YAMAHA PX-2 ハイファイ堂メールマガジン第690号丸の内店

YAMAHA PX-2
ハイファイ堂メールマガジン第690号丸の内店

東京丸の内界隈は、桜の季節も過ぎて、新緑の眩しい時期に入りました。日中は上着がいらないほどの陽気となった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。ハイファイ堂　丸の内店　廣川勝正です。さて、今回は希少なレコードプレーヤーが丸の内店にやってきましたので、ご紹介を兼ねて語りたいと思います。


そのレコードプレーヤーはYAMAHA PX-2。1979年に発売されたリニアトラッキング方式トーンアーム搭載のレコードプレーヤーです。
	PX-2の前年に発売された上級機PX-1(左の写真)は、当時の定価が48万円で、物量を惜しげも無く投入されたレコードプレーヤーでした。本体のみの総重量27kg、超ジュラルミンを無垢から削り出したターンテーブルは自重5.6kg、さらにダイナミックバランス型で、シェル一体型のヤマハ特製音響用アルミダイキャスト製インテグレーテッドシェル(シェル+アームパイプ)が搭載されていました。
そのPX-1で得られたノウハウに加え、コストと安定性を追加条件に改良を施し、リニアトラッキング方式の完成度を高めて登場したのがPX-2です。右の写真のように、トーンアームはスタティックバランス型に変更され、ターンテーブルも直径31cmの音響用アルミダイキャスト製になりましたが、精度の高いトラッキングエラーセンサーや重量級のアルミダイキャストシャシー構造など、文字通り非常にコストパフォーマンスの高いレコードプレーヤーです。
	さて、ここでリニアトラッキング方式の利点について説明したいと思います。一般的なレコードプレーヤーのトーンアームはオフセット方式ですが、その方式に比べてトラッキングエラーが無く、オフセット角がないためインサイドフォースの発生がありません。さらに左右対称設計になっているためラテラルバランスがとれており、レコード音溝に対してニュートラルトレーシングが可能であり、音質に悪影響のあるクロストーク歪、混変調歪が十分少なく抑えられています。そして、左右・前後のバランスが取れていて等価質量も小さいためソリのあるレコードに対しても優れたトレーシングアビリティを誇ります。

	それでは、フロントエンドにPX-2を配したシステムにてレコード演奏を試聴してみたいと思います。システムの構成はスピーカーにYAMAHA NS-1000M、コントロールアンプにSONY TA-E88、パワーアンプはSONY TA-N901、カートリッジはDENON DL-103です。演奏するレコードは魅力あふれるバロック音楽満載の「アルビノーニのアダージョ」。春の昼下がりに心地よいバロック音楽の世界が展開しますでしょうか、期待を膨らませて試聴開始です。
1曲目の「パッヘルベルのカノン」から、透明度の高い音像と清々しい弦の響きに魅了されました。悠々と流れるような演奏の場面でも、滑らかで淀みのない魅力的な音が聴けました。さらに特筆すべきは、最内周のJ.S.バッハ「羊は安らかに草をはみ」まで、一貫して安定した音を聴けたことです。リニアトラッキング方式ならではのオフセット角の影響のないところと、安定したトレース能力の効果だと、強く印象を持った今回の試聴でした
いかがでしたでしょうか。今回は丸の内店在庫の希少で魅力的なレコードプレーヤーについて語らせて頂きました。気候も暖かくなってきてレコード自体のコンディションも良くなってきていると思います。魅力がさらに高まったレコード演奏を、ぜひお近くのハイファイ堂にてお楽しみいただければと思います。ではまた次回。

大須本店

〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須3-14-37 (052)249-2600

秋葉原店

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日本橋店

〒556-0005 大阪市浪速区日本橋 4-6-9 (06)4396-7611

福岡店

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東京丸の内界隈は、桜の季節も過ぎて、新緑の眩しい時期に入りました。日中は上着がいらないほどの陽気となった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。ハイファイ堂　丸の内店　廣川勝正です。さて、今回は希少なレコードプレーヤーが丸の内店にやってきましたので、ご紹介を兼ねて語りたいと思います。


そのレコードプレーヤーはYAMAHA PX-2。1979年に発売されたリニアトラッキング方式トーンアーム搭載のレコードプレーヤーです。
	PX-2の前年に発売された上級機PX-1(左の写真)は、当時の定価が48万円で、物量を惜しげも無く投入されたレコードプレーヤーでした。本体のみの総重量27kg、超ジュラルミンを無垢から削り出したターンテーブルは自重5.6kg、さらにダイナミックバランス型で、シェル一体型のヤマハ特製音響用アルミダイキャスト製インテグレーテッドシェル(シェル+アームパイプ)が搭載されていました。
そのPX-1で得られたノウハウに加え、コストと安定性を追加条件に改良を施し、リニアトラッキング方式の完成度を高めて登場したのがPX-2です。右の写真のように、トーンアームはスタティックバランス型に変更され、ターンテーブルも直径31cmの音響用アルミダイキャスト製になりましたが、精度の高いトラッキングエラーセンサーや重量級のアルミダイキャストシャシー構造など、文字通り非常にコストパフォーマンスの高いレコードプレーヤーです。
	さて、ここでリニアトラッキング方式の利点について説明したいと思います。一般的なレコードプレーヤーのトーンアームはオフセット方式ですが、その方式に比べてトラッキングエラーが無く、オフセット角がないためインサイドフォースの発生がありません。さらに左右対称設計になっているためラテラルバランスがとれており、レコード音溝に対してニュートラルトレーシングが可能であり、音質に悪影響のあるクロストーク歪、混変調歪が十分少なく抑えられています。そして、左右・前後のバランスが取れていて等価質量も小さいためソリのあるレコードに対しても優れたトレーシングアビリティを誇ります。

	それでは、フロントエンドにPX-2を配したシステムにてレコード演奏を試聴してみたいと思います。システムの構成はスピーカーにYAMAHA NS-1000M、コントロールアンプにSONY TA-E88、パワーアンプはSONY TA-N901、カートリッジはDENON DL-103です。演奏するレコードは魅力あふれるバロック音楽満載の「アルビノーニのアダージョ」。春の昼下がりに心地よいバロック音楽の世界が展開しますでしょうか、期待を膨らませて試聴開始です。
1曲目の「パッヘルベルのカノン」から、透明度の高い音像と清々しい弦の響きに魅了されました。悠々と流れるような演奏の場面でも、滑らかで淀みのない魅力的な音が聴けました。さらに特筆すべきは、最内周のJ.S.バッハ「羊は安らかに草をはみ」まで、一貫して安定した音を聴けたことです。リニアトラッキング方式ならではのオフセット角の影響のないところと、安定したトレース能力の効果だと、強く印象を持った今回の試聴でした
いかがでしたでしょうか。今回は丸の内店在庫の希少で魅力的なレコードプレーヤーについて語らせて頂きました。気候も暖かくなってきてレコード自体のコンディションも良くなってきていると思います。魅力がさらに高まったレコード演奏を、ぜひお近くのハイファイ堂にてお楽しみいただければと思います。ではまた次回。

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