ハイファイ堂メールマガジン

天気が悪い日々が続いており、色々と大変な時期ですが、心まで曇らないよう明るく過ごせてはいるでしょうか。私は仕事もプライベートも充実しており今までに無い生き甲斐を感じております。大須本店の佐々木です。さて、今回は最近よく見るスピーカーのタイプでトールボーイ型スピーカーというのをテーマにしていきたいと思います。
スピーカーには様々なタイプがあり、かなり大型でダブルウーファー等も使用する事もあるようなフロア型、大小様々な大きさがあり定位がハッキリしやすいブックシェルフ型、そして今回のテーマのトールボーイ型です。トールボーイ型とは簡単に言うと縦長スピーカーのことですね。
	特徴としては通常のスピーカーとは違い、幅を取らない事。やはりオーディオにとって設置場所は何より大切であり、どれだけいいスピーカーでも環境次第では良い音を鳴らしてはくれないと思います。スピーカーというのは基本、箱（エンクロージャー）で鳴りますが、トールボーイ型は箱の容積を横幅ではなく縦幅で補っています。これにより少ない面積で大きな容積を確保しています。
次にそもそも何でトールボーイ型が普及してきたかですが、基本的に古くからあるオーディオ界ではトールボーイ型は存在せず、浸透し始めたのが2000年ごろだと思います。この頃にはシアター用オーディオ等も出てき始めました。それに伴い大型テレビの横に置くのに丁度よかったのがトールボーイスピーカーです。今ではサラウンド用のフロントスピーカーやリアスピーカーとしてもよく使われています。
	肝心の「音」に関してですが比較的どのトールボーイもウーファーのサイズ以上の低域を感じます。また全体的なスケール感があり、オーケストラなんかは得意です。シアター用でトールボーイが多いのはこういう所にも理由があり、やはり映画音楽を再生するにあたっては持ち前のスケールと低音を活かしきれますね。また縦に長いという点を活かしウーファーを何発か入れてるスピーカーも多いです。
じゃあトールボーイ型のスピーカーは良いとこばっかで悪い所はないか？と言われたらやっぱりそうではありません。個人的な見解になりますが、ブックシェルフ型と比較するとボーカル音源ものを得意としないと感じます。もちろん個体により差がありますが、ブックシェルフ型の方が定位がしっかりしており音像を作り易いと思います。また、幅を取らないからと余りに小さい部屋に設置してもスピーカーの力を最大限出すには物足りないです。設置場所の自由度はあると思いますが、逆に言えばセッティングが難しいとも言えるのではないでしょうか。
	またトールボーイ型は最初から高さが用意してある為、ブックシェルフと違い基本的にスタンドを必要としないです。それが良い事なのか悪い事なのかは個人の感覚次第だと思います。今回テーマにして改めて考えてみると、実際オーディオシステムで音を聴く際にトールボーイ型だから〜とかブックシェルフだから〜とか考えて聴いていたことは少なかったと思います。どんなタイプでも音が気に入るか気に入らないかでした。スピーカーのタイプによって様々な特徴があることを感じさせられました。最後になりますが、人によってトールボーイ型が好きな方、ブックシェルフでスタンドでのチューニングも楽しみたい方と様々な意見が飛び交います。オーディオに正解は無いとはこの事だと思い、最大の面白い部分だと思うのでこれからもオーディオについてもっと詳しく、耳を肥やせるようにしていきたいと思います。以上になります。最後までお付き合い頂きありがとうございました。大須本店　佐々木将太