ハイファイ堂メールマガジン

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久々にROGERS/PM510が入荷しましたのでご紹介します。三浦公也
ROGERS/PM510でマーラーの交響曲を聴くことにしました。演奏はブーレーズ指揮のシカゴ交響楽団と1998年に録音したＣＤです。シカゴ交響楽団での録音ではジュリーニ、ショルティとのこれが同じオーケストラかと思えるほど音楽的な表現に違いがありますがブーレーズとのコンビではより知的に分析的という表現がぴったりなものになっています。ここまで精密にスコアの細部を聴かせる演奏は他にないのではないかと思えるほど知的な佇まいでありジューリーニ盤のような大らかで人間味のある演奏が懐かしくなるぐらいの斬新な表現でした。これからも新たな音源がリリースされるたびにこのブーレーズ盤が基準となっていくように思えます。本来ならジューリーニ盤をPM510でゆったりと聴きたいところですがブーレーズ盤では緊張感の漂う整然とした音楽の流れを聴かせてくれました。生々しいオーケストラの響きも聴き所で楽しく最後まで楽しませてくれました。
	ROGERS/PM510 イギリスの放送局ＢＢＣによるモニタースピーカーＬＳ5/8の民生機と呼べるのがPM510です。ＬＳ5/8が専用のデバイディングネットワークとパワーアンプを搭載した本格的モニタースピーカーであったのに対しPM510はネットワークを搭載し使い勝手の良い仕様になっています。さすがに大型のサイズらしく余裕のあるスケール感豊かなサウンドを聴かせてくれます。
このスピーカーで聴くオーケストラ音楽は何とも言えぬ安心感がありますが声楽曲も親しみのこもった自然な味わいがあります。現代のスピーカーでの緻密な音作りも大変興味深いですが往年のＢＢＣの郷愁を誘うサウンドは1960年代のクラシック音楽を語る上で外せないものといっていいでしょう。
	MERIDIAN/MLP コンパクトでシンプルなプリアンプですが無理せず端正なサウンドを聴かせてくれます。イギリスの伝統的な落ち着いたトーンでしっとりと音楽を聴かせてくれます。未だ現役なのに驚きました。
MICHAELSON&AUSTIN/TVA-1 パラビッチーニ氏が回路設計した1980年代の名アンプです。ピンク・フロイドやポール・マッカートニーなどのミュージシャンからも信頼が厚く扱う者の心を離さないサウンドは現在でも変わりません。KT-88プッシュプルで70Ｗの出力がありながら艶やかで耳あたりの良いサウンドはこれからも充分聴いて行きたいものです。
	MARANTZ/CD-34 当時のフィリップスの技術が随所に生かされたすばらしいＣＤプレーヤーです。20年以上前のモデルなので現行モデルのような緻密なサウンドは聴けませんが音楽性の豊かさはいまだに聴く者の心を離しません。