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御世話になっております、京都商品部の八木です。 いよいよ2016年も終わろうとしておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか? 僕はというと、年末という事もあってか毎休み、家のそこら中を掃除しまくっております。 今度の休みには近所のイルミネーションでも見に行こうかな? |
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さて今回のメルマガですが、毎度おなじみの今更シリーズです。 今回はTANNOYの名機「3LZ」! 正式には「3LZ in cabinet」というのが正しいスピーカーシステム名らしいですが、皆様にはきっと3LZで通じる思います。 搭載ユニットは初代がmonitorRED(3LZ)、2代目はmonitorGOLD(3LZmk2)、3代目はHPD295(日本では「3LZ in cabinet」でしたが英国では「CHEVENING」として販売されていたそうです)と3代にわたるモデルなわけですが、僕は3LZと言えば2代目がお気に入りです! なので今回はその2代目monitorGOLDの3LZ「3LZmk2」について、どういったモデルなのか? 当社の入荷履歴などからいろいろ調査してみました。 |
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まずは外観ですが、サランネットが貼られていて確認しづらいですが、このエンクロージャは密閉型です。(初代も密閉型ですが、3代目はバスレフ型になります) 何の変哲もないただの四角い箱なのに何故あんなにも美しい音がするのか不思議でなりません。 下写真はバッフルを外した状態です。 容積やエンクロージャの材、サランネットの材質、吸音材の量や質、などの兼ね合い・バランスが良いのでしょうか? TANNOYの「箱を鳴らす」というところは、この3LZで特によく感じとれるように思います。 他のエンクロージャに入った3LZや国産箱の同じ形状のエンクロージャもいろいろ聴いてきましたが、個人的にはやはりこのオリジナルエンクロージャの3LZが一番良かったように感じました。 |
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3LZmk2は1967年~1974年までの約7年間発売されていたので、やはりその間には小変更がいくつかあったようです。 外観上で分かりやすい部分では古いものはケーブル直出し、新しいものはプッシュ式ターミナルが備わっているものがあります。 ちなみに当社では、現代のケーブル事情に対応すべく、これらは新しいターミナルに交換させていただいております。 それ以外にも古いものはリアバッフルにシリアルの刻印があったりなかったり。(薄く押されたためか消えてしまっているものもあると思われます。もしくは押し忘れたのかな??) それからリアバッフルに貼ってある紙?の「LSU/HF/3LZG/8U」が手書きからハンコに変わっていたり。 これはシリアルの新旧に関係なくなるのでよくわからないですが「TANNOY」シールの古いデザインのものが貼られていたりします。(RED時代のTANNOY製品に見られるデザイン) |
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続いてはユニットについてですが、僕は角フレームが前期、丸フレームが後期だと思っていました。 が、よくよく調べてみると丸が2種類、角が4種類あるようです。 まず最初の角フレーム。 調べてみたところ、ユニットの形状・シリアルから追うとmonitorGOLDの中では一番古いモデルかと推測されます。 まずこの角フレームは、先代モデル(monitorRED)の後期型の角モデルと同じ様なデザインです。 フレームのフチに「TANNOY」「ENGLAND」の刻印も同じように入っていますね。 シリアルの刻印位置も同じ様なところにあります。 シリアルは当社入荷で629XX~798XXでした。 当社入荷のREDの3LZはシリアル~561XXだったので、この角モデルはRED後期モデルの続きにあたるモデルになるのでは?と思うところがあります。 あと、この時代はまだターミナルはなくケーブル直出しの設定のようです。 それと、この角モデル搭載のエンクロージャのリアバッフルに貼られている「TANNOY」シールは、横向きのものしか見られませんでした。(上の直出しモデルがそれにあたります) |
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それから、スイングジャーナルの1970年6月号と1970年10月号に下記のようなシュリロ貿易さん(当時の代理店)の広告が掲載されていたそうです。(画質が粗くてスイマセン) ここに掲載されているのはターミナルのない時代の角フレームの3LZです。 この広告から、この角フレームは70年前後の個体と推測できるかと思います。 |
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続いては丸いフレームになります。 僕はこちらのほうが古いモデルだと思っていたのですが、調べてみると、このモデルのシリアルは当社入荷で804XX~1007XXにあたり、先程の角モデルより後のシリアルになります。 またターミナル付きモデルが994XXから発生しておりました。 このモデル以降がターミナル付きという事も考えれば、先程の角モデルから994XXまでは直出ししかなかったので、次のモデルにあたると推測する事ができます。 またなぜかこのモデルからユニットの型番(LSU/HF/?.LZ/8)の後に「/U」というものが付くようになります。 いろいろ調査していますが未だによくわかりません。 あとこのモデルから「TANNOY」「ENGLAND」の刻印の位置が側面?に移動しました。 |
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その後、また角フレーム時代になります。 次の角フレームはややフチの薄い、また前面には六角ナットのようなものも見られるデザインになります。 フチの部分は前モデルの形状を引き継いでいるようにも感じます。 この時代になるとターミナルは標準装備になっており、なぜか型番の後についていた「U」の文字を消しているユニットが多く見られました。 当社入荷のシリアルで1054XX~1169XXでした。 |
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そして次の角モデルです。 この頃のモデルが一番スタンダードな印象です。 この頃からシリアルは側面に移動しました。 シリアルとしては当社入荷で1272XX~1419XXです。 前モデルで消されていた型番の最後の「U」もこのモデルからまた復活しています。 |
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そして最終の角モデルです。 前モデルはフレームのネジ部分に溝がありましたが、このモデルからはなくなりました。 また前モデルのフレームにあった「ENGLAND」の刻印がなくなりました。 このモデルの形状は以降のモデル「HPD295」と同形状でもあり、シリアルも1442XX~1461XXと当社入荷の中では最後尾にあたるため、最終モデルと推測しても良いのではないかと思います。 ちなみに下写真のユニットは4ピン端子の部分がギボシ加工されています。 オールドTANNOY特有の4ピン端子は劣化しているものが多いため、ダメなものはこういった対応をしております。 |
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最後に、不明なモデルがワンペアだけありました。 先程紹介した中にあった丸フレームと似ていますが別物です。 シリアルがわからなかったのでいつ頃のモデルなのか特定はできませんが、フレームの形状はmonitorREDの初期のラージフレームと似ているところから、もしやこれがmonitorGOLDのラージフレームなのでは!?と。 そしてその希少性からも実は最初期モデルにあたるのではないかと僕は推測しています。 |
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で、音質の違いはフレームによって違うのか?という疑問が僕の中に浮かんできましたが、取引させて頂いているユニットの修理業者さん達に伺ったところ、フレームどうこうよりも個体差の違いが大きいとの事でした。 つまるところ、15Wしかない許容入力に大きな入力を入れてユニットを傷めたり、使用・保管環境が悪くユニット内部の酸化などがあり、それが音質に大きく影響を与えているそうです。 もう新品の手に入らない中古の一点物なので大切にしたいですね。 |
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最後にネットワークです。 どういう事情なのか、色が少しずつ違うものがあります。 中身のコンデンサーなどのパーツは年代によって少しずつ違うとは思いますが、調べきれなかったのでその辺は今後調べてみたいと思っております。 |
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いかがだったでしょうか? まだまだ調べれば細かい事がありそうですが、とりあえず今回はこの辺でご容赦を。 また今までと違った観点で3LZに興味を持って頂ければ幸いです。 何か他にもおもしろい情報があったら是非教えて下さい。 それではまた! |
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