レコマ君のジャズレコード独り言 第51回目「CONTEMPORARY」レーベルに関して。 2007年1月26日 レコマ君 レコマ君へのお問い合わせはこちらから http://recoma.hp.infoseek.co.jp/ |
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今回は「CONTEMPORARYに関して」3回目 「CONTEMPORARY」のジャケットについて述べるが、当時のジャケットの構造というか、作り方は、現在のものよりもかなり手の込んだ造りになっている。下地は厚紙で造られていて、上紙がその上に糊付けで貼られているのである。 |
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下紙の構造について、以前「BLUE NOTE」の項で「ガクブチ」ジャケットのことを述べた。「ガクブチ」とは裏側から「糊シロ」が折り曲げられてきたものが表面に見えるのをそのように表現したものである。 「CONTEMPORARY」の場合も形状は違うが、下部で裏側から「糊シロ」が回り込んできて構成されている。そこに表紙の上紙が糊付けされ、裏側に巻込まれて貼られている。次に裏側に全体より少し小さめの、曲目やプレイヤー等のデータ−の書かれたライナーの裏紙が貼り付けられている。このタイプは「巻タイプ」ジャケットといわれる。 |
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「CONTEMPORARY」 C-3537 の「巻きタイプ」のジャケット。上紙が表から裏に折り込まれている。 下部に下紙の「糊シロ」が横線になって見えている。 |
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裏側にライナーが貼り付けられている。 この分は「2色」の裏になっている。 |
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逆に上紙が裏側から折り込まれてきて「表紙」が僅かに小さめで貼られているのが「貼りタイプ」と呼ばれるジャケットだ。当然、下紙の構造も異なる。多くの場合「糊シロ」がなく、「合わせタイプ」という、裏と表を突合せで組み立てているものが多い。 また、ジャケットの背に「芯」が入っているように、硬くて厚みのあるものがある。これは背の部分が「ハゼ折」になった表と裏が張り合わされて、上紙がその上を、覆うように巻き込まれて糊ヅケで貼られている。「BLUE NOTE」の「丁目」のアルバムや、「PRESTIGE」の「7050」番過ぎからのジャケットがこのタイプである。 |
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「CONTEMPORARY」M-3583 「貼りジャケット」と称されるもの。 裏から回ってきた上紙に、表の上紙が貼り付けられている。 |
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概ね「CONTEMPORARY」の「C」で始まるものは「巻きタイプ」で「M」が頭に付くものは「貼りタイプ」のものに移行していく。ただ「C」が頭の番号のものにも2種類存在するのがあり、「貼りタイプ」は後期のものと理解してよい。 このことは、「VERVE」のオリジナルジャケットにもいえるものがある。「THIS IS ANITA/ANITA O'DAY VERVE 2000」も両方あって、「巻ジャケット」がオリジナル。その後「貼りジャケット」が出てくる。レコードNO.は同じだが「巻ジャケットでは、表のアニタの足元が黒く修正が掛けられていているのが顕著に見える。「貼りジャケット」になると多少改善されている感がある。 |
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「VERVE MG V 2000」アニタのオリジナルの「巻ジャケット」のもの。 |
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「BLUE NOTE」の「ガクブチ」ジャケット。 「CONTEMPORARY」 と形状は少し異なるが、下紙の「糊シロが」2辺裏から回ってきている。 |
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もう一つコーテイングの件だが、「BLUE NOTE」、「PRESTIGE」には上記の表紙にコーテイングが被されているものもあるが、「CONTEMPORARY」の場合はコーテイングのされているものはない。ただ、ツヤのある上紙が使用されているのが特徴的だ。 また、他のレーベルと大きく異なることに「裏側の色」がある。 通常他のレーベルでは「黒色」一色なのだが、「CONTEMPORARY」の場合、「2色」、「3色」の物があることだ。それも同じアルバムに複数種のものがあるのだ。根拠は定かでないのだが、確実に存在し、後期になるほど、単色になっていくことから考え、「3色」の物は最初期であると考えてよい。 |
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「CONTEMPORARY」の場合「C 3501」からの「C」が頭に付いているものに「多色」のものが存在する。「M」が頭になると「黒の単色」になる。同レーベルのジャケットはしっかりと丈夫に固めの厚い材質で製作されており、ディスクの品質と合わせ、さすが「西海岸のメーカー」と思わせる「文化に対する想い」を感じる。 「カラー」のことで最も知られていて、「3色」バックと、そうでないものと(2色など)で、価格的にも、ステイタスとしても大差のあるものに、1回目の時に掲載した「ART PEPPER/MEETS RHYTHM SECTION C 3532」がある。「C 3533」も「3色」が確認されている。他にも「2色」「3色」のものが確認されている。 「CONTEMPORARY」の場合、コーテイングされていない為に、表面が擦れているものが多い。特に表紙の「糊しろ」のところがよく擦れている。それでもオリジナルジャケットを手にすると存在感は大したものだと感じる。 |
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「ART PEPPER/MEETS THE RHYTHM SECTION C 3532」 のジャケット裏が3色のフアーストジャケット。 |
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「CONTEMPORARY」のアルバムは、価格的にも音楽的にも評価が低く推移してきたことに疑念を持っていた。しかし、近年になって、少しずつだが正しく評価をされるようになってきたと感じる。嬉しいことだが、同レーベルの再発国内盤も「BLUE NOTE」等に比較すると、価格面もセールス面でも大きな違いがあることにまだ疑念を感じる。国内盤も数社に版権が移り変わっていくが、いつも、セールス的には劣勢であった。だが今、ここに来てこの西海岸の素晴らしい「CONTEMPORARY」の数々の素晴らしいアルバムを聴いていただきたいと思う。 これはという「オリジナルのアルバム」をぜひ聴いてみてください。乾いた音と、西海岸の太陽のようなサウンドに「感動」をしてただけるものと考えます。 |
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♪今週の推奨盤♪ 「CONTEMPORARY」の代表的なアルバムには、ART PEPPER や ROLLINSのものがあるが、それらに優るとも劣らないアルバムが結構あります。 その中から数枚。 |
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「CONTEMPORARY」C-3525 「SHELLY MANNE & HIS FRIENDS」 これは「3色のバックジャケット」です。 |
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3色のジャケット裏側。 |
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このレコードNO.付近は3色のものや、2色のもの等ほとんどが多色のバックになっている。 |
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「CONTEMPORARY」C-3542 「LEROY WALKS !/ LEROY VINNEGAR」 ウオーキングベースと言われるベースのビネガーの代表作。 |
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「CONTEMPORARY」C-3552 「NEWYORK SCENE / BENNY GOLSONS」 過小評価されているゴルソンの好アルバム。 「アイ リメンバー クリフオード」を作曲したゴルソンのアレンジャーとしての才能を発揮したGOOD アルバム。 |
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次回も「CONTEMPORARY」隠れ名盤をご紹介します。メールはこちら。 mailto:mifumi@tb3.so-net.ne.jp レコマ君へのお問い合わせはこちらから http://recoma.hp.infoseek.co.jp/ |
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