オーディオ機器の地震対策ハイファイ堂メールマガジン第752号京都商品部

オーディオ機器の地震対策
ハイファイ堂メールマガジン第752号京都商品部

こんにちは、京都商品部の徳重です。今回は静電型スピーカーについてお話しする予定でしたが、急遽変更させて頂きます。何卒ご了承願います。
6月18日の午前8時前。私の自宅は震源地から南西に20km程離れているのですが、突然激しい揺れに見舞われました（自宅は集合住宅の8階です）。今まで震度4は2回経験しているのですが（1995.1.17と2011.3.11の大震災時）、震度5強は初めてで、とても恐ろしかったです。パニック状態にはなりませんでしたが、「アラームが鳴る前に揺れが来たという事は直下型で、南海トラフ地震では無いな・・・」と考える位の余裕しか有りませんでした。これまで何度も震災を経験していますので、家具や家電の転倒防止策等、皆様何らかの対策をされていたと思います。しかし今回、色々話を聞いていると、物が棚から落下して壊れた等、被害皆無という訳にはいかなかったようです。
ところで、オーディオ機器に地震対策は何か有るのでしょうか。揺れの影響を受け易いものとして、スピーカーと縦長のラックが連想出来ます。ラックなら、家具と同じ様な転倒防止策を用いる事も可能ですが、一方のスピーカーは・・・想像すると、かなり悲観的になってしまいます。

一番不安に思っているのは、このように縦長のスタンドにセットされたスピーカーです。仮に、スピーカー本体をスタンドに固定せず、スパイク3点支持でセッティングしている場合、揺れでスタンドから転落して・・・想像するだけで辛くなります、何か救う手段は無いのでしょうか。

前面バッフルに各ユニットを取付けているスピーカーなら、当然重心も前寄りになるので、転倒の恐れが有る場合は前方へ俯せるように倒れると考えられます。例えばJBLの4343を後方の壁寄りに設置している場合、壁に打ち込んだ金具と4343背面のネジ部分をチェーン等で繋げば、前方へ転倒する事は防ぐ事が出来ます。但し、壁に十分な強度が有る事が前提で（賃貸住宅なら壁に金具を打ち込む事すら出来ないと思います）、結局かなり限られた手段となってしまいます。（4343背面のネジはエンクロージャー内部に打ち込まれたナットに締め付けられているので、木材に打ち込まれた木ネジとは異なり強い力が加わっても抜ける心配は殆ど有りません）
大部分のスピーカーは、エンクロージャーを響かせていますので、無闇に固定しては響きが損なわれてしまうものと考えています。転倒防止対策を施そうにも、前述の4343の様に対処出来る機種はそう多く無いでしょうし、ましてや金具取り付けの為スピーカー本体にネジ穴を開ける事など、誰もやりたくない筈です。また、壁の反響を避ける為に壁からかなり離して設置している場合、転倒防止策が出来ない場合、大きな揺れが来てもただ無防備でいるしか無いのでしょうか。今回の地震で改めて考えさせられ、憂鬱な気分になりました。
	最後に、そういう私は今回どうだったのか、所有しているスピーカーの地震対策について少し紹介したいと思います。ラック・スピーカー台・その他諸々の家具類等全て自作していますので、お見苦しい箇所が多々有りますが、どうかご容赦下さい。

所有しているスピーカーは高さが約90cmの縦長です。もし何の対策もしていなければ、今回の揺れで転倒していた筈です。スピーカーはTAOCのインシュレーター(TITE25)4個で支えています。4個共スピーカー本体とベース部を固定しているネジを利用して（念の為ネジはより太いものに交換）、ベース部へ固定、動かない様にしています（左の画像）。そして後ろ2個のインシュレーターの手前に木材（硬い集成材）を這わせ、スピーカー台へ強固にネジ留めしています。これによって、スピーカーを前方へ動かそうとしても、引っかかって動かない状態になりました（右の画像）。

スピーカー天板のすぐ上には棚板を設けています（勿論この板も強く固定している/斜めにしているのは音響的な理由により）。これにより、スピーカーを前に倒そうとしても天板後方の角が棚に当たって倒せません。後ろへ倒す事も不可能です。普段は天板後方角と棚板は、3mm程の隙間が有る状態です（エンクロージャーの響きを損ねない為）。
ちなみに部屋の床全体に、吸音材を挟んだ16mm合板を2枚敷いています（階下への騒音に配慮して）。この板にスピーカー台やラック、他の家具類をネジ固定しています。結局、この対策が今回どうだったか、という事ですが・・・震度5強ではびくともしませんでした。ただ、これ以上の強い揺れが来た場合は何ともいえませんので、現在改良出来る箇所が無いか考案中です。
このような対策を施すきっかけになったのは、1995年の阪神淡路大震災です。直接被災はしてはいないのですが、あまりにも強烈な体験でしたので、今でも頭から離れる事はありません。今後、未だ余震が来る可能性は高いと思われますので、「程良く」緊張した状態で生活したいと思います。

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こんにちは、京都商品部の徳重です。今回は静電型スピーカーについてお話しする予定でしたが、急遽変更させて頂きます。何卒ご了承願います。
6月18日の午前8時前。私の自宅は震源地から南西に20km程離れているのですが、突然激しい揺れに見舞われました（自宅は集合住宅の8階です）。今まで震度4は2回経験しているのですが（1995.1.17と2011.3.11の大震災時）、震度5強は初めてで、とても恐ろしかったです。パニック状態にはなりませんでしたが、「アラームが鳴る前に揺れが来たという事は直下型で、南海トラフ地震では無いな・・・」と考える位の余裕しか有りませんでした。これまで何度も震災を経験していますので、家具や家電の転倒防止策等、皆様何らかの対策をされていたと思います。しかし今回、色々話を聞いていると、物が棚から落下して壊れた等、被害皆無という訳にはいかなかったようです。
ところで、オーディオ機器に地震対策は何か有るのでしょうか。揺れの影響を受け易いものとして、スピーカーと縦長のラックが連想出来ます。ラックなら、家具と同じ様な転倒防止策を用いる事も可能ですが、一方のスピーカーは・・・想像すると、かなり悲観的になってしまいます。

一番不安に思っているのは、このように縦長のスタンドにセットされたスピーカーです。仮に、スピーカー本体をスタンドに固定せず、スパイク3点支持でセッティングしている場合、揺れでスタンドから転落して・・・想像するだけで辛くなります、何か救う手段は無いのでしょうか。

前面バッフルに各ユニットを取付けているスピーカーなら、当然重心も前寄りになるので、転倒の恐れが有る場合は前方へ俯せるように倒れると考えられます。例えばJBLの4343を後方の壁寄りに設置している場合、壁に打ち込んだ金具と4343背面のネジ部分をチェーン等で繋げば、前方へ転倒する事は防ぐ事が出来ます。但し、壁に十分な強度が有る事が前提で（賃貸住宅なら壁に金具を打ち込む事すら出来ないと思います）、結局かなり限られた手段となってしまいます。（4343背面のネジはエンクロージャー内部に打ち込まれたナットに締め付けられているので、木材に打ち込まれた木ネジとは異なり強い力が加わっても抜ける心配は殆ど有りません）
大部分のスピーカーは、エンクロージャーを響かせていますので、無闇に固定しては響きが損なわれてしまうものと考えています。転倒防止対策を施そうにも、前述の4343の様に対処出来る機種はそう多く無いでしょうし、ましてや金具取り付けの為スピーカー本体にネジ穴を開ける事など、誰もやりたくない筈です。また、壁の反響を避ける為に壁からかなり離して設置している場合、転倒防止策が出来ない場合、大きな揺れが来てもただ無防備でいるしか無いのでしょうか。今回の地震で改めて考えさせられ、憂鬱な気分になりました。
	最後に、そういう私は今回どうだったのか、所有しているスピーカーの地震対策について少し紹介したいと思います。ラック・スピーカー台・その他諸々の家具類等全て自作していますので、お見苦しい箇所が多々有りますが、どうかご容赦下さい。

所有しているスピーカーは高さが約90cmの縦長です。もし何の対策もしていなければ、今回の揺れで転倒していた筈です。スピーカーはTAOCのインシュレーター(TITE25)4個で支えています。4個共スピーカー本体とベース部を固定しているネジを利用して（念の為ネジはより太いものに交換）、ベース部へ固定、動かない様にしています（左の画像）。そして後ろ2個のインシュレーターの手前に木材（硬い集成材）を這わせ、スピーカー台へ強固にネジ留めしています。これによって、スピーカーを前方へ動かそうとしても、引っかかって動かない状態になりました（右の画像）。

スピーカー天板のすぐ上には棚板を設けています（勿論この板も強く固定している/斜めにしているのは音響的な理由により）。これにより、スピーカーを前に倒そうとしても天板後方の角が棚に当たって倒せません。後ろへ倒す事も不可能です。普段は天板後方角と棚板は、3mm程の隙間が有る状態です（エンクロージャーの響きを損ねない為）。
ちなみに部屋の床全体に、吸音材を挟んだ16mm合板を2枚敷いています（階下への騒音に配慮して）。この板にスピーカー台やラック、他の家具類をネジ固定しています。結局、この対策が今回どうだったか、という事ですが・・・震度5強ではびくともしませんでした。ただ、これ以上の強い揺れが来た場合は何ともいえませんので、現在改良出来る箇所が無いか考案中です。
このような対策を施すきっかけになったのは、1995年の阪神淡路大震災です。直接被災はしてはいないのですが、あまりにも強烈な体験でしたので、今でも頭から離れる事はありません。今後、未だ余震が来る可能性は高いと思われますので、「程良く」緊張した状態で生活したいと思います。

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