VのGT(G)管型ビーム出力管のうち8番目に作られたもの?となります。
右の写真は東芝の6GB8。
日本式も米国式と同じく上記の基本の型の前に2文字アルファベットをつけることがあります。(UXやUYなど)米国式と文字の意味は近いですが、日本式にはハイフンが付かないらしいです。 今まで Web に真空管をアップするときハイフンの有無をそこまで気にしていなかったので、もしかしたらいくつか間違っているかもしれません。
写真はMATSUDAのUY-227。
ハイフンついてますね。年代によったりするのでしょうか。
最後に欧州式。
欧州式はアルファベット2文字(もしくは3文字)と数字2文字です。
1文字目はヒーター電圧ですが、米国式・日本式と違い6.3VならE、5VならGというように電圧に対応したアルファベットで表す。2文字目は二極管、三極管などの真空管の種類を表します。日本式の3文字目と同じです。3文字目の数字はピンの数・ベース型の種類を表します。日本式の二番目の文字と同じです。 4文字目の数字は日本式と同じく区別用番号。こちらもおそらく製造順です。
上記の型番が欧州式の基本となっています。しかし欧州の真空管の型番はメーカーごとに独自の変化をして、もとの型番とは完全に別のものになってしまったそうです。下の写真は左:SIEMENSのGZ34、右:TELEFUNKENのECC803Sです。
大まかに説明するとこんな感じですが、ネットや古い本を見た程度の知識なので、間違っているところがあるかもしれません。また常連さん方に色々教えてもらいます。
ハイファイ堂では真空管の他、ケーブルやトランスなどの買取も行ってます。使わなくなった真空管などあればぜひ一度ご相談下さい。お待ちしております。
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