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追悼アンディ・ギル、ギャング・オブ・フォー特集 |
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こんにちは、こんばんは レコード店の片山です。 好きな名盤や好きな曲があるように、みなさんにもきっと好きなアーティストやギタリストがいると思います。 私の大好きなギタリスト、アンディ・ギルが先月亡くなりました。 大好きなバンド、ギャング・オブ・フォー。そのギタリスト、アンディ・ギル。 いまでも貪るように色々な音楽を聴いていますが、10代のころに聴いていたジャンルに原点回帰する方も多いことでしょう。 自分にとってギャング・オブ・フォーも10代の頃に出会ったバンドで大好きなバンドのひとつです。 よく「マイ・ベスト10枚」とか「無人島に持っていく個人的名盤」とかを雑誌やSNSとかで見かけますが、ギャング・オブ・フォーの「エンターテイメント!(1979 年作)」というアルバムは自分にとってマイ・ベスト10に必ず入るほどの愛聴盤であり、初めて聴いたときは当時の自分の音楽センスを覆すほどの衝撃がありました。(好きすぎてオリジナル再結成での2005年フジロックも最前列で食い入るように見ました!最高にやばかったです。) いまでも無性に聴きたくなってたまに聴きますが、何度聞いても感服し、「かっこええな・・・」とか「しびれるな・・・」とか同じことを言ってる気がします。 そんな名盤をひとりでも多くの人に聴いていただきたいという衝動とアンディ・ギルの訃報のタイミングが重なったので是非紹介させてください。 |
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■ Gang Of Four / Entertainment! (1979年作) 1979年頃に「パンクでありながら様々なジャンルを取り込んだネクスト・パンクスタイル=ポスト・パンク」と称されるバンドたちのアルバムがリリースされ、本作も70年代ポストパンク名盤のひとつとされている傑作。 そのサウンドはパンク特有の荒さ攻撃力を持ちつつも、無駄な音を極限まで削り研ぎ澄まされた無機質でクールなミニマム・サウンド。 爆音や勢いで誤魔化すのではなく音作りをシンプルにしすぎたゆえに誤魔化しのきかないリアルなサウンドというか。 はりつめた異様な緊張感が漂っており他のアルバムとは何か違うなと思わせる、すこぶるクールでアーティスティックなセンスを感じます。 なんといってもカミソリの様に鋭利でゴキゴキバキバキに斬りこんできて電撃スパークする様な狂暴ギターカッティングのかっこよさたるや!まじで痺れます。 パンク特有の疾走8ビートの曲もあるのですが、軸となるのは16ビートを主体としたファンク・ビートが基盤となっているのも魅力。 至極シンプルなバンド・サウンドなので剃刀ギターカッティングが耳に入るのですが、ギターはメロディを弾くというよりはひたすらバキバキとカッティングを斬りこんでくるのみなので、ブツ切りのベースと様々な屈折ファンキー・リズムを叩くリズム隊がある意味メロディというかキャッチーなフレーズを鳴らすというアンサンブルのバランスなので、そこもかっこいいなと。 ここでは割愛しますが政治的な歌詞が多いのも特徴的で、精神としてスタイルとしてもパンクなところも本物です。 (気になる方は歌詞を解読してみてください) |
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是非ともこのアルバムを聴いていただきたいのですが、既に聴いている&自分も大好きだ、という方にお薦めのアルバムも数枚紹介します。 ポストパンクの中でもギターカッティングや鋭利なギタープレイが特徴的な作品をセレクトしました。 宜しければ是非聴いてみてください。 ご高覧いただき、ありがとうございました。合掌。 |
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ギャング・オブ・フォー好きにお薦め!鋭利なポストパンク・アルバム! |
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■ Josef K / The Only Fun in Town (1981年作) 「ギャング・オブ・フォーとジョイ・ディヴィジョンとネオアコがミックスされたようなポスト・パンク」といった印象で、自分の好きなサウンドが全て詰まった個人的にパーフェクトなポストパンク・バンド、ジョセフKの唯一作。 ダークでダウナーなボーカル、かきむしるように高速カッティングするジャングリー・ギター、ファンキーに跳ねながらもハイスピードに突っ走るビート。 ジョイ・ディヴィジョンのようなドス暗いミドル・ナンバーもありその対比もグッド。 とにかく超どストライクです(笑)。お薦め!! |
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■ Au Pairs / Playing With A Different Sex (1981年作) 「女性版ギャング・オブ・フォー」とも言われることもあるオウ・ペアーズのファースト。 剃刀カッティング・ギターとファンキーなリズム。セカンド・アルバムはパンク度が低くなるのですが、本作のファーストはパンキッシュなサウンドが強いのも魅力。 ボーカルが女性なだけで、サウンドはほんとギャング・オブ・フォーに似てます。 若干キャッチーさもあり勢いまかせの直球パンクな側面もあるので、The SlitsやX-Ray Spexなどのガールス・パンク好きにもお薦めです。 |
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■ Delta 5 / See The Whirl (1981年作) こちらもガールズ・ポストパンク・グループ、デルタ5。 バキバキのカッティング・ギターはもちろんなのですが、パンク度数も高めでスピード感のあるナンバーが多いのも特徴。 ツイン・ボーカルでハーモニーがあったりホーン・セクションがあったりでニューウェーヴ感もあり聴きやすさもあります。 よりアグレッシヴな音源が収録されたシングル&別テイク集「Singles & Sessions 1979-81」もお薦めです。 |
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■ Fire Engines / Hungry Beat (Best) 1980-1981 年の音源を集めたアンソロジー的ベスト。 つんのめる鋭利な単音ギターはリフ主体ながらソロを感情的に弾きまくる。 発狂するボーカルはザ・ポップ・グループのような振り切れ具合。 カウベルを連発しながらハイスピードな変拍子を叩き込むドラム。 その狂気のサウンドは、まるで白目をむきながらナイフを振り回しチンドン屋で踊っているかのようです。 ダブ・ファンクを抜いてパンク度を上げたザ・ポップ・グループといえばわかりやすいかも? |
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■ The Futureheads / The Futureheads (2004年作) 最後はアンディ・ギルがプロデュースしたバンドを紹介。 (ちなみにレッチリのファーストもアンディ・ギルがプロデュースしてます!) サウンドはまんまXTCのファースト「White Music」を現行にビルドアップしたような70年代ポストパンク・スタイルのひねくれパワーポップ・サウンド。 鋭利なギター、徹底された重厚なハーモニー、ハイスピードなパンク・ビートが特徴。 2000年代に流行ったガレージ・リバイバルに括られたバンドでしたが、あきらかに頭一個抜けていた感じがしてました。 アナログはそこそこ高いですがCDは破格で買えるので、見つけたら興味本位でもいいので聴いてほしいアルバムです。 |







