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B&W Nautilus解体新書　その２大須本店　越濱　靖人
今回は第2弾でB&Wオリジナルノーチラスのユニットを中心に解体してみます。修理前の状態ですので気兼ねなく外していきます。

MIDユニットです。このユニットは220Hz〜880Hzを受け持ちます。100mmの口径でダイヤフラムはまっ平らです。角の長さは1060mmもあります。この角の中で後ろに抜ける音を効果的に消音しています。

ユニットの上部、下部に＋端子、ー端子が付いています。ハンダ付けは特に丁寧というわけでもなく普通でした。ケーブルは超フレキシブルで非常に柔らかいものです。太さは16〜18ゲージといったところです。

筒の中は白い綿でふわっと詰められています。バックプレッシャーをかけずに消音する様になってます。

角をとったユニット背面です。

ややサビが出ているのか、黒い粉状のものが背面に付着しています。

ダイヤフラムとボイスコイルの接着面。ボンドが塗られていますが仕事は粗いようです。正直このMIDユニットは大変歪みやすく、私が思うにここが剥がれることで歪が出ているのだと思います。逆に言ってしまえばユニット交換しなくても別の業者に出してきちんと接着してもらうことで直るかもしれません。

ダイヤフラムとエッジ接着部分。未だ剥がれたことは有りませんがそのうち剥がれていくことが予想されます。

ユニットに付属している特性補正チップ。これはユニット個々に付属しています。専用のチャンネルディバイダーの内部にこのチップを取付て特性を揃えています。


チャンネルディバイダーのチップ交換。フロント側に赤いチップが見えます。昔のものは黒いチップだったようです。左からHF/HM/LM/LOWとなっています。

ここにチップを埋め込みます。ちなみにこのチャンネルディバイダーはコンデンサーにエルナー・シルミックが使われていました。その後、修理した部分はニチコンのコンデンサーで数個交換された様です。現在ではエルナーは手に入らないので仕方ないことだと思います。

上から2番めのMID-HIGHユニットです。角の長さは600mmあります。880〜3500Hzの帯域を受け持ちます。口径は50mmです。

厚みは少なく、かなり薄いユニットです。上下2点のネジで角と固定されています。

外してみるとMIDと同じように白い綿で覆われています。かなり先の方までしっかりとつめ込まれています。

先程から思っているのですが、マグネットは内磁型でしょうか？フィライトのように黒いリングマグネットが見当たりません。ネオジウムマグネットでも使用しているのでしょうか？

固定しているネジは5/64インチの六角タイプでした。

ユニット一つ一つにシリアルナンバーが添付され測定・管理されています。


チャンネルディバイダーの測定表。バランス入力・バランス出力での測定結果です。当然ながら左右ほぼ一致しています。こうやってみるとチャンデバの設定としては中域は0フラットより少し低め、低域と高域はやや上げ目でセットされているようです。

最後はトゥイーターです。角の長さは420mmでした。ダイヤフラム口径は25mmです。

上記ユニットと同じ様に2点ネジで角と固定されています。

外した様子です。これもダイヤフラムが貫通して見えます。マグネットはネオジウムでしょうか？ノーチラスは基本的に背圧はストレートに逃がすためフィルターなど全く付いていません。

大きなCクリップでツィーターカバーと固定されています。このクリップはやや怖かったので外していません。新品ユニットはカバーと一体のアッセンブリになっていますので、やはり難しい部分なのかもしれません。

これにもシリアルナンバーが記載されています。

次回、第三弾はいよいよ修理風景を特集します。遂にウーファーを外す様子までレポートします。