|
東京都内も梅雨の時期特有の、はっきりとしない天気が続いています。日々の気温差に体調を崩さない様に気をつけたいものです。 ハイファイ堂 丸の内店 廣川勝正です。 さて、今回は前回に引き続き6月16日、17日の両日、東京国際フォーラムにて開催されました「音展」のレポート第二弾をお届けしたいと思います。 |
|
|
|
|
上記バナーはOTOTENトップページより引用 http://www.oto10.jp/ |
|
|
|
|
|
まず、注目のカートリッジの試聴から。 訪れたのはaudio-technicaのブースです。発売して久しいですが、未だに聴いた事が無かったAT-ART1000を試聴して来ました。 AT-ART1000は、発電コイルをスタイラスチップの真上に配置する、独自のダイレクトパワー方式を採用。上のカットモデルの写真を見てみると針先の上の方にリボンの様な形のコイルがついているのがわかると思います。発電コイルをカンチレバーの根元に配置する従来方式と比べ、カンチレバーの長さや材質に起因する音質への影響を抑制し、音の細部まで描写して忠実度の高い再生を実現したという事です。 |
|
|
実際に試聴しましたが、確かに非常にクリアーで緻密、気のせいかもしれませんが、音像一つ一つがキュッと小さくなった印象に聴こえました。響きの質感も高く、まさに高級カートリッジそのものだなと感じました。 ちなみに、完全手作りという事で、一つ一つの適正針圧がそれぞれ違っていて、個別に記載された紙が同封されているとの事です。 実勢価格約60万円という高級カートリッジの片鱗を感じ取れた今回の試聴でした。 ちなみに、レコードプレーヤーにはTechnics SL-1000Rが使用されていました。 |
|
|
|
|
|
次に訪れたのは国産ハイエンドブランド「CS Port」のブースです。 注目のアナログディスクプレーヤーLFT1を聴いて来ました。 昨年の音展にも展示されていましたが、ターンテーブルはステンレス製で重量は27kgとの事です。これをエアーで浮かせて、軸受けには数百グラムの荷重しかかからない様にしているとの事です。またベースには40kgの花崗岩が使用されていて、重量で低周波振動を、エアーで高周波振動を抑え込んでいるとの事です。 エアーフローティング構造のリニアトラッキングアームの効果と相まって、安定感のある音像表現と無音部の静かさには驚かされました。 ちなみに、オプションのボードを合わせた価格は3,858,000円(税抜き)との事、これにも驚かされました。 |
|
|
|
|
|
さて、ガラス棟4Fの広めのG402ブースを覗いてみると、Sonus faberの「AIDA2」が設置してあるではないですか!しかもブルメスターのプリ、パワーで鳴らされている!滅多に聴ける事の無いこのチャンスを逃す手はないと、早速試聴しました。 まず、上の写真を見てもらえれば、いかに巨大なスピーカーかわかると思います。斜め後ろのELACのトールボーイスピーカーが凄く小さく見えるくらいです。 確かドボルザークの「新世界より」が演奏されていたと思いますが、優美で壮大、絹の様な質感の弦と、全体の音の厚みに圧倒されました。 税抜き定価1,380万円(ペア)という超ハイエンドスピーカーですので、当然買えませんが、でも、欲しいと思いました。 |
|
|
|
|
|
このブースにはその他、ORACLEやELACのレコードプレーヤー、また、アナログレコード関連のアクセサリー類が展示されていました。 ここで気になったのが、arteのレコードクリーニングキットです。左下の写真がそれです。 レコードクリーニングターンテーブルや、透明なスタビライザーの様なレーベルカバー、クリーニング液などのセットで約3万3千円くらいとの事です。何だかレコードクリーニングを楽しく行える様なアイテムで、凄く気になりました。 右下の写真は、RELAXAのオーディオ用フローティングボードです。 上面の8mm厚の強化ガラスを磁気の力で浮かせているとのことです。ちなみに耐荷重は22kgまであるので、中量級までのレコードプレーヤーボードには打って付けの製品と思いました。税別定価は70,000円です。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
ここで、演奏されている音を聴いて、思わず足が止まってしまったブースを紹介したいと思います。 はっきりとは覚えていないのですが、そのブースでは、確かデジタル音源の聴き比べか何かでビートルズの曲が流れていたと思います。 AVALON DIAMONDスピーカーで初めて聴くビートルズ、音のキレと豊かな感情表現の両立した、とても聴きごたえのある音でした。 AVALONに組み合わされていたAUDIAのStrumentoシリーズのアンプとの相性も良かったのだと思います。 ここ最近、非常に評価が高まっているAUDIAを、以前から聴いてみたかったのですが、AVALON DIAMONDをあれだけ良い音で鳴らしてくれるのを体感して、実力の高さがうかがえました。 個人的な好みでいうと、今回の音展の全てのブースの音の中で一番でした。 |
|
|
|
|
|
旧ハイエンドオーディオショウからの流れなのか、音展には多くのアクセサリーメーカーの展示があります。 左上の写真は、オヤイデ電気のアナログ関連アクセサリーの展示の様子です。 右上の写真は、終日フリーにて各テーブルで試聴ができる混合ブースで、AIWAやSpectraCAL、TRIODEなどの展示がありました。 左下の写真は、アクセサリー展示&販売ブースの中にあったZonotoneコーナーでの前園氏の商品説明の様子です。 また、右下の写真は、アンダンテラルゴなどと共に共同ブースを設けていた、コードカンパニーのケーブル展示の様子です。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
上の写真は、スペック、スフォルツァートと共に、合同でブースを展示していたシーエスフィールドの試聴会の様子です。 個人的に好きなスピーカーブランド、ペナウディオのセレナーデシグネチャーがヴィタスオーディオのSIA-025インテグレーテッドアンプで鳴らされていました。接続に使用されていたケーブル類は全てヨルマデザインでした。 以前試聴したペナウディオ社のスピーカー、カリスマ+キャラに比べて、低域から中低域にかけての厚みが増えて、全体的に落ち着いた大人の音に進化している印象を持ちました。 北欧フィンランドのスピーカーメーカーだからか、相変わらず美しい仕上げには感心させられます。 ペアで税抜き定価220万円と、簡単に購入できる価格ではないのが残念なところです。 |
|
|
|
|
|
続いてホールDの5階にあるフェーズメーションのブースを訪れました。 私が行った時には終わっていましたが、TechDASのレコードプレーヤーを使用して、90万円の昇圧トランスT-2000と90万円の管球式フォノアンプEA-1000Gの試聴会を行っていたとのことです。 聴いた方にお話を伺ったところ、驚くほど良くはなかったとのことです。 同社の昇圧トランスは、ここ最近評判が良いので、ぜひ聴いてみたかったのですが・・・。とは言っても、私の気になる昇圧トランスはT-300やT-500といった現実的な価格のものですが。 上の写真は、同社のカートリッジや昇圧トランスの展示の様子です。 |
|
|
|
|
|
LUXMANのブースでは, 輸入元となり取扱ブランドとなったFOCALのスピーカーの試聴会が行われていました。 演奏されていたスピーカーはScala Utopia Evo(税抜き定価ペア4,200,000円)です。 同社のスピーカーの音は、以前から、高いエネルギー感とガッチリと構築された芯のある音が魅力でした。 今回、新たに聴いてみると、上記の特徴に加えて、ふくよかな厚みが加わったように感じました。個人的には、中高域がもう少し涼やかでクリーンな表現であればと思いました。 |
|
|
|
|
|
さて、ネットワークオーディオの分野では、近年オーディオ専用に開発された音質重視のNASに変えると音が良くなると言われています。 推測ですが、ノイズやパルス自身の乱れがデジタル回路を通り過ぎ、アナログ回路に影響を与えない様に、高度なパーツを用い、さらに洗練された回路で奇麗な矩形波を出すように設計されていることが要因ではないかと思います。 アイ・オー・データ機器のブースではそんな音質重視のNASが展示してありました。その中のHFAS1シリーズは特に評価が高いことで知られています。特にSSDメモリー搭載のHFAS1-XシリーズはHDDメモリー搭載モデルと比較して、処理スピードも早く、なんのストレスもなく多くの良質な音楽が楽しめることが利点という印象でした。 ただ、同じ2TBでHDDに比べてSSDモデルが約30万円高価なのはどうかとも感じました。 個人の見解ですが、音だけの比較でいうと、良質なアナログレコードの方が上だと思います。そこまでのレベルまではいかないが、そこそこ良い音を便利に楽しむアイテムとしてはアリだなと思いました。 |
|
|
|
|
|
その他、ガラス棟BFではカーオーディオ試聴コーナー(左上の写真)や、ガラス棟7Fのセミナー&イベントルームでは、私が訪れた時には「オーディオと聴覚、ちょっと耳寄りな話」と題したセミナーがあったりなど(右上の写真)音展は様々な楽しみ方のできるイベントでした。 また、今回一通り回ってみて感じた事は、前回に比べて女性の入場者数が想像以上に増えている印象でした。さらに多くの女性の方に興味を持って頂き、音楽をより良い音と映像で楽しむ事の裾野が広がればと思いました。 いかがでしたでしょうか。 前回から2回に渡りまして、6月16日、17日の両日、東京国際フォーラムにて開催されました「音展」のレポートをお届け致しました。 では、また次回。 |
|







