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ハイファイ堂メールマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。 大丸東京店の北村です。 9月後半にさしかかった頃、家の郵便受けに見慣れない物が入っていました。どぎつい黄色に黒のラインが入ったその小箱には「東京防災」と書かれていました。 中には、東京都が作成したという、大地震など災害時にガイドとなる防災ハンドブックが入っていました。軽くページをめくってみると、災害時の身の守り方や避難の仕方などがイラスト付きで解説されていて、とても分かりやすく防災の心得が身につく内容になっていました。 |
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こちらが防災ハンドブック 「東京防災」。 これが郵便受けに入っているというのは、なかなかインパクトがあります。 |
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300ページを超える分厚さですので完全読破はまだなのですが、これが届いた事が、防災意識を改めて考えるきっかけとなる事が重要です。 という訳で今回のメルマガでは、自然災害の中でも「地震」に焦点をあわせてオーディオルームで取るべき防災対策のお話をしてみようと思います。 とは言っても使っている部屋やスピーカーの形状はひとそれぞれ。これ程ケース・バイ・ケースとなってしまう話もないと思いますので、今回は私のオーディオルームを例にとって“実地検証”してみたいと思います。ひとつの事例として、参考にして頂けたらと思います。 |
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まずは部屋を見回してみましょう。地震が来たら危ないなと思う部分はありますか? 私の部屋では地震の時一番心配なのは部屋に設置されたスピーカー達。オーディオ機器の中でも比較的倒れやすい形状をしているのがスピーカーではないでしょうか。 私の部屋ではサラウンド用スピーカーが高い位置に設置してあるので要注意。落下防止対策は必須です。 |
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上の写真を御覧下さい。これがサラウンド用に使っているスピーカーなのですが、周りに金具が取り付けられているのがお分かりいただけると思います。 この金具がストッパーとなり、もしスピーカーがずれたり倒れそうになっても設置場所からは落下しないようになっています。 配線をちょっといじりたいだけの時にも金具や棚板の高さを調整しないとスピーカーが取り出せないのでとても面倒くさいですが、安全にはかえられません。 |
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さて、メインスピーカーはどうでしょうか。 我が家ではそこそこ大きいサイズの2WAYスピーカーを使っています。高域はホーンタイプ。重量のあるドライバーが後方に位置しています。という訳で重心が後ろの方にあり、奥行きもある大きさなので前に倒れる事はそうないとは思いますが、地震を甘く見てはいけません。もちろん転倒防止策はしっかりと実施しております。 外付けタイプのホーンにはエンクロージャーに固定するための取り付け用ネジ穴があいているモデルがありますが、ウチの子もそのネジ穴がある形状をしています。このネジ穴を、ある物を使って転倒防止策に利用。 |
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上の写真をよ〜く見てください。ホーンのネジ穴から、白い線が2本走っているのが見えるでしょうか? 実はこの線が、転倒防止に使っている“ある物”なのです…。 |
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ある物とは・・・「釣り糸」です! |
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私の部屋ではスピーカーのホーン部分に「釣り糸」を巻きつけて後方の壁と固定。視聴位置である自分のいる側へは倒れてこないようにしています。 釣り糸は思いっ切り引っ張っても簡単には切れないほど丈夫にできています。たとえスピーカーの近くにいる時に大きな揺れが来てもこれで、身を守る一瞬くらいの猶予は確保できるかもしれません。 以前使っていたスピーカーはもうひと回り背が高く、大きいモデルでした。 その時は利用できそうなネジ穴などは無く、スピーカーを直接固定できるようなアイデアはありませんでした。使用時以外はスピーカーの前面に紐をはって転倒防止策としていました。けっこう重量があるスピーカーだったので簡単には倒れないだろうとその当時は思っていましたが、もう一手くらいは対策をとっておいた方がよかったであろうと反省しています。 スピーカーは形状によって対策方法が大きく違うと思うので、スタンドに載せている場合や、トールボーイタイプのスピーカーなど、よく確認しておきたいところです。 |
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お次はオーディオラック。 ラックは扉を取っ払った押し入れの中に設置しています。 ラックの総重量はかなりのもので、これが押入れからすっ飛んできたら首の骨をへし折られること必至。そうならないよう、押し入れの入り口(写真左側)よりもラックの支柱の高さを高くしています。ラックを解体しないと押し入れから出すことは不可能。これで安全。 |
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念には念を入れます。 ラックに収めたそれぞれの機器が落ちないように、前上部にクリップを利用したストッパーを設置。 これでラックからの脱落を防止します。 |
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ソフト棚も忘れてはなりません。ディスクも1枚だと気にもならない程度の重さですが、積もり積もって大量になるとかなりの重量になります。 もし地震で棚が倒れたりしたら大変です。特に背の高い棚を使用している場合は被害も大きくなるので地震対策は必須。 ホームセンターで売っている地震対策グッズは、滑り止めや転倒防止安定板、突っ張り棒など種類が豊富で選びやすいので、未対策の方は一度見に行ってみると良いですよ。 |
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我が家ではソフト棚は金具で壁にガッチリ固定しています。 手で揺らそうとしてもビクともしません。これなら安心!安全! |
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ついでにこちらもご紹介。 自作の棚カバーです。 写真は棚の下段に装着したところ。 |
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このカバーが棚からソフトが落下するのを防ぎます。それだけでなく棚前面をカバーするので埃が入らず汚れにくいし、直射日光を防ぎソフトを日焼けから守ります。 作り方はとても簡単。棚の大きさに合わせたダンボールに、マジックテープを貼り付けるだけ。 見た目がダンボールというのも味気ないので、落ち着いた色のフェルトを貼って雰囲気を出しています。今は紺色のフェルトですが、気分に合わせて貼り替えてみるのもおもしろいかも。100円均一で揃うものばかりで作れるのでお財布にも優しい。 |
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オーディオの地震対策を真剣に考え始めたのはだいぶ前の事でして、オーディオのセットも色々と変わりましたが、何かしらの形で地震対策は必ず実施してきました。 こうやって地震対策をしている最大の理由は、実は私のオーディオルームは寝場所も兼ねているからなのです。いくらオーディオ好きだからと云っても、スピーカーに寝こみを襲われて押し潰されるなんていうのは御免ですからね。 世の中にはオーディオ専用の防災アイテムなる物もあるので、この機会にひとつご紹介しておきましょう。 |
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KRYNAからキャビネットインシュレーター「Hug」というインシュレーターが発売されています。 (写真上が製品、隣は使用例のイメージ図) |
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シリコンゴムベルトとインシュレーターでスピーカーとスタンドを固定。 見た目の主張が強いので初めて見た時は何だコレと思いましたが、実にシンプルな構造でスピーカー落下への安全対策が練られているなと感心しました。 スタンドに載せたスピーカーが揺れで落下するのを防止するとともに、不要な振動を抑制し音質の改善効果もあるというのだから恐れいります。音質にも気を配った防災オーディオグッズなんてなかなか聞かないですから貴重な存在と言えます。 インターネットで耐震効果の実験動画が公開されていますので、スタンドをお使いで日頃スピーカーの落下を心配されている方はチェックしてみてはいかがでしょうか。 |
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東日本大震災の時は私の住んでいる地域でも震度4の揺れがありました。その時は仕事で外出していたのですが、家に帰ってビックリ。サラウンドスピーカーがスタンドから落下するギリギリ一歩手前のところで踏ん張っていました。地震対策をしていなければ、間違いなく落下していたでしょうね。 そう言えば新潟県中越地震の時も忘れられません。その日はちょうど新しいサラウンドスピーカーを導入した日でした。当時使っていた1本30キロほどのフロントスピーカーと同じモデルを選んだので、スピーカー達の総重量は結構なもの…。揺れが来た瞬間は設置作業の真っ最中。地震とは思わず「やばい!重さで床が抜けたか!!」と本気で怯えてしまったのをよく覚えています。 |
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勿論、転倒・落下の危険があるのはオーディオ機器だけではありません。 私の部屋にも危険箇所がまだある…。 この間の地震の時、オーディオを差し置いて家宝(?)のゴジラヘッドを真っ先に守ったのは内緒だ。 |
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関東では9月に最大震度5の大きな地震がありました。いつまた大きな地震が来るかも分かりません。自分の身は勿論、家族や大切なオーディオ達を守るためにも、大きな地震に遭遇した時に、どうすれば安全が確保できるかは今のうちに確認しておく必要があるでしょう。 件の「東京防災」の配布は東京都民へのみとなるそうですが、東京都防災ホームページから電子書籍版が閲覧できますので、みなさま一度は目を通しておいて頂きたいと思います。みなさまが安全で楽しいオーディオライフを過ごせるよう願っております。それでは、今回はこの辺で失礼致します。 ハイファイ堂大丸東京店 北村 ハイファイ堂大丸東京店 〒100-6701 東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店10階 TEL 03-6256-0516(直通) 03-3212-8011(代表) |
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