色々なカラー・ジャケットハイファイ堂メールマガジン第733号ハイファイ堂レコード

色々なカラー・ジャケット
ハイファイ堂メールマガジン第733号ハイファイ堂レコード

こんにちは。レコード店の尾本です。私の好きなアルバム・ジャケット（アート）がたくさんある中から、究極の超シンプルなジャケットで思い浮かぶ作品といえば、ビートルズの"ホワイト・アルバム"と呼ばれる作品『The Beatles』でしょう。デザインされてないようで、アートと感じてしまうほどデザインされてるような。また、その作品を聴けば聴くほど、さらに魅力的に感じてしまいます。今回は、洋楽ジャンルの中から、アルバム・ジャケットや作品タイトルが、色（カラー）で知られる作品を紹介します。題して『色々なカラー・ジャケット・アルバム（作品）』
『ホワイト・アルバム』THE BEATLES

"ホワイト・アルバム"と聞けば、洋楽、ロックを聴く方なら誰もが思い浮かぶアルバム、ビートルズの2枚組オリジナルアルバム『The Beatles』。1968年にビートルズ自身が設立したアップル・レコードから発売された最初のビートルズのアルバムです。このジャケットを手掛けたのは、ポップアートの先駆的存在とされるイギリスの画家、リチャード・ハミルトンです。白一色にタイトル「The Beatles」の文字が、エンボス加工され、通し番号が付けられたジャケット。そのジャケットのイメージから『ホワイト・アルバム』という俗称で呼ばれるようになりました。当時は、サイケデリック調で派手なデザインのジャケットが多かった中で、逆に新鮮で斬新なジャケットだったと思います。前作の『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』とは、とても対照的なジャケット。また、このシンプルなジャケットは、前作に引き続いて、難解になっていく自分たちの歌詞を少しでも聴き手に理解してもらおうという試みもあるそうです。作品内容は、2枚組30曲入りという多種多様な楽曲が収録されていて、現代音楽の全ての要素が詰まっていると評価されるほどです。しかしながら、メンバーのソロ作品の集合体と感じられる印象もあり、まとまりに欠けるという声もありますが、後期ビートルズ・サウンドの多彩さが楽しめるアルバムと思います。
『ブラック・アルバム』 PRINCE

ホワイトの次は、やはりブラックということで、表裏が真っ黒なジャケットの作品、プリンスの『ブラック・アルバム』。プリンスは、ジャンルを超えた音楽を創造しつづけた唯一無二のアーティストです。アーティスト名、曲のタイトルすらも明記されていない表裏が真っ黒なジャケットで、唯一、文字が表記されている箇所は、ジャケットの背表紙に商品の型番などの明記のみ（上写真の左右参照）。この作品は、1987年にリリースされる予定だった作品でしたが、発売の一週間前に突然差し止められた作品。当時のプリンスは、毎年のペースで、作風の違うクオリティの高い作品を出し続けていました。私自身もこの作品タイトルもない"ブラック・アルバム"と呼ばれる作品に期待がとても高まっていた時期で楽しみにしていたので、急な発売中止にガッカリした記憶があります。発売中止の理由は、プリンスの気まぐれという説が有力なようですが、いろいろな説のひとつに、多彩な作品で売れ続けるアルバムに、ファンの中には正統なブラック・ミュージックを忘れてしまったという声も皮肉なことに多くあり、そんな中でプリンスが作った作品は、原点回帰とも感じる、ストレートでファンキーなブラック・ミュージック。内容は、とても攻撃的・暴力的で、前作までの作品とは異質にも感じる作品で、ある意味、プリンス自身らしくない作品として後悔し、発売を中止させたという説があります。発売中止後、この作品は多くのブートレグ（海賊盤）が出回り、最も売れたブートレグとなりましたが、1994年に正式にリリースされました。でも、このプリンスらしくないと言われる作品は、とてもグルーヴがあり、プリンスしか作れないサウンドクオリティの高いブラック・ミュージックですので、楽しめる作品と思います。
『ブルー』『グリーン』『レッド』『ホワイト』WEEZER


アメリカのオルタナティヴ・ロックバンド、ウィーザー。ポップでパワーのあるサウンドで、また、どこか切ないメロディのある作風は「泣き虫ロック」と日本でも人気です。現在、彼らの10枚のアルバムの中には、バンド名『WEEZER』というタイトルのみの作品が4枚。4人のメンバー写真とカラー背景を組み合わせたアルバム・ジャケット。同じタイトルでは解りづらいので、いつしか、ジャケットの色から『ブルー』『グリーン』『レッド』『ホワイト』と各アルバムが呼ばれるようになりました。そんなジャケットの色のみで区別された、作品タイトルがなく"WEEZER"というバンド名だけの４枚の各アルバム。彼らにとって、その時の作品に、アルバム・タイトルを付けるなら、今その時のウィーザーという名前のバンドが作り出したサウンドが、（イコール）＝ WEEZER というスタイルの表れなのかもしれないと、個人的な意見として思います。アルバムの配色の本当の意味は無いのかもしれませんが、色を意識しながら聴いてみたら、その色が感じとれる作品かもしれません。
自分から音楽を聴くとき、最初に目にするのは、いつだってジャケット・デザイン。これらのジャケットは、作品の顔であり、初めて聴くアルバムなら、その作品への興味や期待、想像がかき立てられる楽しい体験です。ジャケットを眺めながらその作品の音楽を聴いてみると、さらにその作品の魅力が楽しめる発見に出会えるかもしれませんよ。

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こんにちは。レコード店の尾本です。私の好きなアルバム・ジャケット（アート）がたくさんある中から、究極の超シンプルなジャケットで思い浮かぶ作品といえば、ビートルズの"ホワイト・アルバム"と呼ばれる作品『The Beatles』でしょう。デザインされてないようで、アートと感じてしまうほどデザインされてるような。また、その作品を聴けば聴くほど、さらに魅力的に感じてしまいます。今回は、洋楽ジャンルの中から、アルバム・ジャケットや作品タイトルが、色（カラー）で知られる作品を紹介します。題して『色々なカラー・ジャケット・アルバム（作品）』
『ホワイト・アルバム』THE BEATLES

"ホワイト・アルバム"と聞けば、洋楽、ロックを聴く方なら誰もが思い浮かぶアルバム、ビートルズの2枚組オリジナルアルバム『The Beatles』。1968年にビートルズ自身が設立したアップル・レコードから発売された最初のビートルズのアルバムです。このジャケットを手掛けたのは、ポップアートの先駆的存在とされるイギリスの画家、リチャード・ハミルトンです。白一色にタイトル「The Beatles」の文字が、エンボス加工され、通し番号が付けられたジャケット。そのジャケットのイメージから『ホワイト・アルバム』という俗称で呼ばれるようになりました。当時は、サイケデリック調で派手なデザインのジャケットが多かった中で、逆に新鮮で斬新なジャケットだったと思います。前作の『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』とは、とても対照的なジャケット。また、このシンプルなジャケットは、前作に引き続いて、難解になっていく自分たちの歌詞を少しでも聴き手に理解してもらおうという試みもあるそうです。作品内容は、2枚組30曲入りという多種多様な楽曲が収録されていて、現代音楽の全ての要素が詰まっていると評価されるほどです。しかしながら、メンバーのソロ作品の集合体と感じられる印象もあり、まとまりに欠けるという声もありますが、後期ビートルズ・サウンドの多彩さが楽しめるアルバムと思います。
『ブラック・アルバム』 PRINCE

ホワイトの次は、やはりブラックということで、表裏が真っ黒なジャケットの作品、プリンスの『ブラック・アルバム』。プリンスは、ジャンルを超えた音楽を創造しつづけた唯一無二のアーティストです。アーティスト名、曲のタイトルすらも明記されていない表裏が真っ黒なジャケットで、唯一、文字が表記されている箇所は、ジャケットの背表紙に商品の型番などの明記のみ（上写真の左右参照）。この作品は、1987年にリリースされる予定だった作品でしたが、発売の一週間前に突然差し止められた作品。当時のプリンスは、毎年のペースで、作風の違うクオリティの高い作品を出し続けていました。私自身もこの作品タイトルもない"ブラック・アルバム"と呼ばれる作品に期待がとても高まっていた時期で楽しみにしていたので、急な発売中止にガッカリした記憶があります。発売中止の理由は、プリンスの気まぐれという説が有力なようですが、いろいろな説のひとつに、多彩な作品で売れ続けるアルバムに、ファンの中には正統なブラック・ミュージックを忘れてしまったという声も皮肉なことに多くあり、そんな中でプリンスが作った作品は、原点回帰とも感じる、ストレートでファンキーなブラック・ミュージック。内容は、とても攻撃的・暴力的で、前作までの作品とは異質にも感じる作品で、ある意味、プリンス自身らしくない作品として後悔し、発売を中止させたという説があります。発売中止後、この作品は多くのブートレグ（海賊盤）が出回り、最も売れたブートレグとなりましたが、1994年に正式にリリースされました。でも、このプリンスらしくないと言われる作品は、とてもグルーヴがあり、プリンスしか作れないサウンドクオリティの高いブラック・ミュージックですので、楽しめる作品と思います。
『ブルー』『グリーン』『レッド』『ホワイト』WEEZER


アメリカのオルタナティヴ・ロックバンド、ウィーザー。ポップでパワーのあるサウンドで、また、どこか切ないメロディのある作風は「泣き虫ロック」と日本でも人気です。現在、彼らの10枚のアルバムの中には、バンド名『WEEZER』というタイトルのみの作品が4枚。4人のメンバー写真とカラー背景を組み合わせたアルバム・ジャケット。同じタイトルでは解りづらいので、いつしか、ジャケットの色から『ブルー』『グリーン』『レッド』『ホワイト』と各アルバムが呼ばれるようになりました。そんなジャケットの色のみで区別された、作品タイトルがなく"WEEZER"というバンド名だけの４枚の各アルバム。彼らにとって、その時の作品に、アルバム・タイトルを付けるなら、今その時のウィーザーという名前のバンドが作り出したサウンドが、（イコール）＝ WEEZER というスタイルの表れなのかもしれないと、個人的な意見として思います。アルバムの配色の本当の意味は無いのかもしれませんが、色を意識しながら聴いてみたら、その色が感じとれる作品かもしれません。
自分から音楽を聴くとき、最初に目にするのは、いつだってジャケット・デザイン。これらのジャケットは、作品の顔であり、初めて聴くアルバムなら、その作品への興味や期待、想像がかき立てられる楽しい体験です。ジャケットを眺めながらその作品の音楽を聴いてみると、さらにその作品の魅力が楽しめる発見に出会えるかもしれませんよ。

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