ハイファイ堂メールマガジン

今回、28回目のメルマガとなります日本橋店の小林です。昨今、だいぶ暖かくなったなと感じますが、いかがお過ごしでしょうか。今回は、「レコードプレーヤーの生い立ち再確認」ということで、ちょっと歴史をひもといてみました。すでにご存知の方も多いと思いますが、何卒、ご容赦頂き、おつきあいくださいませ。
1877年に、エジソンが円筒式録音機のフォノグラフを発明してから10年後の、1887年　円盤式レコードがこの世に初めて現れました。この一大発明をしたその人は、ドイツ出身のアメリカ人エミール・ベルリナー氏です。ベルリナーに関しての経歴をちょっと観てみると、アメリカ移住後は、まず乾物屋！でしたが、エレクトロニクスに興味を引かれてからクーパー研究所の物理学や電気工学の夜間講座に出向き、その後、いくつかの会社に就職しましたが、電気技師としての才能を伸ばし、当時、評判になっていたグラハム・ベルの電話機に、魅了されて、その改良案で送話器に関する特許を取得します。これが元で、ベルリナーは、ベルに入社となり、最終的に激化していた天才エジソンとベルとの電話機の特許争奪戦に勝利する事になります。「ベルリナーは、あのエジソンに勝った男なんですよね！」
	このベルリナーの成功に対して、エジソンは別分野での反撃を試みて、1877年にあの「フォノグラフ」を世に送り出しています。この蓄音機は、良きにも悪きにも大いに評判を呼んだものの、クオリティーが低く、実用化にはほど遠いレベルだったそうです。その後、ベルリナーをはじめとするベルの開発チームは、蓄音機実用化に向けて大幅な改良を加え、1885年には完全に実用域に徹した「グラフォフォン」を生み出します。しかし、ベルリナーは「グラフォフォン」完全完成の1年前に、ベルを退社。独自の蓄音機の開発に進むことになります。
その後、1887年には後のレコードプレーヤーの原型になる、円盤式蓄音機「グラモフォン」を完成させます。そして、1895年に「グラモフォン」の製造・販売を一貫する「ベルリーナ・グラモフォン社」を設立します。ベルリーナ・グラモフォンは、ビクタートーキングマシンを経てRCAレコードとなって、イギリス支社はグラモフォン・カンパニーからEMIへ、そしてドイツではドイツグラモフォンと、音楽業界に大きな影響を与える一大企業となっていきました。
今回は、「レコードプレーヤーの生い立ち再確認」ということで、その歴史に触れてみましたが如何でしたでしょうか。でもこんな1800年代にも、現代と同じような規格戦争が、繰り広げられていたんですね。びっくりです！それでは、まだまだ寒くなったり、暖かくなったりが、続きそうですがお風邪等召しませんように、お体ご自愛くださいませ。

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