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今回はこだわりのメンテナンス商品を紹介します。この価格帯のモデルだとニチコン製のコンデンサーでごそっと交換する手法が多いのですが、今回紹介するモデルではニチコンの他にエルナー製とルビコン製のものにも交換しています。従来からのニチコン製の耐久性の高さに加え、2社のコンデンサーを適所に組み合わせることで音質にもこだわった商品になっています。どちらも非常に個性的な音でスペックの出力値以上のパワー感が出るようになっていました。
NEC A-11　定価:149,000円売価:99,800円 NECの定番アンプ、A-10シリーズの上級機。修理内容としてはコンデンサーはエルナーSILMIKを4個、ルビコンZAを10個、ニチコンMUSE-KZを6個、パワーアンプボリューム左右とマスターボリュームの計3個をアルプス製ボリュームに、リレーも4個交換。一聴した瞬間に、A級パワーアンプのようなパワー感だと感じました。とにかく瞬間的なパワーが凄まじく38cmのウーファーがしっかりストロークし、そして鋭く制動しているような感じ。まるで腹部にボディブローを受けたかのような腹に響く低音が印象的でした。プリメインアンプで同じような感覚を受けたモデルはKENWOODのL-02Aという、電源とアンプが別体になったド級プリメインアンプくらいでしょうか。ただあちらのアンプはパワーはあるものの音色が殆どないフラットな音で少し味気無い感じがします。そう言った意味ではA-11は中音が太く音に温度感がしっかり載っていて本当にリアルなライブ感が伝わってきました。
	PHILIPS AV1002　定価:160,000円売価:69,800円　フィリップスの6chパワーアンプ。コンデンサーはエルナーSILMIKを6個、ルビコンZLを6個、ニチコンMUSE-FGを30個、スピーカーリレーを3個交換。6chアンプという特殊なモデルでしたがもともとマルチチャンネルアンプとしても音質に特徴があることで人気があったモデルです。持ち味である音の太さがより際立って聞こえました。特に印象的だったのが低音の太さと鮮明さ。ベースの音はしっかりベースラインが聞こえるのがとにかく気持いい。決して固くなく、まるで張力の高いゴムのような引き締まりながらも弾力のある低音なのでレスポンスがよく聞いていて楽しくなります。今回はダイヤトーンのDS-97Cという、30cmウーファーの入ったスピーカーで鳴らしましたがロジャースやハーベスといった英国スピーカーのもう少し口径の小さなもので鳴らすとよくマッチしそうな感じがしました。
どちらのアンプももともと持っている固有の個性を最大限引き出したような、非常に中身の濃いものが出ていて久しぶりに楽しくいい音に出逢えたような気がしました。おかげさまで5/16の時点でどちらのアンプも売約済となってしまいましたがこれからも順次ラインアップを増やしていきますのでご期待ください。大須本店　　小島　陽介

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