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とうとう気温が、体温を超えました、京都商品部の朴 高史です。 オーディオに相応しくない形容詞・・・「可愛い」「小さい(軽い)」「安い」。今回はそんなお話です。 |
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私もなのですが、高性能なオーディオに対する印象は、「大きくて、重くて、高価でイカツイ」とこんな感じかと思うのですが、最近、目に留まったのが、そうではないが素敵なオーディオです。 まずは、かわいくて意外だったこちらから。 昨年、商品開発などされていたオヤイデ電気を退社され、今年の一月にオーディオ工房「オーディオみじんこ」をオープンされた荒川 敬氏の新店舗での最初のオリジナルスピーカーがこちらの「花蓮」です。 |
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アンティークフィニッシュの木製エンクロージャーに、フルレンジユニットがセットされたバスレフ型の小さなスピーカーです。 真鍮製の4本足が、JBL C36 Viscountなど、ビンテージオーディオへのオマージュを感じさせます。 |
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そこへ、千代紙を思わせる和柄のグリルネットが掛かるとやはり、女性や若者へのアプローチかと思われます。試聴をしてないので、なんとも言えないのですが、ウェブ、雑誌でのこれまでの荒川氏(マニア度が濃い印象だったので)のご活躍から、ある種の思惑が込められた音がする筈です。店舗では、電源や、ケーブルなど(イヤフォーンケーブルは、アクセぽい感じが受けそうです。)のオリジナル製品や、他工房の製品なども扱われているようです。面白そうです。 オーディオみじんこ https://mijinko.jp/ |
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次は、オーディオみじんこにも商品を展示されていた、こちらもウェブや雑誌への寄稿などでも活躍されている喜代門 守(キヨトマモル)氏の「VINTAGE JOIN」 主に、ドイツのオーディオ、及びオリジナルアンプや、ドイツ製ヴィンテージユニットを使ったスピーカーを扱っておられます。ウェブのトップページにあるメッセージです。「VintageJoinではオーディオ的な良い音ではなく、人が聴いて心地よく感じるような音楽をシンプルに目指しております。」 私が、心惹かれたのは、旧東ドイツ製のボディの「Premium mini amp」と「ドイツ製モノラル ラジオスピーカーのイソフォン イソネッタ」と「RCA Victor 45rpm オートチェンジャー 」で、世界唯一の凄くキュートなシステムが出来上がります。 |
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(RCA Victorの45rpmオートチェンジャー プレーヤーをレストア販売している日本で唯一のお店です。)そのほか、フィールドスピーカー用の、メーター付きフィールド電源や、超シンプルなアンプ類などすべての商品に物としての魅力を感じます。 VINTAGE JOIN http://www.vintagejoin.com/ |
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続きましては、糸井重里氏が主催する「ほぼ日刊イトイ新聞」での企画商品を販売する「ほぼ日ストア」で販売されている「きほんのスピーカーキット」です。 |
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福岡在中の写真家でありデザイナーの森 友治氏監修で企画された商品で、多分、元になったのは小型BBCモニターの名品「LS-3/5A」。 |
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この大変にシンプルなスピーカーキットのきっかけになったのが、森 友治氏のブログ「ダカフェ日記」です。 お子さん達や犬達の可愛い日常とともに、ハイファイ堂定番のQUADやLAXMANのアンプ、WEのランドセルやAURATONEなどのスピーカーが、かわいく愛おしげに写されてます。そのブログでの、スピーカーを自作するエピソードなどが、楽しく、面白そうで、「ほぼ日」の女性スタッフが苦労の末、ご自分でもスピーカーを作ったことが発端となったそうです。オプションの様々なグリルカバーがあったり、一緒にアンプ類も販売されてます。 |
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ほぼ日刊イトイ新聞「きほんのスピーカーキット」 https://www.1101.com/store/speaker_kit/2018-05-28.html 「ダカフェ日記」 http://dacafe.petit.cc/ |
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これらの商品の敷居の低さ、その実、その底に見えるコダワリと、今っぽい肌合いに魅力を感じます。 で、感化された私が作ったリメイクスピーカーがこちらです。 |
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ジャンクの真空管ラジオ(早川金属工業研究所(シャープの前身)SharpDyne model 480 (1930年代の物かと))に8インチフルレンジユニットRichard Allan NEW GOLDEN EIGHT にヤマハのホーンツィーターJA0506のツーウェイです。(ネットワークはElectro Voice のX36) モノラルシステム用ですので、一本です。見かけも中身もあまり可愛いくは無いです。(私は気に入ってます。) |
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続きまして、小さくて、軽くて、安い中華アンプです。 前回のメルマガで少し触れましたNFJ FX-AUDIO-の中国製小型アンプについてです。 画像はStereoSound ON LINEより http://www.stereosound.co.jp/review/article/2018/05/31/68041.html |
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まずは、パワーアンプ FX202Jについて、ステレオサウンドオンラインに掲載された2018年5月31日の時点で、生産は終了され、在庫もなくなってました。で、このアンプはどういうものかなのですが、(大変に長いです。)まずこのアンプは、D級アンプと呼ばれる駆動方式で、その特徴は、従来のA級、B級、AB級に比べ、音質は劣るが、電力効率がよく、発熱もほとんどなく、小型のため、様々な機器の内蔵オーディオアンプに使われてます。音質が劣るため、オーディオ専用に使われることは考えられなかったのですが、1998年アメリカのトライパス社が真空管アンプに迫る高音質と売り出したのがTA2020-020というクラスDパワー・アンプICです。メーカー(通常のクラスDアンプ区別して)クラスTアンプと謳ってます。 画像はNorthFlatJapan公式ブログより https://blogs.yahoo.co.jp/nfj_2009 |
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FX202Jに使用されているICが、トライパス社のTA2020-020です。(20年前のかなり古いICチップです。)業界での評価も高く、様々な機器類に使用されたようですが、数年後には、後継のTA2021、TA2024に取って代わられたり、また他社の同様品の出現で、世代交代となります。その頃、アメリカのパーツメーカーなどからTA2020-020を使ったクラスDアンプの自作キッドが数多く売り出されます。(詳しくは不明です。) |
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音楽之友社STEREO誌2004年3月号掲載の、アンプのブラインドテストで、1位がSONYのハイエンドデジタルアンプ TA-DR1、2位がDENONのPMA-2000/4、6位が9800円のラステームシステムズ社 RSDA202、最下位の8位がアキュフェーズのフラッグシップモデル C-2800+M8000でこれは330万円、と話題になります。このテストには、色々と異論もありましたが、ある種の結果でもあり、やはりラステームシステムズ社のRSDA202が注目されることになります。この、新潟県上越市の音響メーカーが作った20W+20W(4Ω)の小さなアンプに使われていたICがトライパス社のTA2020-020でした。日本でもTA2020-020を使ったクラスDアンプの自作キッドが売り出され始めます。2007年トライパス社が倒産し、TA2020-020製造が停止します。(韓国でその後もしばらく作られたという話もあります。) |
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2009年TOPPING TP 20、 2010年 S.M.S.L SA-36A、MUSE M20EX、Lepai LP-2020A+など、中国製のTA2020-020を搭載したデスクトップ用の小型アンプが多数販売されます。2010年、大阪の南部、和泉市で、NFJ株式会社ノースフラットジャパンが創業されます。創業時は、Lepai LP-2020A+、S.M.S.L SA-36Aのアンプ類やその他パーツ類などをヤフオクで販売を始め、その後ヤフーストアでの販売も始めます。 |
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商品の中でも、コストパフォーマンスからLepai社の LP-2020A+(トーンコントロールがついたプリメインアンプ)に注目があつまりますが、製造精度が低い為、不良品が多く出ました。そこでNFJは、自社で商品を選別した後に販売し、解消したそうです。その後、自社ブログでのユーザーからのフィードバックによる改善、テスト販売による製品改良の意見収集の後、2011年10月、Lepai LP-2020A+NFJ別注モデルが販売となり、好評を得ます。ロット毎に改善を重ね2015年第9ロット(高級なパーツを使いつつも価格は3000円台に抑えられてました。)、2016年のOPA627搭載 LP-2020A+ NFJモデル第九ロットLimitedCustomまで続きました。(最高級オペアンプ搭載の為、こちらだけは10000円弱での販売でした。)この一連の流れが、NFJの商品開発の基本になったと思われます。 画像はNorthFlatJapan公式ブログより https://blogs.yahoo.co.jp/nfj_2009 |
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LP-2020A+NFJ別注モデルと同時期に自社のオリジナルモデルの開発が始まり、2012年2月に発売されたのが、S.M.S.L SA36Aの後継モデルSA-S1をベースに作られた、FX-AUDIO FX-202Aです。FX-AUDIOとは、中国の共同開発会社 Shenzhen Fly Dream Digital Technology Co.,Ltd のブランドで、このFX-202A(ベースモデル)は、中国本土でも同じものが売られてます。 画像はNorthFlatJapan公式ブログより https://blogs.yahoo.co.jp/nfj_2009 |
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LP-2020A+と同様に、NFJ販売分は、製造ロットごとに改善が進められ、7月販売モデルは、NFJコンセプトモデルとされ、ベースモデルとは区別されます。コンセプトモデルは販売は、10月で終了します。コンセプトモデルの購入者のフィードバックなどを参考に2年の開発期間を経て、2014年5月にNFJ完全オリジナルの新製品として、FX-AUDIO- FX202Jの販売が始まります。 画像はNorthFlatJapan公式ブログより https://blogs.yahoo.co.jp/nfj_2009 |
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その後もロットごとに多少の変更がされつつ、2018年3月の最終ロットまで人気を保ちながら販売され、5月25日最終ロットの予備在庫(シルバー25台)で完全に販売終了となりました。(製造用のTA2020-020の在庫が、とうとう底をついてしまったようです。)以下、最終ロット販売発表時の自社ブログでのコメントです。「今のNFJがあるのもこのTA2020というデジタルアンプICがあり、初代FX202Aから改良を重ねて進化してきたこれまでの軌跡があったおかげと思い、最終ロットの生産を終えて、黎明期当時のブログを振り返り、思い返しておりまして非常に感慨深いものがございます。」FX-AUDIO FX-202Jはこんなアンプなのですが、その特徴は、クラスDアンプ独特の全音域にクリアで力強い感じなのですが、若干高域がやわらかく、アナログぽい感じというのか、こういうところかと思われます。そんなクラスD クサさを一段とヤワらげるには、真空管ラインアンプのFX-AUDIO FX-TUBE-03J、2018年3月より発売になった新しい製品です。2016年からあるFX-TUBE-01Jという真空管ラインアンプにトーンコントロール機能が追加されたモデルです。ゲイン設定機能もあり、細かな設定が可能です。前段のオペアンプもソケット式で、後段の真空管(中国製の軍用管6j1)の互換球が5654,6AK5,WE403Aなどあり、差し替えなどで、オーディオっぽい楽しみもできそうです。(こちらも現在在庫切れ中) 画像はNorthFlatJapan公式ブログより https://blogs.yahoo.co.jp/nfj_2009 |
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FX-202Jの生産が終了したことで、TA2020-020を搭載したアンプ(世界で最後かもしれません)ももう作られないだろうと思われた矢先の6月に発表されたのが、FX-2020A+CUSTOM。 画像はNorthFlatJapan公式ブログより https://blogs.yahoo.co.jp/nfj_2009 |
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TA2020-020のリユース品を使用した、 LP-2020A+ NFJモデル第九ロットをベースに、FX-AUDIOのケースに収められたプリメインアンプです。 なかなか大阪っぽい展開です。 NorthFlatJapan公式ブログ https://blogs.yahoo.co.jp/nfj_2009 NFJ公式ホームページ http://nfjapan.com/ 前半は東京っぽく、後半は大阪っぽくお送りしました、この辺りで失礼します。 |
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