ハイファイ堂メールマガジン

都内は桜満開のシーズンに入って、秋葉原店にほど近い上野公園は人また人で大賑わいです。皆様のお近くの春だよりは如何でしょうか。ハイファイ堂秋葉原店　廣川勝正です。さて、今回はB&Wの創立40周年記念500台限定モデル「Signature Diamond」について語りたいと思います。



	私、廣川の事をよくご存じの方はB&Wのスピーカーを取り上げるなんて、ポリシーを捨てたのか！と思われるのではないかと思います。なぜなら自称アンチB&W派でして、ノーチラスシリーズ以降のB&Wは個人的にはあまりお勧めしていなかったからです。
では、なぜ今回取り上げるのかと申しますと、このSignature Diamond、本来の実力を発揮させると、結構イケてる音が聴けるからです。ただし、それには意外と奥深い独特の使いこなしが必要となってきます。そこでこのスピーカーの持ち味や、それを活かすセッティングのコツ等、語っていきたいと思います。

まず、このスピーカーシステムに採用されている25mm径のダイヤモンドドームツイーターなくして今回の40周年記念モデルは語れないと思います。スペック等の詳細にはここではあえて触れず、私が感じる音の印象について述べさせてもらえば「とにかく自然」の一言に尽きると思います。一聴して鳴っているのか分からないほど自己主張が無いのですが、よくよく聴くと非常に最高域まで伸びている優秀なドライバーなのです。
	その高性能振動板が搭載されているハウジングには、記念モデルとして特別にイタリア製の大理石を採用。十分な強度を持ち、共振しづらいという有利な点が多いうえに、高級感のある外見にも貢献しています。贅沢すぎる感は否めませんが・・・。
ウーファーにはこのモデルのために新たに開発された180mmウォーブン・ケブラーコーンが採用されています。クロームメッキが施された真鍮製のイコライザー搭載で、こちらも高級感のあるユニットに仕上がっています。
	ここから、セッティングの注意点についてお話させて頂きます。まず、左の写真のそれぞれのユニット周りを見ていただくと分かる通り、音が反射するであろうバッフル面と呼べる部分がほとんどありません。まるでユニットが独立して単体で宙に浮いているような構成となっているのが分かると思います。
それゆえに、音が前だけではなく、スピーカーの側面や背面まで平気で回りこむことになります。特に低域はその傾向が顕著で、例えば右の写真のような感じでセットすると、ボワっとしたブーミーで聴いていて具合が悪くなるほどのモヤモヤの低域になってしまいます。
じゃあ、壁から離して、周りに物を置かない様にすれば良いのか？はい！その通りです。ただし、このスピーカーの場合、他のスピーカーと違うところは「スピーカーサイズを超えた、想像を絶するスペースが必要」ということです！試しにお店で実際に鳴らしてみて、最初はその点を理解せずに「やたらと低域がかぶる音のするスピーカー」と認識していました。が、「ちょっと待てよ。仮にも定価260万もするスピーカーがこんな音でいいわけがない！」と思い色々設置環境を変えてみました。秋葉原店店内でのことですので、部屋が変われば条件も変わるとは思いますが、本来の実力と良好なバランスを得る為には、少なくともスピーカーから半径2mには物を置いてはいけないという結論に達したのです。欲を言えば、もっとスペースが欲しいと、このスピーカーが訴えているような気がします。

ちなみに、スピーカーの設置台に関しては、設置する床面との相性もあるので素材は限定しませんが、約3cm程の厚みのものがあれば良いと思います。しかし、高さに関して一番重要なのが「リスニングポイント」という事を忘れてはいけません。試聴する耳の高さにツイーターの位置を合わせる事を重視して下さい。上記のことを踏まえた上で、ボードなりインシュレーターなりをお選びいただいて良いと思います。余談ですが、最新の800シリーズも、今までのものより低域に苦労するのではないかと思える形状になっていますね・・・。最後に、私がB&Wで気に入らないところは、ケブラーコーンを中域専用として採用している3ウェイ以上の800シリーズです。ケブラーコーンの中域が好きではないのです。ですが、2ウェイのウーファーとして採用されている場合は殆ど不満点が感じられません。そういう事から、今回「Signature Diamond」の事を語らせて頂いた次第です。欲を言えば、定価がもう少し安ければと思いますが。このミニマリスト・ホワイトのカラーも個人的には好きです。こちらのモデルは現在958,000円(4月2日時点、心斎橋店開店特価！会員値引き対象外となります)にて秋葉原店で販売してます。中古品ですので一点ものです。気になる方はぜひお問い合わせ下さい。では、また次回。

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