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ハイファイ堂メールマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。 秋葉原店の北村です。 |
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今回のメルマガは、スピーカーの… |
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…背面にある「スピーカー端子」に注目してみようと思います。 |
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★同じようでもちょっと違う、スピーカー端子いろいろ スピーカー端子は基本的にスピーカーの背面にあるため、はじめに一度結線したら後はなかなか改めて見る機会は少ないのではないでしょうか。 スピーカー端子と一口に言っても色々な形の物があります。中には用途によって最適な構造になっている物もありなかなか興味深いものです。せっかくなので今回はできるだけたくさんの種類を紹介したいと思います。 また、調べてみたところ各種類の名称はそれぞれに複数の呼び方があるようなので、混乱を避けるため一部の物は「構造+タイプ」と表記しました。 それでは早速いってみましょう。 |
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●バネタイプ1 いわゆるプッシュ式と呼ばれる物で、エントリークラスではお馴染みのタイプ。 端子内部にあるバネの反発力で抑えこむ構造で、ネジタイプのように緩む心配がありません。 パーツ売りでは他タイプに比べ安価で入手できるので、自作初心者にも好適。 反面、他のタイプに比べると構造上壊れやすい欠点もあるかと思います。 |
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基本的に裸線専用であり、Yラグやバナナプラグには対応していないのでそれらで端末処理されたケーブルは使えないのが残念。 また、太めのケーブルも使用できない場合が多いので注意が必要です。という訳で接続パターンが限られる為、対応力は低いと言えるでしょう。 |
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同形状で、バネが入っている物の他に、こんな物もあります。 隣の写真は分解した内部の様子。薄い金属板が曲げられており、矢印部分の反発力でケーブルを押さえます。使い勝手は全く同じです。 |
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●バネタイプ2 こちらもバネの反発力を利用した構造の端子です。JBLのビンテージでよく見られるのがこのタイプ。 強力な保持力でケーブルをしっかりとホールドしてくれるので信頼性がありますが、やはりこちらもYラグやバナナプラグには非対応。 ビンテージ用プラグがあるにはありますが、現代のケーブル事情からすると若干の不便さを感じますね。メンテナンスを機にネジタイプに交換を希望される方がいらっしゃる事からも、そう思います。 |
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バネは経年で動きが硬くなる事があります。その反発の強力さ故、ケーブルを抜くときにしっかり押し込まないと撚り線の一本がちぎれて残る事も…。 隣の写真のようにちょっと物哀しい感じになってしまいますが、わりとよく見る光景。 |
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●ネジタイプ1(受け側に対してカバー部分で締め付ける) これは受け側にスピーカーケーブルを通す穴やガイドの縁が無い簡素な形状。 あまり見かけませんが、ちょっと古めのエントリーモデルでたまに遭遇します。 ネジになっているカバーを締め込んでいくとケーブルが巻き込まれてズレてしまう事が多く、裸線ではちょっと接続しづらいかもしれません。Yラグでの使用が適切でしょう。 |
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ツマミが無く、ドライバーで直接締め付けるタイプもあります。 端子としては最も単純な構造であり、その分だけ頑丈であると言えるかもしれません。 |
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●ネジタイプ2(ツマミ側内部の軸が押さえるタイプ) 見た目は他のネジタイプに似ていますが、内部の構造が若干違います。 写真ではちょっと分かりにくいですが(撮りづらい形状なので申し訳ないです)、回して締めていくツマミ(プラスチック)部分の内部にある「締付ネジ」先端と、本体の受け側で挟み込むネジタイプです。 80〜90年代の国産エントリークラスでよく見ます。 |
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このタイプは強く締めすぎると軸部分が細いので折れてしまう事もあります(私も昔に何度かやってしまいました)。 取扱説明書に「つまみは前後しません」とわざわざ書いてあるのも、勘違いしてグイグイ回して壊してしまう人がいるからなのかもしれませんね…。 また、軸のサイズにもよりますが、Yラグが上手く固定されない形状の物もあるので、あらかじめ確認しておいたほうが無難です。 |
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●ネジタイプ3(ネジ自体が押さえるタイプ/バナナプラグ対応) ねじ込んでいくツマミ自体がネジ本体となり押さえこむ構造で、頑丈さはピカイチ。ケーブルをしっかりと固定してくれます。 次に紹介するネジタイプ4との違いは、受け側に対して被さるようにカバーするのではなく内側にもぐっていく点。 |
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外見は違って見えますが、これも同じ構造にカバー状のツマミがついた物だと思います。 |
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●ネジタイプ4(カバー部分で締め付ける/バナナプラグ対応) 受け側から伸びる軸部分にケーブルを通す穴があり、締め込んでいくカバー部分で被さるように押さえつけます。他のタイプより接触面積が大きいのも特長です。 いちばん多く見かけるのはこのタイプですね。エントリーからミドルクラス、高級機まで、多くのスピーカーで採用されています。確かに使いやすさではトップクラスで、それも納得です。 |
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構造は同じでもデザインは様々で、メーカーのセンスが垣間見える部分だなと思います。 特に海外製高級機は本体のデザインとマッチさせたユニークな形の物もあり、個人的には注目ポイントのひとつです。 (写真はFOCAL/CHORUS 826W) |
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ここからは一般的なスピーカー端子以外の種類を見てみましょう。 ●スピコンタイプ イベント会場などで使われるPA用スピーカーに多く見られるのが、このスピコンコネクター。 ロック機構があり、軽くひっぱるくらいではビクともしないのが特長。現場でケーブルが抜け落ちないように設計されている訳ですね。また、構造上、+と−がうっかり触れてショートする危険がないのも利点です。 スピコンコネクターで端末処理された専用ケーブルが必要であり、接続に汎用性が求められる家庭用スピーカーでの採用例は無いでしょう。 電気屋さんやオーディオショップには売っておらず、楽器屋さんでたまに見かける時があります。 |
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●フォーンジャックタイプ 主に業務用・PA用スピーカーで見られるフォーンジャック。 頻繁にケーブルを抜き差しする場面での使用が想定された端子です。 こちらもやはり業務用がメインであり、ハイファイ堂に入荷するスピーカーではあまりお目にかからないタイプです。 |
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●RCAタイプ(アクティブスピーカー) アンプ内蔵型スピーカーにはRCA(またはXLR)入力端子が装備されています。プリアンプなどから直接ライン入力が可能です。 スピーカー端子が併設されている例も多く、その場合、通常のパッシブスピーカーと同じやり方でも接続できます。 サブウーファーの入力端子は主にこのタイプですね。切替スイッチが無い限りふたつの入力は並列接続であり、同時に接続する場合は十分な注意が必要です。 |
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●専用端子 2S-305やR205などDIATONEのモニターシリーズでは、珍しい専用端子が見られます。 接続には専用ケーブルが必要となりますが、取扱説明書にはご丁寧に自作でのケーブル作成手順が載っています。 |
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●ケーブル直出し 端子の代わりに、スピーカー内部からケーブルが直出しされている物もあります。ビンテージスピーカーでたまに見かけます。 ケーブルの長さが決まっているので設置場所には留意せざるを得ませんが、腕に自身のある方なら、分解して自分好みのケーブルに差し替えてみるのもおもしろいかもしれませんね。 |
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●ネットワーク一体型 写真は我が家のElectro-Voice製シアタースピーカーの端子。 配線が複雑交差して初心者お断り状態ですが、これは入力端子だけでなく、家庭用スピーカーでは内部に隠れている「ネットワーク」部分の配線が露出しているため。 何と言ってもシアター用であるので、例えば高域用ドライバーが突然故障した場合、ネットワークを回避して応急的に低域ユニットをフル帯域で鳴らす…。こうしたトラブルに即座に対応できるようネットワーク部分が外に出ている訳なのです。この“プロ仕様”感が堪りませんね。接続端子ひとつにもロマンを感じます。 |
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★ジャンパーの役割 2WAYスピーカーではバイワイヤー接続に対応するため、高域用、低域用と接続端子が2組ある場合があります。 ケーブルを2本用意してそれぞれに接続してもいいですし、「ジャンパー」と呼ばれる金属プレートやケーブルで2系統をつなげば、通常通りのシングル接続で駆動できます。 |
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端子周りの形状に合せてジャンパープレートの形が違うのも見どころのひとつ。ただの平面プレートもあれば、こんなおもしろい形の物もあります。 ジャンパープレートよりも、質の良いケーブルを短尺でジャンパーケーブルとして使った方が音質的に有利な事が多いので、いろいろ試してみるとおもしろいかと思います。 |
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★接続端子のその先は… ちなみにスピーカー端子の内部からはさらに配線が伸びており、ネットワークを経て(フルレンジ一発の場合はそのまま)スピーカーユニットへ接続されています。 |
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もちろんユニット自体にも接続端子があり、形状もバネ、ネジ、ハンダづけ、ファストン・・・などなど様々なタイプがあります。 隣の写真はとあるスピーカーでミッドレンジユニットに接続されていたファストン端子の様子です。 ちっちゃくてかわいい。 |
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★その他 珍しい端子をご紹介! こちらはSonus Faber/Cremonaの接続端子。 一目見てSonus Faberと分かる、独特のデザインが素敵な逸品です。特殊な形状ながら、バナナプラグにもしっかり対応しているのがポイント高し。 |
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バイワイヤーなんて甘い甘い。LINNのハイエンドスピーカーAkurate 242の5WAY接続端子は圧巻です。 全部に接続して駆動するメリットがあるのかどうかは置いといて、長〜いジャンパープレートが個人的にツボ。 |
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こちらはAVALONのEclipse Classic。 背面を見てもスピーカー端子がありません。 |
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スピーカー端子は何と底面に隠されています。えらく接続しづらいですが、高級機であり、見栄えというかデザイン性を優先したのかもしれません。 確かに一度接続してしまえばなかなか触る機会もないですが、端子フェチとしては非常に残念な仕様。 |
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★フィギュアでは… こちらは先日秋葉原の街で見かけ、思わず買ってしまったガチャポン景品のフィギュア。その名も… 『光る!最高級!フルコンポーネントステレオ』 おもちゃなので音は出ませんが、手のひらサイズでオーディオセットのビジュアルが再現できます。アンプはLEDでパネルが光るスグレモノ。 モデルはスピーカーがJBL/4312、アンプ系はYAMAHAでしょうか。 |
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こちらは背面写真。スピーカー端子までは再現されていませんでした。 ・・・残念! |
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さて、色々な端子があるのは分かりましたが、接続方法によって音質に差が出るのかはオーディオ好きなら気になるところだと思います。 最後にまとめとして、3種類+αの接続方法で比較試聴してみました。使用スピーカーはJBL/4312M2です。端子は先ほど紹介した中ではネジタイプ4に該当します。 |
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●裸線接続 基本中の基本。ケーブル先端の被膜を剥いて、そのままスピーカー端子へと接続します。 楽器の描き分けがはっきりしている、クリアな音調。レンジ感も十分。いつもはこの裸線接続のセッティングで聴いているので、聴き慣れた音質でもあります。 この音を基本として比較してみましょう。 |
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●バナナプラグ接続 一聴して、音のフォーカス感が後退した印象がありました。明らかに音質は悪くなっています。そして気のせいか若干低域寄りのバランスに変化したように感じます。ここまで違いが出てしまうという事は、今回の組み合わせはかなり相性が悪かったようです。 ちなみに使用するスピーカー端子とバナナプラグとのサイズが適正でない場合、グラつきや、逆に根元まで刺さらない事もあります。プラグ部分が太すぎて全く刺せない、という事態も経験した事があります。 |
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●Yラグ接続 先ほどのバナナプラグと同等グレード品です。 ここでトラブル発生。用意したYラグのサイズが4312M2のスピーカー端子と合いません。 もともと別の用途で使っていたYラグだったので仕方ないのですが、これからYラグを導入する予定の方は適合するサイズをしっかり調べておく事を推奨します。 |
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Yラグのメリットがイマイチ活かせませんが、ケーブルを通す穴にY字の片方を挿しこむかたちで試聴。 音質は先ほどのバナナプラグと同等で、これといって特筆する違いは感じませんでした。サイズの適合する物だとまた違った結果になるのかも。 本来Yラグは端子部分とプラグとの接触面積が大きいので接続も安定しているし、使用機材やシチュエーションによっては、それが有利に働く場合もあるかもしれません。 |
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●バナナプラグ接続 〜リベンジ編〜 +αとして、ZONOTONE製の高純度ロジウムメッキ高級バナナプラグで試聴。 先ほど使用したプラグの十数倍の価格の高級品。さすがというか、価格を考えれば当然というか、裸線接続と全く遜色ないクリアな音質です。 接点が増えればそれだけ情報ロスも増えるので条件としては不利になりますが、本当に優れたプラグやケーブルとはそういった接点でのロスを最小限に抑えてくれる物です。その点でこのZONOTONEのプラグは優秀という事でしょう。 ただ、このプラグを装着したから裸線接続より音質が良くなったかと問われると、そうは思いませんでした。 |
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●まとめ 比較試聴の結果、接続方法による違いというよりかは、接点が増える事による情報の劣化がいかに音質に影響を与えているかが分かる結果となりました。 スピーカー接続の大きな手助けとなるプラグ類ですが、音質にもこだわりたいなら、端末処理は接続端子に適合する種類やサイズだけでなく、プラグ品位の選定も含めて慎重に行ったほうが賢明と言えるでしょう。そのためにもいま一度、改めてスピーカー端子をじっくりと眺めていただきたいと思います。 また、端子周りはクリーニングやケーブルの剥き直しで音質がクリアになる効果が期待できます。年に一度くらいはスピーカーの背面を覗いて、様子を見てあげると良いかもしれませんね。 |
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それでは、今回はこの辺で失礼致します。みなさまのご来店を心よりお待ちしております。 ハイファイ堂秋葉原店 北村 ●ハイファイ堂秋葉原店:〒101-0021 東京都千代田区外神田5-3-12清和ビル1階 TEL (03)5818-4751 |
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