ハイファイ堂メールマガジン

お久しぶりです。ハイファイ堂日本橋店永井です。うちのあたりはいつもと違い、あまり雪も降らないうちにもう2月になりました。暖かい冬は辛くなくて助かりますが、少し物足りないような不思議な気分もありますね。　さて今回は「全米最後のカセットテープメーカーが、創業以来の大黒字」という記事を見てびっくりしたお話です。
1969年創業のメーカー「ナショナル・オーディオ・カンパニー（National Audio Company）」（ http://nationalaudiocompany.com/ ）では2015年に、なんと創業以来、今年最高の売り上げ額を記録されたそうです！　90年代末、ほとんどのメーカーがCDに移行し、カセットテープの製造をやめていった中、かたくなに製造を続けた同社のスティーブ・シュテップ社長はインタビューで、「我々は頑固過ぎて（カセットテープの製造を）やめることが出来なかった」「音楽用カセットテープの需要の波が再び来ると信じ、その時に向けて準備していたんだよ。そして、今その通りのことが起こっている」「カセットの温かみのある音を好むプロミュージシャンは多いんだよ。だから売り上げは伸び続けている」と語っています。
	National Audio CompanyさんのHPより。こんなカラフルなカセットが！
これで思い出すのが、日本が誇る磁気テープオーディオメーカー「TEAC」さん。同社ではWオートリバースカセットデッキ「W-890RMK2」やCDレコーダー+カセットレコーダー「AD-RW950」、ターンテーブル/カセットプレーヤー付CDレコーダー「LP-R550USB」などが、現行機種として製造されています（ http://teac.jp/products/cassette/ ※2016年2月現在）。
	こんなWデッキがまだ新品で買えるのは、とても素晴しいことですね。
そして、「JICO 日本精機宝石工業株式会社」（ http://www.jico.co.jp/ ）さん。こちらでは、主要なカートリッジの替え針をずっと製造し続けておられます。アナログを楽しむオーディオファンにとって、「中古でもなかなか手に入りにくい愛用カートリッジの針をまだ作ってくれているところがある」というだけで、なんと心強いことでしょう。特にJICOさんが開発した「SAS針」という特別なカッティングで作られた針は、他の丸針や楕円針よりも細かい表現力があると評判で、ある海外の弦楽器奏者がこのSAS針を絶賛したことが日本のTV番組で放映され、急に注文が増えたとか。お値段も少し高めで、受注生産のため少し納期がかかりますが、手にする価値のある製品だと思います。

SAS針のこの細かくて美しい造形！すごい技術ですね。（↑↓JICO 日本精機宝石工業株式会社さんのHPより）

デジタル技術の進歩も著しい昨今、色んな理由でオールデジタル化が進む中、アナログの良さを絶やさないでおこう、という心意気をひしひしと感じるこの3つの企業。色々と大変でしょうが、ぜひ長く、良いアナログ製品を作り続けていただきたいと思います。　ではまた！

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