マスターサウンドハイファイ堂メールマガジン第775号ハイファイ堂レコード

マスターサウンド
ハイファイ堂メールマガジン第775号ハイファイ堂レコード

いつもお世話になっております。レコード店の皿屋です。今回のメルマガはマスターサウンドシリーズについて述べたいと思います。まず、マスターサウンドとは何かと申しますと、CBS/SONYが制作した高品質レコードで、選び抜かれた良質な音源をもとに、当時(80年代前半)の最先端の技術を駆使して制作されたレコードになります。音質云々にこだわりを持つコアなリスナーのニーズに応えるべくして生まれた規格と呼べるでしょう。以下にリリース・タイトルの一部を挙げます。・CANDY/松田聖子 30AH1601 ・シルエット/松田聖子　30AH1204 ・52ND STREET/BILLY JOEL　30AP1955 ・THRILLER/MICHAEL JACKSON　303P431 ・ESCAPE/JOURNEY　30AP2138 ・グレン・グールド/ハイドン：ピアノ・ソナタ　56AC1404/5 では、実際のところ通常盤と何が異なるのか。マスターサウンドの特徴をいくつか述べていきます。 1.デジタル・マスタリングアナログ・テープから直接デジタル方式でカッティング・マスター・テープを作製し、カッティング。 2.ソニー・ハイエクスプレッション・マスタリングソニー独自のカッティング・レースを使用。 3.ダイレクト・プレイティング・タイプ4・メッキ方式ラッカー盤に銀メッキ処理せず、直接メッキをするDP方式を採用。 4.スーパー・リアル・プレイティング従来のメッキ法の改良。 5.スパーブ・プロフィールグルーブガードのテーパーをなくし、盤面保護の限界まで、音溝部分の厚みを増量。 6.スペシャル・マテリアル高音質用に素材を改良。カッティング、プレス、メッキ、素材を改良し、従来のレコードよりクリアな音質を再現しているそうです。個人的には、アナログからデジタルへ変換しているのが気がかりになってきます。本来のアナログの良さを失った作りになっているのではないか。実際に通常盤と比較してみました。今回使用したのはこちらの2枚です。 EACH TIME/大滝詠一左：マスターサウンド 30AH1617 右：通常盤 28AH1555

全体を通してマスターサウンドの方が高域の抜けが良く、音に厚みがある印象を受けました。懸念していた、デジタル特有のキンキンと耳につくような音は感じられません。圧倒的な差があると言えば嘘になりますが、２枚並んでいたら、個人的にはマスターサウンドの方へ手を伸ばすと思います。
マスターサウンドシリーズ全てを一緒くたにとらえていたのですが、どうやら制作方法は1つだけではないようです。ハーフ・スピード・マスタリングに打ち出したレコードもありました。 ※ハーフ・スピード・マスタリング通常の２倍の時間をかけてカッティングを行い、その原盤を直輸入してプレス。ちなみにこちらはデジタル・マスタリングを行っていません。ハーフ・スピード・マスタリングも比較してみました。 SILK DEGREES/BOZ SCAGGS 左：マスターサウンド 30AP1878 右：通常盤 25AP3

今回、比較した中で一番違いが感じられました。EACH TIMEと同様に音の厚みに加えてエッジが効いています。高域の抜けではなく輪郭がはっきりした印象です。AORの音作りに相まって、よりタイトに聴こえてきますね。マスターサウンドシリーズのタイトル数は、優に50は超えると思われるので、今後もカッティングやプレスに注目して紹介していければと思います。

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いつもお世話になっております。レコード店の皿屋です。今回のメルマガはマスターサウンドシリーズについて述べたいと思います。まず、マスターサウンドとは何かと申しますと、CBS/SONYが制作した高品質レコードで、選び抜かれた良質な音源をもとに、当時(80年代前半)の最先端の技術を駆使して制作されたレコードになります。音質云々にこだわりを持つコアなリスナーのニーズに応えるべくして生まれた規格と呼べるでしょう。以下にリリース・タイトルの一部を挙げます。・CANDY/松田聖子 30AH1601 ・シルエット/松田聖子　30AH1204 ・52ND STREET/BILLY JOEL　30AP1955 ・THRILLER/MICHAEL JACKSON　303P431 ・ESCAPE/JOURNEY　30AP2138 ・グレン・グールド/ハイドン：ピアノ・ソナタ　56AC1404/5 では、実際のところ通常盤と何が異なるのか。マスターサウンドの特徴をいくつか述べていきます。 1.デジタル・マスタリングアナログ・テープから直接デジタル方式でカッティング・マスター・テープを作製し、カッティング。 2.ソニー・ハイエクスプレッション・マスタリングソニー独自のカッティング・レースを使用。 3.ダイレクト・プレイティング・タイプ4・メッキ方式ラッカー盤に銀メッキ処理せず、直接メッキをするDP方式を採用。 4.スーパー・リアル・プレイティング従来のメッキ法の改良。 5.スパーブ・プロフィールグルーブガードのテーパーをなくし、盤面保護の限界まで、音溝部分の厚みを増量。 6.スペシャル・マテリアル高音質用に素材を改良。カッティング、プレス、メッキ、素材を改良し、従来のレコードよりクリアな音質を再現しているそうです。個人的には、アナログからデジタルへ変換しているのが気がかりになってきます。本来のアナログの良さを失った作りになっているのではないか。実際に通常盤と比較してみました。今回使用したのはこちらの2枚です。 EACH TIME/大滝詠一左：マスターサウンド 30AH1617 右：通常盤 28AH1555

全体を通してマスターサウンドの方が高域の抜けが良く、音に厚みがある印象を受けました。懸念していた、デジタル特有のキンキンと耳につくような音は感じられません。圧倒的な差があると言えば嘘になりますが、２枚並んでいたら、個人的にはマスターサウンドの方へ手を伸ばすと思います。
マスターサウンドシリーズ全てを一緒くたにとらえていたのですが、どうやら制作方法は1つだけではないようです。ハーフ・スピード・マスタリングに打ち出したレコードもありました。 ※ハーフ・スピード・マスタリング通常の２倍の時間をかけてカッティングを行い、その原盤を直輸入してプレス。ちなみにこちらはデジタル・マスタリングを行っていません。ハーフ・スピード・マスタリングも比較してみました。 SILK DEGREES/BOZ SCAGGS 左：マスターサウンド 30AP1878 右：通常盤 25AP3

今回、比較した中で一番違いが感じられました。EACH TIMEと同様に音の厚みに加えてエッジが効いています。高域の抜けではなく輪郭がはっきりした印象です。AORの音作りに相まって、よりタイトに聴こえてきますね。マスターサウンドシリーズのタイトル数は、優に50は超えると思われるので、今後もカッティングやプレスに注目して紹介していければと思います。

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