小型スピーカー、ベスト５！ハイファイ堂メールマガジン第670号大須本店

小型スピーカー、ベスト５！
ハイファイ堂メールマガジン第670号大須本店


最近メンテしたスピーカーで出色の音で印象に残ったのがJBL 4425。 4312シリーズとさほど変わらない箱のサイズながら目を閉じて聴くととてもあのサイズのスピーカーが鳴っているとは思えない程の音のスケール感。今回は小型スピーカーながら音の広がりやスケール感がかなり凄いスピーカーを個人的に衝撃的と思われた順に紹介します。

衝撃度No.5：MONITOR AUDIO MONITOR 1 英国モニターオーディオのデスクトップスピーカー。ユニットもさることながらエンクロージャーの作りも素晴らしく剛性感抜群。硬くも響きがしっかり出る、まるで米松のような響き。エンクロージャーを軽く叩くとカンカン…と心地よい音がします。普通、このサイズのスピーカーだと音量を上げていくと音が破綻してスピーカーの直近で平面的に鳴るような感じになるのですがこのスピーカーは入力した分は前方にしっかり音を放出するようでストレスを感じない鳴り方です。このチューニングの妙は素晴らしいです。

衝撃度No.4：ALTEC DIG アメリカ代表はアルテックの小型ユニット、755系（パンケーキ）を組み込んだ20cm同軸2ウェイスピーカー。乾いた音色でまるでホーンサウンドの様な立体的な音響特性と定位感を伴った音作り。低音は軽やかで中音域が太く押し出しがいいのでボーカルが前方にトビダスような感覚。60〜70年代のジャズ、ジャズボーカルを省スペースで堪能するならもう迷うことなくコレです。

衝撃度No.3：JM LAB MICRO UTOPIA フランス代表はJM LABからハイエンドコンパクトスピーカー。スタイリッシュのような、武骨のような、幾何学的のような、なんとも言えないデザインが特徴。小振りなスピーカーながら大音量で再生しても音の破綻が全く出ないのが素晴らしい。音の定位感がとても鮮明でクセのないサウンド。
	瓦？下駄？にしか見えない前面カバーはご愛嬌…。

衝撃度No.2：SONUS FABER MINIMA イタリアを代表する最有力メーカー、ソナスファベールのコンパクトスピーカー。私個人の経験から言うとこのスピーカーはニアフィールドで使うと良さが出ません。スピーカーの前後に空間をあけて試聴距離も最低2m以上は離れて鳴らしたときに音像が丁度目の前に現れる格好になります。そのような性格のスピーカーゆえにアンプは管球式の方がより自然な感じで鳴ります。

衝撃度No.1：DIATONE KB-610M+P-610DB 国産代表は言わずと知れた「ロクハン」。エンクロージャーはP-610用にチューニングされた純正のKB-610の組み合わせ。これは凄い。こんな小さなスピーカーなのに38cmユニットの入ったフロアスピーカーとタメを張れる程の迫力。MINIMAと違って場所を問わずどこにおいても特徴が出ます。しかも国産スピーカーにしては珍しくスピーカーの支配力が強い音なのでアンプを選ばないのも魅力。とはいえその個性をさらに引き立てたいなら純A級アンプ、管球式なら2A3シングルあたりがオススメです。
大型スピーカーの見た目通りの迫力ある音質もいいですが、小型スピーカーから放つ圧倒的なスケール感のある音はスペックからは判らない、聞いた人たちでしか分かち合えないこの上ない魅力。これからもこういったスピーカーの魅力を逐次お伝えできればと思います。大須商品部　　小島　陽介