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レコマ君のジャズレコード独り言 2013年05月24日　レコマ君　　今回は、「ピアノ・トリオ・アルバム考」(17）です。　今回も、「ピアノ・トリオ・アルバム」のレア・アルバムを紹介します。
今回の「女性・ピアニスト」のラストに紹介するのは、日本が誇る世界の「ピアニスト」で「ビッグ・バンド・リーダー」でもある「秋吉敏子」です。
1929年満州で生まれた穐吉敏子(秋吉敏子）は、終戦を迎えた16歳の時に大分県に引き揚げて来る。　満州で「ピアノ」を教えられていた穐吉敏子は、別府の「ダンス・ホール」でジャズピアニストのスタートを切る。
その後1948年に上京して米軍キャンプや、ホールを廻っていた穐吉敏子を見つけたのは、当時、1953年、来日していた「J.A.T.P.」の一員だった「オスカー・ピーターソン」でこの「J.A.T.P.」を率いていた「ノーマン・グランツ」への推奨で、レコーディングすることとなる。
「ラジオ東京」(当時）のスタジオで「10インチ盤」1枚分のレコーディングを行うことになる。　メンバーはハーブ・エリスのギターにレイ・ブラウンのベース、J.C.ハードに穐吉敏子のピアノのカルテットのセッションだ。
この1953年11月にレコーディングしたアルバムは、穐吉敏子が「アメリカ・ジャズ・シーン」への登龍門になった。　この「10インチ」盤は後に他の10インチ盤(LEON SASH・グループ）とカップリングで「12インチ」でリリースされる。
下記に紹介するアルバムは国内盤だが、この形で穐吉敏子のアルバムとしてはアメリカではリリースされていない、日本企画のアルバムだ。

このジャケットは「10インチ盤」のモノだが、「B 面」は1957年7月「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」の折の4 曲が収録されている。　「B 面」のメンバーは穐吉敏子のピアノにジーン・チェリコのベース、ジェイク・ハナのドラムのトリオ演奏。
その後、グランツの勧めで「バークリー音楽院」に単身渡米し入学する。　この折に「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」に出演した2 回目のレコーディングが上記の「B 面」になっている。
その後、1963年にチャーリー・マリアーノと結婚するが、'65年に離婚する。　この折に「マンディ満ちる」ちゃんをもうける。　又この間の1963年にリリースされたのが、下記の「推奨盤」のところで採り上げる「TOSHIKO MARIANO QUARTET」になります。
1953年にデビューして、演奏は評価されてくる穐吉敏子だが、やはり「有色人種差別」の根強いアメリカでは、黒人同様の差別が彼女を待っていた。　1956年、'57年に上記の3枚をリリースしているどれも素晴らしいレコーディングと評価を得ているが、1961年に帰国して「朝日ソノラマ」（ソノシート）にレコーディングした中に収録された1曲が、上記の「差別」を「バネ」して力強く歩む決意を曲にしたのが「ロング・イエロー・ロード」だ。　「穐吉敏子」の「真実」が何処にあったのかは、筆者などには到底計りかねるが、少なくとも「決意」を感じる作品だ。

「TOSIKO AKIYOSI RECITAL」秋吉敏子　p GENE CHERICO b EDDIE MARSHALL ds　　1961年資料は「朝日ソノラマ」の「ソノシート」を復刻したものだが、よく「秋吉敏子」の「思い」を復刻している。


「TOSIKO HER TRIO HER QUARTET」　　　Storyville　 TOSＨIＫO AKIYOSI p BOOTS MUSSULLI as OTHER 1956年　上記が「STORYVILLE」レーベルの2枚。

「THE MANY SIDES OF TOSIKO」 TOSHIKO　AKIYOSI p JOHN HANNA b B.CHERICO ds　1957年録音
その後、テナーサックス奏者のルー・タバキンと出会い、1969年結婚。1973年にロサンゼルスで秋吉敏子＝ルー・タバキンビッグバンドを結成し、1974年、ジャズと日本古来の和楽を融合した『孤軍』を発表し、高い評価を得る。　この後の活躍はファンのよく知られているところと考える。
♪「今週の推奨盤」♪

「TOSHIKO MARIANO QUARTET」　TAKT JAZZ-12 TOSHIKO MARIANO p CHARLIE MARIANO as ALBERT HEATH ds EUGINE CHERICO b 1963年録音　'63年帰国時に「テイチク」スタジオでレコーディングをした貴重なアルバム。
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