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こんにちは!レコード店の松田です。 今回は1960年代後半に流行った(?)ポップミュージック「バブルガム・ミュージック」についてご紹介させて頂こうと思います。 バブルガム・ミュージックとは1968年〜1971年頃にかけて作られたアメリカの白人音楽が中心のジャンル。 明るくキャッチーなメロディー、シンプルな和音とハーモニーで8ビートのアップテンポのティーンエイジャー向けに作られた音楽です。 別名「ハッピー・ゴー・ラッキー・サウンド」とも言われ、サイケ、ブルースロック、アートロックなどロックが複雑化していった反動により生まれた音楽でした。 しかし複雑なロックが好まれる時代でもあったため「フーセンガムのようにくちゃくちゃ噛んでシューっとしぼんでいらなくなったら使い捨ててしまえる取るに足らない音楽」的な見方により「お子様向けの商業ポップス」として軽視されてしまうこともありました。 しかし、あなどることなかれ!!バブルガムミュージック!! 商業音楽としてプロによって計算され尽くされた最高のポップミュージックなのです! |
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当時のアメリカのバブルガムグループなどはレコード会社がデッチ上げた実体のないグループがほとんどでした。 そのほとんどのグループを指揮しているのがプロデューサーの「ジェリー・カセネッツ」とソングライターの「ジェフ・カッツ」でした。 バブルガム御三家の「1910 FRUITGUM COMPANY」は1968年ブッダレコードからデビュー。 彼らの代表曲となった「サイモン・セッズ」や「INDIAN GIVER」などは日本でもヒットしました。 あの有名なテレビアニメ、サザエさんの曲の元ネタとなった曲「BUBBLEGUM WORLD」も彼らの曲です。 メンバー設定もされており、ジャケットにはメンバーの写真も写っていますが、録音にはプロのスタジオミュージシャンを使い全てレコード会社の計算高い戦略によりヒットしました。 勿論、ジェリー&ジェフのコンビもしっかり関わっています。 後のポップミュージック界での評価は高く、日本でもあのアイドルグループ、モーニング娘。の元ネタにもなっているとか? |
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1968年オハイオ州で結成されたレモン・パイパーズもまたバブルガムを代表するグループ。 元々彼らはデビューまで別のバンドとして活動していたが、レモン・パイパーズとしてレコード会社から曲を準備されてデビュー バブルガム御三家のなかでは1番サイケ色の強いサウンドのグループ。 しかしちゃんと親しみやすくキャッチーなメロディーがつけられ妥協の無い商業ポップスとなっています。 お子様だけではもったいないほどの良質サイケポップス!! 代表曲「グリーン・タンブリン」は1968年に全米1位を獲得し、新興のブッダレコードの存在を世に知らしめました。 |
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「オハイオ・エクスプレス」はバブルガム御三家の中でも最も「バブルガム」らしいグループ。 代表曲も「Yummy Yummy Yummy」や「Chewy Chewy」などわかりやすくキャッチーなものが多く、ハッピーな歌声にスウィートでごきげんなコーラスは抜群のバブルガム・ポップです。 当初、別のバンド名でシングル発売されていた曲を、スタッフ側が勝手にオハイオ・エクスプレス名義で出し直したらヒット。 別のバンドを引っ張ってきてオハイオ・エクスプレスと名乗らせてアルバムデビュー、その後彼らはツアー用のメンバーとなり、音源のレコーディングはプロのスタジオミュージシャンという本当にまあ実体のないグループです(笑) 末期のヒット曲「sausalito」には後の10ccのメンバーGraham Gouldmanがボーカルとして参加しているそう。 その他の曲も1910フルーツガム・カンパニーと同じボーカルが歌っている曲もあるようです。 |
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このようにほとんどがレコード会社戦略の実体のないグループのバブルガム・ミュージックですが、存在すらしない架空のバンドも多くいます。 |
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1968年に放送されたアメリカの人気テレビアニメ「アーチーでなっくっちゃ!」から生まれた架空のバンド、The Archies。 アニメの主人公達にバンドを組ませて番組の中で歌わせようというアイデアを仕掛けたのはモンキーズを手掛けた名プロデューサー「ドン・カシュナー」。 毎回アニメの中に今週の唄のコーナーをつくり良質のポップミュージックを世に送り出しました。 楽曲製作はロネッツの「BE MY BABY」やクリスタルズ「DA DOO RON RON」を生み出したジェフ・バリーと、全米トップ10ヒットとなった「BABY I LOVE YOU」のシンガーソングライター、アンディー・キム、そして唄にはソフトロック界の名ボーカリスト、ロン・ダンテが参加していました。 代表曲「Sugar Sugar」はトータルセールス700万枚を越える大ヒットとなりました。 |
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同じくアメリカのアニメ「ドラドラ子猫とチャカチャカ娘」や「幽霊城のドボチョン一家」でも毎回歌のシーンがとりいれられ、子供にも理解出来る明るい歌詞と耳馴染みの良いポップスナンバーが、愉快なダンスや演奏のアニメーションと共に放送されました。 |
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こちらの「THE BANANA SPLITS」は1968年から1970年土曜日の朝にアメリカで放送されたテレビ番組から生まれた着ぐるみのバンド。 着ぐるみの動物たちが楽器を持って元気に愉快に歌い踊ります。 こうみえて音楽のほうはゴキゲンなオルガンの効いた良質のサイケポップスやソウルナンバー。 これが子供だましだなんて、、、 本当に子供向けにしておくのはもったいないほどのサウンドです!! |
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最後に日本のバブルガム的グループを紹介します。 やっぱりどう考えても「フィンガー5」しかいないでしょう! 日本の沖縄で結成された5人兄弟のアイドルグループ(元はバンド)です。 大ヒット曲「学園天国」や「個人授業」のように楽曲のテーマは一貫して「学校における恋愛」であり、ターゲットは10代の女の子中心の楽曲がほとんどでした。 キャッチーで楽しいメロディーや歌詞に、四男のメインボーカル晃くんのハイトーンボイス、末っ子で唯一の女の子たえちゃんのキュートな歌声、兄弟ならではの息の合ったコーラスでティーンの女の子のハートを鷲掴みにしトップアイドルとなりました。 もちろん若い女の子からの評価のみならず老若男女問わず愛される大ヒットポップスを多く生み出しました。 |
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時代によっては「お子様ポップス」とされ軽視されがちなバブルガム・ミュージックですが、今では「誰でもわかりやすくついつい口づさみたくなるような良質なポップミュージックを計算して作り上げられるプロの商業音楽」として再評価されています。 とにかく楽しくゴキゲンな気分になりたいときは是非バブルガム・ミュージックを聴いてみることをオススメします! |
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