ハイファイ堂メールマガジン

日本橋店の永井です。ますます暑くなって来ましたが、オーディオファンの皆様はいかがお過ごしでしょうか。外気温と電車内の温度差で体調を崩しそうな今日この頃です。
さて今回は「ロックの音はハイファイ？ローファイ？」というテーマでお送りします。
JAZZやCLASSICのファンの方に混じって意外とたくさんおられるロックファンの方々。先日も「重鋼鉄」ファンのかたとお話ししましたが、いわゆるハイファイなオーディオセットと、ロックを気持ちよく鳴らせるオーディオセットには若干の違いがあると思います。
ジャンルによって、どの音域が良く出ると気持ち良い、といった要の部分があると思います。例えばバンド演奏されるジャズコンボならウッドベース、バスドラムの重低域やホーン、ドラムのシンバル類の高域がしっかり出ていれば心地よく響きますし、弦楽器中心のクラシックのオーケストラなら主に弦楽器の中域とその周りがしっかりと鳴っていて、尚かつ音域が広いのでレンジ感の広いオーディオであるほど。豊かな音場が楽しめます。ジャズファンなら「McintoshのアンプとJBLのスピーカー」、クラシックファンなら「LUXMANのアンプとTANNOYのスピーカー」といった黄金の組み合わせがあり、良く知られるところですね。
ではロックの場合はどういったものが合うのでしょうか？ひとくちにロックといってもいろいろとありますが、大まかに言うとロックサウンドの要は「ざらっとしたギターサウンド」で、まずこれがきちんと鳴ってくれないとはじまりません。「歪んだギターサウンドの似合うオーディオ」と言ったところでしょうか。
まずはスピーカー。今までロックファンのお客様とオーディオを選んでいて、一番人気はやはりJBL。特に古いロックがお好きな方は、こういったスピーカーを選ぶ方が多いです。

↑ JBL/LANCER77 フルレンジユニットの名作「JBL/LE8T」と、同形のドロンコーンとの2本で構成され、特に60〜70年代のギターサウンドがとても良い雰囲気で楽しめます。

↑ 同じユニットを使ったSANSUI箱のSP-LE8Tも素晴らしいバランスで、ジャンルを問わずギターや女性ボーカルのファンの方々から多大な人気を得ています。


↑そのほかでいうと、イギリスのCELESTION社のDITTONシリーズ（上の写真はDITTON66）やUL6なども、ロックサウンドにピッタリ合うサウンドキャラクターです。それもそのはず、エレキギターの老舗FENDERのギターアンプのユニットに採用されているメーカーなので、より味わいの近いギターサウンドが楽しめるんですね。
「ロックの音はハイファイ？ローファイ？」の答えとしては、その間のミドルファイなのかな、と思っています。ドラムやベースはレンジ感の広い方が心地よい面もありますが、ギターやボーカルは中域がグッと出るオーディオがピッタリきますので、広すぎないレンジ感の中域の抜けていないものを選ぶとバッチリなのではないでしょうか。
アンプやプレーヤーなどについてもまたの機会にお話ししたいと思います。