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いつもお世話になっております。 ハイファイ堂 京都商品部の滝本です。 今回もまた商品部においてメンテナンスを行なったスピーカーについて ご紹介をさせて頂こうと思っているのですが、 今まで自身のメールマガジンで、意外にも取り上げた事のなかったメーカー、 ALTECのスピーカーを今回は選んでみました。 |
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ALTEC LANSING Model 9861 です。 The Voice of the Theatre(ザ・ボイス・オブ・ザ・シアター)と呼ばれた ALTECの劇場用大型スピーカーシステムのひとつであるA7、 このA7シリーズのうち、1978年ごろに発売されたのがA7-Xですが、 これをベースに改良し、家庭用にと落とし込んだのが この Model 9861 です。 発売は1985年ごろで、前回のメールマガジンでふれさせていただいた ALTEC 612 → JBL4310 → 4311 といったような プロ用を家庭用に持ち込む、といったビジネスモデルが ここでもしっかりと踏襲され、この年代にもなると そういったやり方はすっかり普通のものとなっていたようです。 A7-Xからの改良、仕様上はどんなものだったのでしょうか。 それぞれ見比べてみたいと思います。 |
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[Model 9861] (方式) 3ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型 (使用ユニット) 低域用:411-8A 中域用:902-8A 高域用:MR-902 (再生周波数帯域) 20Hz〜20000Hz (出力音圧レベル) 100dB (許容入力) 65W (クロスオーバー周波数) 1.2kHz、8kHz (外形寸法) 幅630x高さ1130x奥行470mm (重量) 63kg |
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続いて [A7-X] ↑ (方式) 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・フロア型 (使用ユニット) 低域用:416-8B 高域用:802-8G (再生周波数帯域) 45Hz〜20000Hz (出力音圧レベル) 103dB (許容入力) 65W (クロスオーバー周波数) 1.2kHz、8kHz (外形寸法) 幅762x高さ1378x奥行610mm (重量) 74.5kg |
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大きく違う所は2ウェイが3ウェイになっているところですが 数値的にはそれほど極端に変わっているわけではないようです。 あとは分かりやすく違うのは見た目で、A7-Xが写真のように 潔く武骨なグレーのエンクロージャーであるのに対し、 Model 9861 はウォールナットで、インテリアとして合わせやすいような物が 採用されています。 それではModel 9861の取り外し工程をお見せしつつ、 各部位を見ていきたいと思います。 |
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まずは前面全てをすっぽりと覆い隠すサランネット。 この見栄えはホームユースを念頭に置いた改良点と言えるでしょうか。 |
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モデル名の入ったプレートは木枠の凹みに合わせてセットされています。 UREIのサランなどでも同様のものが見られます。 |
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本体への脱着は丸状プラスティック部分へのはめ込み。 このパーツは強度があまりあるわけではなく、特に軸の部分はすぐに変形してしまいますので、注意が必要です。 |
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サランを外した状態。 上部左側からバスレフ部分、 高域ホーン、 アッテネーターパネル、 中段に行って中域のホーン、 そして下部に低域のウーハーが見られます。 |
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横から見るとサランの厚みが大きめなのが分かりますが、この厚みで中域のホーンの出っ張りを避けています。 |
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後ろ側、リアバッフル。 こちらから開けていきます。 ネジを外し蓋を取るように裏板をひっくり返してみると、 全体に吸音材が。 |
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リアバッフル、中央下くらいにあるターミナルは、 裏(内部)では右写真のような接続となっております。 ↑ |
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内部から見る全体。 |
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正面から見た中域部分までのアップ。 先ほどの正面全体写真よりも中域ホーンの出っ張り具合が分かりやすいと思います。 |
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同じく中域部分までの内部のアップ。 このまま上部のユニットから外していきます。 |
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高域に使用されているマンタレーホーン。 |
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内側からホーン、ドライバーと一体化しているような鉄の板部分の四隅のネジを外してやると、 |
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このような木枠から取り外せます。 |
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高域、全体の写真。 意外とホーン部分が小さいです。 このMANTARAY(マンタレー)ホーン、周波数が上がっていくと指向特性が ビーム状になっていくというツイーターの弱点を解消すべくデザインされており (当時)通常考えられるよりも広い範囲で高域を耳に捕らえられる、となっていたようです。 |
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要のユニットは新設計のMR-902ツイーター。 |
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ホーンの口辺りにはMANTARAYの文字が。 |
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次は中域のセクトラルホーン(811B)。 これは表側から6点ネジ止めがされていますので、 そこを外して前に引っ張り出してあげます。 内部(右写真)↑ |
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ホーンは特殊合金ダイキャストを使用することによって剛性を高め共振を抑える働きを高めています。 |
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中域のドライバー、902-8A。 |
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低域は再び内側からの4点留め。 外すとショートホーンを形作るために木材が色々と組み合わされている所が 見て取れます。 |
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低域、コーン型38?ウーハーの411-8A。 |
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裏側からも。 |
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少し入り込んだところにウーハーが顔をのぞかせ、その中心に向かってエンクロージャーの内壁面が集中していくショートホーンの様相。 こういった造りの積み重ねで低音の強化を図っています。 |
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次にネットワーク、操作パネル部。 HF、MFを可変できます。 固定は表からネジ止め。 |
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内側から。 サランに引き続き、この基盤差し込みな感じもUREIのものを思い起こさせます。 |
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ネットワーク。 外側、操作部パネルと、内部。 |
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次にバスレフポートですが、開口部をカバーするように網状の生地が張られています。 |
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拡大すれば、網目具合が少しは分かりやすいでしょうか? まあまあ荒目の網目です。 |
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構造としては、板状の木枠に生地を張り付けて、内部からポート穴の四隅に タッカーのようなもので打ちつけてあります。 この時のメンテナンスでは生地に特別な傷みなどもなかったので そのまま外さずに作業を続行しました。 |
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各パーツを外したエンクロージャー、正面。 |
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と、内側。 これでおおまかな取り外しは終了です。 |
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そしてエンクロージャー底面。 |
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袴部分の厚みがあまり無いので取りまわしの際の強度にも不安がありません。 |
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最後に音の感想ですが、 Model 9861の基本的に目指したところが、A7-Xをベースにした上での 全体のワイドレンジ化だったようなので、なるほど確かに しっかりと聴こえてくる低音や、柔らかみを感じさせる中音域、 ホーンの特性なのか勢いの良さを感じさせる高域、などが その目指したところをちゃんと捕まえている音が鳴っているように感じました。 ただ、これがそのままA7プラスのような音か、と聞かれると 決してそうではないのが面白い所で、 全体では、よく言われるALTECらしい低音などの力強さ、 中域などの艶とはまた違った印象を感じる音でした。 個人的には高域の突き抜け具合が、過度でもなく ちょうど心地よい元気さだったのが好印象だったので、 そういう意味では家でゆったりと聞きやすい音作りがされているモデルなのかなと思い、『家庭用』という点であらためて納得してしまいました。 |
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「A7のパワフルさを家でずっと聴くには少し疲れる」 「ALTECの雰囲気を感じつつもちょっとゆったりめに聴きたい」 などとおっしゃる方には丁度よい機種かもしれません。 決してやさしすぎるわけではない、快適なパワフルさで また一味違うALTECサウンドにひたれると思います。 大きさもA7より二回りほど小さいので所有しやすいですし。 それでも私の自宅にこれを置いたら寝る場所がなくなってしまいそうですが。 ピンポイントで商品を確認していただくなら こちらまで↓ ハイファイ堂トップページ http://www.hifido.co.jp/ 以下のように入力して検索してみてください。 <例> 「ジャンル : スピーカー(海外製品)」 「キーワード : MODEL 9861」 (もしくはトップページの右端のバナー「過去情報データベース」で検索してみてください) それでは、また。 |
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