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いつもお世話になっております。 ハイファイ堂 京都商品部の滝本です。 さて、今回のメルマガでも直近の京都商品部のメンテナンス品(スピーカー)の中から 何か一つ、目を引くものをご紹介させてもらおうと色々ピックアップしていたのですが、 今回選んだその品に対し、少しばかり自身の気も高ぶっているように思います。 |
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TANNOY Westminster です。 物(事)の良し悪しを決めるのは決して金銭的価値だけではないと 普段は思っているのですが、このWestminsterを見ると、 「確かに良い物が高額であるのも、それなりに理由があっての事なのだな」と 納得もしてしまいます。 1982年発売当時の販売価格が¥950,000と決して安いものではないのですが、 その値に見劣りしないだけの丁寧な作り、デザインの品格、 そして勿論の事、鳴らし出す音の壮大さ、とフラッグシップモデルの名に恥じない仕上がりです。 今まで目にした事はあったこのスピーカー、 今回幸運にも初めて実際にメンテナンス作業に関われましたので、 あらためて、Westminster、ご紹介させていただきたいと思います。 皆様もうすでによくご存じの方も多いであろうと思いますので、 普段目にしづらい内部やパーツなどのニッチな辺りを……。 |
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そうは言ってもまず、基本的な仕様は 記載しておこうかと思います。 |
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同軸2ウェイの1スピーカー( 38cm型の3839W )、オールホーン方式のフロア型。 インピーダンス、8Ω(5,5Ω最小)。 音圧レベル、96dB。 周波数帯域 18〜20,000Hz。 許容入力が120W連続の、500Wピーク。 外形寸法、幅1,030×高さ1,300×奥行631mmで一本辺りの重量は115kgです。 |
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そんな大型のエンクロージャーの裏側を 開けるとこのような状態が見られます。 |
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上側に見えるのは2分割されたネットワークの低域セクション部。 その下、中央上寄りにのぞいているのがユニット3839Wの裏側です。 |
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ネットワーク、低域セクション。 大型のコイル、太い線材を採用し、 ユニット近くに設置することで 信号の損失を抑えるように 設計されているそうです。 |
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← 取り外した状態。 |
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ユニットを外すには、 ユニットを抑えているような形状の 裏蓋を取らねばならないのですが、 先に、取りまわされている配線を 二か所分はずす必要があります。 今回はついでですので先に配線は全て 外してしまいます。 |
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上記写真のような配線を外していくわけですが、 一見分かりづらいので線に色付けして簡単に説明させていただきますと、 赤線がエンクロージャー前面下部に位置するコントロールパネル部から 背面下部の穴を通ってターミナルのプラスマイナスへ。 緑線も同じくコントロールパネル部から穴を通って、こちらはユニットのコネクタへ。 オレンジ線はユニットのコネクタと上部に位置するネットワーク(低域セクション)をつなぎ、 そして黄色線はそのネットワーク(低域セクション部)からターミナルのプラスマイナスへとつながっております。 |
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リアバッフル、裏板に取り付けられている端子・ターミナル部分のプラスマイナスは この様な接続ですが、 |
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外しておきます。 写真の背面下部の穴から伸びている線は、前面のコントロールパネルの部分に繋がっています。 コントロールパネルは前面から取り外します。 |
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左上写真から順にこのように外れていって、 |
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↑ 木枠の板、真鍮プレート、フェルトの当て、ウォルナットのツマミのパーツに分かれます。 |
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ツマミの側面に穴が開いていて、そこから六角レンチを入れて内部のネジ部分を回して 抑えを緩めてツマミを抜く事が出来るようになるのですが、 プレートとツマミの位置などの関係上、意外と手間な作業です。 |
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真鍮のプレートには "FOR THOSE WHO WANT THE ULTIMATE MUSICAL EXPERIENCE" (究極の音楽体験を求める人たちへ) という言葉から始まるタンノイからのメッセージが刻まれています。 |
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以下全文 FOR THOSE WHO WANT THE ULTIMATE MUSICAL EXPERIENCE We believe that genuine musical passion cannot be achieved through a merely mechanical approach. The crystalization of music into an ultimately moving experience occurs through repeated auditioning by those who are sensitive to the soul of music and who understand the illimitable artistic content inherent in it. |
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右側にはユニット断面図も。 |
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こういった部分の作りこみもWestminsterの高級感を生み出している一因かもしれないのですが、 個人的に思うに、デザインの中に読む事の出来る『文章』を織り込んでしまうのは 洗練さを損ないかねない方法ではありますので、 ここに関してだけは一長一短といったところでしょうか。 |
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↑ コントロールパネル部の裏は右写真のような状態で この部分が2分割されたネットワークの内の高域セクションに割り当てられています。 |
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コンパネ部分を外すと内部をのぞき込めるので、 何とか、Westminsterを大きく特徴付けている 長さ3mにもなるバックローデッドホーンの構造の一端でも覗けたらと 他の場所からもあれこれ見てみるのですが… |
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なかなか入り組んでいて奥の構造の視認は難しいです。 |
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↑ そして、このユニット上下の二か所に位置する線を通す為の穴、 ここを通して線を除けばユニット裏蓋がはずせます。 |
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凝った作りの裏蓋はユニット背面に出た音を効果的に エンクロージャー下部へと導ける為の形状。 よりフラットなクロスオーバー(300Hz付近)を得る為の形状でもあるそうです。 |
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ユニットを固定しているナットを外す為には 緩衝材が意外と邪魔になるので作業時には一度取り外すのがよろしいかと。 |
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↑ ネットワークと合わせてWestminster用に新たに設計された3839W。 タンノイはと言えば、の同軸2ウェイのユニット。 こだわりを持って設計されたのは(写真では分かりづらいかもしれませんが、) ユニット裏蓋との密着性を高め密閉度を上げる為に 貼り付けられているウレタン材や、 コーン紙裏に取り付けられている補強リブなどの細かい部分からもうかがい知れます。 |
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イギリス国章やwestminster gateなどでもみられる ライオンとユニコーンをモチーフにしているエンブレムは、 正面から見てまっすぐに見えるようにするためには ユニットを45度程まわして取り付けることになります。 |
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サランはTANNOYでよくみる方式のものなのですが、 サイドの部分は枠の強度もさほど強くは無いので (経年劣化もありますし)、 一応形状的に脱着は可能なのですが、 何度も何度も繰り返し、というのには向いていないかと思います。 |
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サイドサランは、ダボにはめ込むだけですので構造は単純です。 ↓ |
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最後に音の感想なのですが、 さすがに『新世代のオートグラフ』を念頭に作られただけあって 音の安定感というか安心して聞ける感じは抜群です。 スケール感があるのに決してうるさすぎず、 見た目の印象も足されているのでしょうが 荘厳、といった言葉が自然と頭に浮かんで来ました。 普段は「このスピーカーにはどんな音楽があうのだろう」などと考えるのですが、 殊、Westminsterに至ってはどんな音楽でも余裕をもって鳴らしてくれるような感じがして、 それは言ってみれば歌唱力のあるアーティストが、他の歌手のどんな歌でも そのアーティスト風に上手に歌いこなしてしまう、そんな様子に似ているかもしれません。 |
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ハイファイ堂ホームページからWestminsterの現在の取扱い状況をご確認いただけます。 「・ジャンル」→「スピーカー(海外製品)」、「・キーワード」→「Westminster」と入力してください。 ↓ http://www.hifido.co.jp/ それでは、また。 |
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